1.餃子百花繚乱
西安の名物「餃子宴」は、多彩な餃子で構成された、いわば餃子のフルコースだ。古都の名物だけに、さぞ長い歴史があるんだろうと思いきや、実は二十数年前に西安の観光客増加に対応して編み出されたものなんだ。
このコースの餃子は、腕利きの料理人たちが北京、上海、青島、さらには唐代・宋代と、古今東西の餃子を研究するため駆け回り、開発したもの。味は、塩味、甘いもの、辛いもの、酸っぱいものから、オイスターソース味やカレー味のものまである。また形も、金魚、くるみ、あひるを模ったものなど個性豊か。開発当初、108種類だった餃子たちは、その後も発展を続け、今では200種類にもなっているそうなんだ。
2.学者も驚愕の巨大墓
紀元前3世紀、中国を統一して史上初の「皇帝」となった始皇帝。彼が「秦」の王に即位したのは13歳の時だった。即位した彼は、すぐに自分の墓を作り始めたんだ。始皇帝は万里の長城をはじめ数々の大土木事業を行ったことで知られているけど、その墓の工事も大規模なものだった。工事には70万人の労働力が投じられ、彼が50歳で亡くなるまで、37年もの間続けられたんだよ。
西安郊外にある、このお墓「始皇帝陵」は、今では世界遺産になっている。周辺の副葬地区と合わせた面積は、現在の西安の都市面積の2倍にあたる、66・25平方㌔もあるんだ。現在も慎重な発掘調査が続けられているよ。
3.神様の出身地!?
「神農」という名前を聞いたことがあるかな? 中国古代の伝説の帝王のひとりで、別名「炎帝」とも呼ばれている。彼は、それまで草や木の実、小動物を食べていた人々に、農耕を教えた「農業の神様」とされているんだ。
彼にはたくさんの伝説があるんだ。例えば、頭は牛で身体は人間、お腹が透き通っていた。様々な薬草や植物の特性を自ら食して調べ上げ、中国医学の始祖となった。彼が薬草を調べる中で、毒草にあたったときそれを解毒したのが茶葉で、それがお茶のおこりとなった――など数え上げればきりがない。
その神農の出身地と伝えられているのが、陝西省の宝鶏市。ここには、神農をまつる炎帝祠や炎帝陵が残っているよ。
陝西省ってどんなとこ?
紀元前11世紀から2000年もの間、都が置かれた歴史ある古都・西安をはじめ、 華山、天台山など豊富な名勝旧跡がある。
【人口】3,720万人
【面積】20.5万km2
【省都】西安
【民族の割合】漢族99.5% その他民族0.5%
【平均寿命】70.07歳
【都市部平均年収】8,272元(約124,080円)
【農村部平均年収】2,052元(約30,780円)
■次回予告■安徽省
①安徽省の「世界三大○○」のひとつって何?
②世界遺産の古民居群「宏村」は何の形?
③安徽省発祥の日本でもよく見る食べ物って?
~上海ジャピオン4月13日発行号より