立派なパールを求めて
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。ふぅ~、昨日は「背水の陣」ゆかりの地、宿州市で、まさにオレの学業がピンチに陥っていたんだけど、口八丁で何とか留年の危機だけは回避できた。さすがオレ! 宿州市で色々な秘策を学んだだけあったぜ。またここから、ゆる~く旅を楽しもう。
次の街は「蚌埠市」…なんて読むんだ? ベンブー市だって、ユニークな響き。調べてみると、「蚌」とは二枚貝の一種で、真珠が採れるらしい。で、蚌埠市は別名「真珠城」と呼ばれてるんだとか。パール城…何だか親しみのある名前。ってことは、真珠が安く手に入るのかな。よ~し、キレイなアクセサリーを買って、大学の先生に機嫌を直してもらおう。
真珠の文化は残るが…
さ~て、「蚌埠市」に到着。おっ、早速、女性がパールを持って立ってる、貝のオブジェの写真を発見。やっぱり真珠が名産みたいだな。どこで売ってるか、旅行案内センターで聞いてみよう。えっ!? 昔はよく採れていたけど、今はないって? なんだよ~、ガッカリ。でも代わりに、キレイな石を削って作る伝統工芸品「蚌埠玉彫」を紹介してもらえたぞ。う~ん、これもなかなかいい。ともかくいい土産はできたな。
あっ、向こうの広場で、神輿みたいなものを担いでいるおばさんたちが。聞くと、あれは「旱船舞」と言って、船が川を進む様子を再現しているんだって。昔は、こうやって真珠を採っていたのかな…。くそう、オレももうちょっと早く生まれていれば、真珠買えたのに…。 さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2019年5月10日発行号