食道をゆく 第12回 薩其馬

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サチマ
薩其馬
~遼寧省瀋陽市~

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ついつい何個も手が伸びてしまいがちだが、高カロリーなので食べすぎには注意しよう

おこし風中国菓子
名前の由来は罵り言葉

 「沙其瑪」や「沙琪瑪」とも書くこの食べ物。
小麦粉と卵を混ぜた生地を棒状に切り、油で揚げて水あめで固めた、日本のおこし風中国菓子だ。
中国全土のスーパーなどで20パック入り18元程度で売られている庶民のお菓子だが、
その名前の由来は子どもには聞かせたくないような罵り言葉だった。
 時は満州族が治める清朝の時代、当時の首都であった今の瀋陽市に、薩という苗字の将軍がいた。
馬に乗って狩猟をするのが趣味の彼は、狩猟の後に甘いものを食べる習慣があった。
しかも毎回、コックに新しいものを作るよう要求して、コックを困らせていたのだ。
 ある日、アイデアに窮したコックが、無理難題を言う将軍に腹を立て、
「殺那個騎馬的!」(あの馬に乗った奴を殺すぞ!)と罵りながら適当にその辺にあった小麦粉と卵を混ぜ、
揚げて水あめで固めたものを将軍に出した。
これが存外美味しく、気に入った将軍がこのお菓子の名前を尋ねると、
コックは慌ててとっさに「殺騎馬」と言ってしまった。
しかし将軍は発音の似ている自分の苗字をとった「薩其馬」と聞き間違え、
これがきっかけで今の名前となったのだ。
その後、より聞こえの良い漢字を宛がうようになり、ゴマやナッツ類を加えたアレンジもされつつ、
幾つかの書き方で広まることとなった。

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瀋陽故宮は清朝の初代皇帝、太祖ヌルハチによって建てられた

 薩其馬の誕生地である瀋陽市は、国家歴史文化名城に指定される観光都市でもある。
薩其馬は1個で約200㌔カロリー、脂肪分約54%という高カロリーの食べ物。
あちこち観光して歩きながらカロリーを消費しつつ味わおう。

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【アクセス】
①上海浦東空港から瀋陽桃仙国際空港まで飛行機で約2時間
②上海駅から瀋陽駅または瀋陽北駅まで、動車組(新幹線)で約15時間、空調快速で約25時間

~上海ジャピオン11月6日号より

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