考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~老洋房花園飯店

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マフィアの邸宅へ

私は考える男マートン。今日は、姪っ子の世話を頼まれた。この子の兄の将来の夢はレーサーらしいが、彼女は世界一ビッグな存在になりたいと…女は強し。しかし、ならば今日は、1930年代の上海で、裏社会を牛耳っていたマフィアの邸宅をリノベートしたレストランへ行こう。

黒社会の面影など微塵も感じない、爽やかな内装だ。料理も上品な味付けで、うまいな。ん? おしっこ行きたい? 仕方ない、幸いほかの客はもういないし、女子小部屋(トイレ)に入るか。

緋色のバラの哲学

真紅のバラの壁紙。手洗い台&手洗いボールは鮮やかな緑で、まるでバラの葉のようだ。そう言えば、バラは一般的に「情熱」、「愛情」のイメージが強いが、花言葉では色や部位、花の状態によって異なる意味があるそうだ。ちなみに緋色のバラは「陰謀」の意味だとか。

陰謀か…トップへの道はまさに陰謀渦巻く弱肉強食の世界。これはトップを目指すなら、茨の道を覚悟しろというマフィアの哲学なのだな。しかし、バラの葉には「希望」の意味もある。よし、姪っ子にはトップを目指すことの厳しさを説き、それでも決意が揺らがないならば、その道を応援してやろう。ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2013年12月20日号

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