考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~インターコンチネンタル上海浦西

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娘の言葉に傷つく父
私は考える男マートン。
今日は、日本から出張で来海した友人に会うため、
上海駅近くのホテルまで来ている。
彼と会うのも久しぶりだ。
小さかった娘さんがもう小学生か、
時の流れは早いな。
…ふむ、最近娘に
「もっとカッコいいお父さんがよかった」と
言われたと?
かわいそうだな…
フォローの言葉を小部屋(トイレ)で
考えてくるとするか。

無為自然を説く
清潔に保たれた洗面台の上に広がる鏡。
ん? よく見ると、中にテレビが入っている!
鏡の中に入った少女アリスの物語
『鏡の国のアリス』を思い出すな。
彼女は最後、夢から覚め、
自分が夢を見たのか、夢の中で眠っていた王が
自分の夢を見ているのか自問する。
似た話は、中国の思想家・荘子の説話
「胡蝶の夢」にも登場する。
蝶になった夢から覚め、
自分が蝶の夢を見たのか、
蝶が自分の夢を見ているのかわからないという話だ。
荘子は、どんなに考えても、
人は今が夢か現実か判断できない、
ならば解けない問題に悩むより、
現在を肯定して生きるのがよいという
「無為自然」を説くのだ。
…うむ。
友人には娘にこの哲学を説くよう
アドバイスしよう。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年12月21日号

 

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