真理の旅手帖:四季折々、西湖でまったり

 上海に短い春がやってくる。心地よいうららかな日差しは、小旅行にピッタリ。「天上に極楽あり、地上に杭州あり」と称えられた杭州でも、新緑の季節を迎えている。さあ、上海から脱出してマイナスイオンを浴びに行こう。
 昨年の春、お茶屋さんを開く予定の知人がチャーターした車で、杭州郊外にある茶農家に向かった。清明節前に芽吹いた貴重な新茶を摘みに行くためだ。出発の時は厚いコートを来ていた私達だが、杭州に到着する頃にはすっかり春の陽気になっていた。
 上着を脱ぎすて、茶畑を登って行く。「これが有名な龍井茶の畑?」刈り込みもされておらず、イメージと違う光景が目の前に広がる。話を聞くと、機械を使わず手作業なので日本のように整っていないのだという。お茶摘みの格好をした農家のおばさんたちが、斜面のあちこちに点在して見える。「どうやって摘むの?」と、娘も見よう見まねで籠を一杯にしようとがんばっていた。
 春の空気で胸を満たすと、昼食の待つ農家まで下って行った。新茶を炒る香りが村中に漂っている。まずは新茶を1杯。作業の後だけにとても心地良い。地元の田舎料理もふるまってもらった。ちなみに、摘んだお茶は購入することもできる。
 田舎の空気と新茶の香りを満喫した後は、西湖へ。4月初めの湖畔では桜を目にすることができて、日本人の私としては大感激。また、西湖天地では新しい杭州を体験できる。上海の新天地にそっくりだが、緑と湖に囲まれたロケーションは杭州ならでは。スペイン風の建物で湖を眺めて座っていると、ヨーロッパのどこかにタイムスリップした様な感覚になる。近くには伝統的な茶館もあったので、夕食は中国茶と点心で軽くすませた。最後に、西湖に沈む夕日も堪能でき、まったりと癒される休日だった。帰路は込み合う時間を避けて上海に帰るのも良い方法だ。
 杭州では9月には有名な銭塘江の逆流、湖畔の大花火大会など四季折々の楽しみがある。ボートで島巡りや小舟に乗ってのんびりするのもオススメ。天気や気候の良い時にふらっと出かけるには最適の場所だ。電車なら2時間程でシートも非常に奇麗。バスの定期便もあり。次回は世界遺産、龍門石窟と少林寺。
(旅の詳細、感想などはこちらの個人アドレスまでmaritabi@mail.goo.ne.jp)

 
<ツアー組みます>
TEAsia(ティージア)
長楽路55号
TEL:5383-8173
●今年のツアーの予定
杭州1泊お茶摘みツアー
出発:4月上旬
料金:1,000元前後を予定
詳細は藤下店長まで
※バス&電車利用の場合
電車33元~(軟座快速の場合50元)
高速バス58元~

~上海ジャピオン2006年3月10日発行号より

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