ナツメの名産地へ
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。上海ではサクラが開花し始めたらしいな。こっちはまだまだ朝晩冷えるけど、春はもう目の前って感じか。
ここ数日は恐竜の化石を見たり、洞窟探検したりとすっかり冒険者気分だったけど、さすがに疲れてきた。オレももう歳かな…(笑)。次の街では、ちょっとゆっくりしたい気分だぜ。
今日向かう街は「棗庄市」。はは~ん、市名に〝棗〟が入ってるってことは、ナツメがよく獲れるところなんだな? オレは、ナツメを氷砂糖であま~く煮た「氷糖紅棗」が大好物。うまい中国茶と甘いナツメで一服できることを期待して、出発しますか。
温泉でリフレッシュ
さ~て、棗庄市に到着。うんうん、オレの予想通り、ナツメがいっぱい売られているな。ここの特産品「店子長紅棗」は甘くて栄養たっぷりと、全国的に有名らしいぞ。
それから棗庄市は、戦国時代に興った思想集団「墨家」の始祖、墨子が生まれた場所でもあるんだ。墨子は戦国の世で、各武将に博愛主義を説いて周った、すごい思想家。市内に「墨子記念館」があるらしいから、行ってみようかな…、余力があれば。
おっ、それより何より、天然温泉「仙壇山温泉小鎮」があるじゃん。室内外どちらにも風呂があって、夜間は入場料35元って、なかなかいいぞ。よし今夜は、温泉に浸かって、ナツメ食べながらゴロゴロして、リフレッシュすることにき~めた。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2019年3月29日発行号