真理を求める道
私は考える男マートン。
真理を求める哲学の道に終わりはない。
ということで、日課の哲学散歩中だが、少々疲れたな。
向かいのカフェで休もう。
ふむ。
コンクリートを基調とした、
アーティスティックな内装である。
コーヒーと…ケーキも頼むか。
では、食べる前に手を洗ってくるとしよう。
パイプで対話する
コンクリートの壁に、石の手洗いボール。
ほお、むき出しのパイプが洗面台を貫き、
天井と床を繋いでいる。
なかなかオシャレだな…!?
なるほどな。
この店に隠された哲学がわかったぞ。
洗面台のパイプ、これはズバリ、
排便を促す効果があると言われる、
タバコの喫煙用パイプを表すのだ。
喫煙用パイプは元々、自然を崇拝する
ネイティブ・アメリカンの文化である。
彼らは、儀式や交渉時など、重要な事柄に取り掛かる際に、
必ずパイプで喫煙し、大いなる神秘=宇宙の真理と対話するという。
そんな意味を持つパイプが、
現代的な人工物であるコンクリートに囲まれた空間にある。
つまりこれは、暗い灰色の日々を送る現代人も、
小部屋(トイレ)で対話をすれば、
宇宙の真理に近づける、という哲学なのだ!
よし、私も早速誰かをここに呼び、対話を始めよう。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。
~上海ジャピオン2013年4月12日号