聞き慣れない呉語に苦労
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。おばちゃん、昨日は家に泊めてくれてありがとね、またいつか遊びに来るよ。うっひょ~、家を一歩出たらこの寒さ。南部にいるとは言え、12月に入ってガクンと気温が下がったな。風邪をひかないように、身体を動かすのみ!
昨晩、ふっかふかの布団で爆睡できて体力回復、一気に130㌔進んで、浙江省南部の市である江山市に到着。つ~か、みんな何話してるのかさっぱりわからないぞ。ここの人たちが話す方言は江山語と言って、上海市や浙江省、江蘇省南部辺りの方言と合わせて「呉語」という言語に分類されるんだって。昼メシの注文をしたいんだけど、おじいちゃんの訛りが強くて言葉が全然聞き取れない…。これ! おじいちゃん、これちょうだい! ああ、もう(泣)。
オレンジ色の桂花絨毯
福建省は浦城市に突入。ああ、この旅も残り4分の1ほどか、もう2000㌔以上も漕いできたんだな。ここは「丹桂(モクセイ)」の名産地で、〝中国丹桂の郷〟と呼ばれているんだ。花の見頃は10月までだけど、今は花が道いっぱいに散っていて、まるでオレンジ色の絨毯みたいでキレイだな。おおっ! 少し先に見える橋、雑草の生え具合や年季が入っている感じがいい。「紅軍鏖戦石橋」って言うんだな、写真を撮っておこう。
地図を見る限りこれからゴール地の広東省深セン市まではこれといった大都市はなくて農村を通るっぽいな。秋の収穫期で獲れた食材を使った、ウマいメシをたくさん食べられそうだ。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2016年12月2日発行号