左右に延びる強い黄色の光が空を舞う。まるで龍の様にうねり、そうかと思うと右からカーテン状の光が現れる。それは次第に輪を作り、頭上に降りてくる。天空で繰り広げられるページェントに、皆一様に寝転がり、空を見上げた。気温はマイナス15度。その寒さも感じない位、壮大な体験だ。約1時間くらいだろうか、すべてが終わった後、出てきた言葉は、「自然に涙がこぼれてきたね」という感想だった。
これが99年、カナダのイエローナイフで見たオーロラだ。
以来、すっかりオーロラの虜になった私は、01年、8歳の娘と一緒に、同じくカナダのフォートマクマレーへ。小さな町かと思ったが、博物館や大きなホテルも何件もある。私たちのホテルもジャクシーがあり水着を持参して楽しんだ。スキーやスノーボードも可能で、雪質も良い。その他ビーバーの巣づくりの観察などネイチャーウォッチング等、楽しみが一杯。夜は皆揃って、オーロラを呼ぶ歌を歌い、イヌイットの人達と一緒に太鼓をたたいて焚き火をした。娘も先住民のかぶり物を頭にかぶり、カシャリと記念撮影。そうしているうちにカーテン状のオーロラが空を飾る。形を変え、場所を変え、色や大きさの変化は予測もつかない。オーロラを初めて目にした娘は、不思議そうに、言葉なく空を見上げていた。
ちなみに、オーロラに関心を持ち、寒い中、観測をするのは日本人だけらしい。ある本に「自然の中に存在する八百万の神を信じる日本人の思想が、先住民とつながっているのではないか」という記述があった。はるばる海を越えて、オーロラを目指す理由がそこにあると考てみると、日本人と欧米の人々との不思議な内面の違いを感じる。子供でもそれは肌で感じたようで、帰国後、宇宙や科学に興味を持ち、本を読むようになったから不思議なものである。
今回、旅の情報は、東京のカナダ観光局が資料を送付してくれたので大助かり。航空券予約は大手より専門店に頼んで予約OKとなった。また、オーロラの見れる時期や細かな詳細は、メールで旅行会社もしくは下記のアドレスまで。
<ツアーを組んでもらいました>
上海エキスプレストラベル「オーロラを見に行こう 3泊5日」
イエローナイフ 16,650元+税(約1,300元)/人
フォートマクマレー 14,900元+税(約1,300元)/人
*航空券、ホテル、送迎費、耐寒6点ウェアセットのレンタル費など込み
TEL:6360-9725 E-mail:set-sh@mail.online.sh.cn
~上海ジャピオン2006年1月6日発行号より