銀聯対応の端末機中国全土に5万台
日本のコンビニでは、ローソンなら「Loppi(ロッピー)」、
ファミリーマートなら「Famiポート」と、
それぞれ店頭に端末機を設置している。
各種チケットの予約や支払いなどで、
利用したことのある人も多いだろう。
実はここ上海のコンビニにも、このような端末機が存在する。
その筆頭として挙げられるのが、「LAKALA(拉?拉)」だ。
「LAKALA」は、
「Union Pay(銀聯)」のロゴマークが入った
キャッシュカード・銀聯カードに対応する端末機。
携帯電話料金のチャージやネットショッピング代金の
支払いなどの機能がついており、銀聯カードを通せば、
利用額が直接引き落とされる仕組みだ。
2005年に設立されて以来、
中国全土の200余りの都市で展開し、
今ではコンビニなど約5万カ所に設置されている。
その数は何と、郵便局の約3倍にも及ぶというから驚きだ。
月あたりの使用人数は延べ600万人。
さらに、今でも毎日1万人の速度で新ユーザーが
増え続けているという。
20~30代の7割が利用クレジットの返済など
そんな「LAKALA」について、
マーケティング会社・インフォブリッジが、
上海に住む20~30代の男女100人を対象に行った調査によると、
なるほど、全体の約7割もが利用しているという結果になった。
さらに使用頻度も、
週に1~2回と月に1~2回という回答が利用者の8割を占め、
定期的に使用している利用者が多いことが伺える。
利用目的はというと、
ダントツの1位は、クレジットカードの返済。
続いて、公共料金の支払い、携帯電話料金のチャージ、
淘宝ネットの支払い、
支付宝(アリペイ)のチャージなどが挙げられた。
中国のクレジットカードは、
自動引き落としにできる銀行が限られているため、
「LAKALA」を利用して支払う人が多いのだ。
とはいえ、上海に住む日本人で、
現地のクレジットカードを持っている人は、
そこまで多くないだろう。
ということで次ページからは、
日本人にも大いに役立つ機能の利用方法を紹介していく。
携帯電話料金のチャージ
手放せない携帯電話充値?の購入が不要に
日常生活に欠かせない携帯電話。
プリペイド方式のプラン加入者の多い中国では、
定期的にチャージカード(充値?)を購入しては、
「13800138000」に電話をかけるか、
「CZ+チャージカードのパスワード」を入力した
メールを「10086」宛に送るかの2つが主な方法だ。
しかし、このチャージカードがくせ者で、
いつもの店で売り切れていたり、
取り扱っていない店もあったりと、
入手までに時間がかかってしまうことも。
カードを求めてさまようジプシーのようになった経験がある人も、
多いのではないだろうか。
銀行カードでシュワっと二度手間を省く
そこで、是非とも利用したいのが、
「LAKALA」の携帯電話料金チャージ機能。
この機能を使えば、
銀聯カードを通すことで
直接チャージ金額を引き落してくれるので、
現金を銀行から下ろす手間と、
チャージカードを購入する手間を省くことができるのだ。
これを利用しない手はない。
利用方法はごく簡単で、上記の通り。
電話でのチャージは中国語が話せない人にはハードルが高いが、
こちらは操作だけ覚えてしまえば、
中国語力が要らないことも利点のひとつだ。
また、一度に300元や500元などといった
大量チャージもできるので、
日本へ頻繁に電話をかける人などは重宝することだろう。
ちなみに、会社の経費精算で領収書が必要な場合も、
心配無用だ。
チャージカードを取り扱っている店舗なら、
レシートをレジカウンターに持っていき、
「給我発票(ゲイウォーファーピヤオ)」と言えば、
領収書を受け取ることもできる。
支付宝(アリペイ)のチャージ
最強のネット決済「支付宝」楽々ネットショッピング
先に述べた「支付宝(アリペイ)」は、
中国最大のネット決済システム。
前ページで紹介したアンケート調査によると、
回答者の96・3%が使用しているという「LAKALA」を
も上回る結果となった。
支付宝のアカウント取得は、無料な上に至極簡単。
公式サイト(www.alipay.com)のトップページ右にある
「免?注册」をクリックし、「个人(個人)」を選択。
自分の携帯電話番号を入力し、「同意以下??并提交」を押す。
すると、携帯に「???(承認番号)」が送られてくる。
その番号をもう一度入力し、
名前やメールアドレスなどの基本情報を登録すれば、
手続き完了だ。
支付宝は、
中国の大手ネットショッピングサイト「淘宝ネット」の
決済方法としても使用されているため、
左記の手順で予めチャージしておき、
自宅でネットショッピングを楽しもう。
ちなみに、淘宝ネットの詳しい利用方法については、
「上海ヴォイス 淘宝網」と検索し、
過去の特集「淘宝網を知る」を参照。
チケット購入・淘宝ネットの支払い
映画やコンサートも登録なしでOK
映画やコンサートチケットなどをネットで購入する際に、
クレジットカードやインターネットバンキングを
持っていなくても、「LAKALA」で簡単決済が可能だ。
チケット手配の「一票通」(tickets.com.cn)などで
購入したい映画やコンサートを選び、
支払い画面のところに来たら、まずは「支付宝」を選択する。
支付宝のアカウントを取得していない場合は、
画面右側の「我没支付宝??、也能付款」の入力欄に、
メールアドレスか携帯電話番号を入力。
「下一?」で次の画面へ行き、続いて
「网点」というタブをクリックすると、
「拉?拉」の選択欄が出てくる。
さらに進むと、取引番号「交易号」が表示されるが、
ここで利用したいのが、番号を携帯に転送してくれる機能。
「点此?送至手机(免?)」をクリックし、
携帯番号を入力すると、
取引番号をSMSで送信してくれるため、
メモを取らずともコンビニに行き、
「LAKALA」で支払いができる。
募金
各種募金も手軽にコードはHPでチェック
「中国で募金」となると、
一体どうやったら良いのか皆目見当がつかない…というのが、
大半の意見だろう。
そんな時にも、気軽に利用できるのが、
この「LAKALA」。
提携している各基金会に、いつでも簡単に募金ができる。
ただし、募金には各基金会のコード入力が必要なのだが、
端末ではその番号が確認できないため、
事前に「LAKALA」の公式サイト(www.lakala.com)で
チェックしておく必要がある。
コードを確認するには、公式サイトのトップページから、
「支付&生活」というタブをクリックし、
さらに出てきたサービス内容の中から「公益捐款」をクリック。
すると、各基金会の説明と、
それぞれの募金コード「拉?拉捐款??号」が
書かれた画面が出てくるので、
募金したい先のコードをメモしてコンビニへ行き、
左記の手順で手続きを行えばOKだ。
この機会に、中国で募金デビューしてみるのも良いだろう。
mini LAKALA
自宅でさらに楽々スタッフが取り付け
2010年4月には、
何とこの「LAKALA」が自宅で利用できる
家庭版「mini LAKALA」の発売が開始された。
発売と同時に瞬く間に話題を呼び、
今では1日100個も売れるほどの人気ぶりだ。
価格は1台399元。
機能もコンビニに設置されているものとほぼ同じで、
違いと言えばレシートが出力されないことくらい。
さらには、
自分の銀聯カードの残金確認も手軽にできてしまうのだ。
使用するには電話回線と接続する必要があるのだが、
購入後は、スタッフが自宅まで届けてくれ、
設置もしてくれる。
ただし、その際には身分証明書(パスポ―ト)の提示が必要だ。
設置の際にスタッフと中国語でやり取りする必要はあるが、
それさえこなせば使い方は簡単。
自宅の付近にコンビニがない人や、
コンビニに行くのさえも億劫だという人などは、
思い切って購入してみよう。
今よりさらに便利な生活が送れること間違いなしだ。
~上海ジャピオン7月29日号