ドウフガン
豆腐干
~山西省運城市~
色々な料理に引っ張りだこの豆腐干。スーパーなどで約3元
正義感あふれる少年
その思いを踏みしめて
中華料理にたびたび登場する食材、豆腐干。
堅めに作った豆腐を圧縮・脱水したもので、揚げ物、炒め物、煮物…と、
中国では普通の豆腐よりも広く料理に用いられる。
その誕生の由来には、ある心優しい少年の思いが込められていた――。
時は紀元前4世紀ごろ、戦国時代にまで遡る。
鍵となる人物は、第31回「酸辣湯」の由来で紹介した、ライバル2人。
「?涓(ほうけん)」と「孫?(そんぴん)」だ。
魏の国の将軍となった?涓は、ライバル・孫?の才能に嫉妬し、
魏王を上手く言いくるめて孫?を罪に落としいれた。
その結果、孫?は、ヒザから下の足を切り落とす「足切り刑」に処されてしまった。
さらに牢に閉じ込められてしまった孫?は、日々逃げ出す機会を窺っていた。
そんな孫?に、「小福」という正義感にあふれた豆腐売り少年が、毎日こっそり豆腐をあげていた。
孫?は、?涓に見つかってはなるまいと、食べ残した豆腐を石の下に隠していた。
すると、しばらくして孫?は、石の下に敷いていた豆腐が、今の豆腐干になっていることを発見。
その美味しさにたいそう感激した。
関羽を祀った解州関帝廟は、中国でも規模の大きな関帝廟として有名
その後、孫?は斉王に助けられ、一命を取り留めた。
孫?が豆腐干の話を斉王にすると、斉王はすぐに小福を呼び寄せ、豆腐干専門店を開くよう命じた。
すると豆腐干は、ただちに全国へと広まっていったのだ。
豆腐干を生んだ魏の国の首府・安邑(あんゆう)は、今の山西省運城市にあたる。
三国時代の武将・関羽の出身地としても有名なこの地で、
心優しい少年の思いやりから生まれた豆腐干料理を堪能しよう。
【アクセス】
①上海虹橋空港から運城張孝空港まで空路にて約2時間
②上海駅から洛陽まで、空調快速で約15時間、硬座143元~、
洛陽から運城まで空調快速で約5時間半、硬座50元~
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~上海ジャピオン9月24日号より