バスツアーがおもしろい!!

 バスツアーがおもしろい!!


爽やかな季節が到来! 外出に最適なこの時期は旅行に出掛けたいもの
そんなときは、穴場スポット満載のバスツアーに参加しよう
乗ってしまえばすべてお任せのお気軽旅行へいざ出発!

たとえどこにあるか知らなくても、バスツアーならバスにさえ乗れば後は勝手に目的地まで連れて行ってくれる。そんな手軽さにハマり、これまで50回以上もツアーに参加してきたという日本人太太の堀川朱美さんに、バスツアーの魅力と楽しむコツを聞いた。


せっかくの海外暮し たくさん冒険したい

「最初はどんなツアーになるのか不安でいっぱいでした。でも今では、なぜ日本の方があまり利用しないのか不思議なほど気に入っています」
ご主人とともに2004年に上海に来た堀川朱美さん(51)は、これまでバスツアーで様々な名所を巡ってきた。
「上海は私にとってはじめての海外暮し。とにかく毎日が興味津々で、何もしないでは時間がもったいない」
中国語は「?好」と「??」くらいしか話せなかったが、チケット購入やツアーへの参加は特に問題がなかった。
「日本人向けのパンフレットや観光案内には載ってないような穴場スポットってたくさんあります! 中でも私のオススメは、杭州の宋城。昔の中国を再現したテーマパークのような場所で、迫力のあるショーが素晴らしい。馬が舞台を駆け抜けたり、水しぶきが上がったり、座席が動いたり…と、スケールに圧倒されます。知らないと本当にもったいない。こんな出会いも現地バスツアーならではですね。」

堀川流! バスツアーを楽しむコツ

少なくとも3日前に購入
当日に購入することも可能だが、人気スポットの場合は入手困難なことも。

日帰りなら120元~が目安
ツアーの値段によって、使用バスの快適さや客層に差が。日帰りなら120元以上なら安心。

集合時間を場所を紙に書いてもらう
予想外なところに集合することもあるので、中国語に自信がある人でも、場所と時間をメモしてもらうと安心。

堀川朱美さん

3年の上海滞在を経て、ことし8月に帰国。1泊旅行も含めたオススメのスポットは、杭州の宋城と瑞晶石花洞、黄山の南屏、共青森林公園、東方緑舟、七宝など

 潜入! 週末日帰りバスツアー


たかがバスツアー。されどバスツアー。その魅力は、結局行ってみなくちゃわからない。そこで、バスツアー未経験のジャピオン編集部のスタッフがバスツアー潜入取材を敢行。そのおもしろさを余すことなくご紹介する。

まずは目的地選びから

日帰りツアーは、早朝7時発のものもあれば9時半発のものまで様々。あまり朝が得意じゃない私は、ねらいを8時発くらいのツアーに定めることにした。決行日に選んだのは週末の土曜日。前日は深夜に帰宅したので朝起きられるか不安だったが、なんとか予定通り5時半に起床。余裕を持って7時前には「上海旅游集散中心」に到着した。
 「案内カウンター、案内カウンター…」と見渡すと、中心付近にそれらしきカウンターを発見。早速、希望時間ころに出発するツアーのパンフレットを揃えた。その中で、特に興味をそそられたのは「常州恐竜公園ツアー」。どんなところかさっぱりわからないが面白そう。しかし、早速チケットカウンターへ行くも、残念ながら人気殺到ですでに完売。そこで今から参加できるツアーでオススメのものを聞くと、「烏鎮(150元)」が定番の人気スポットだと言うので、今回はそこに決定。
◇右が案内カウンター、チケットは左奥にある(写真左上)
◇タクシーで向かう場合は「旅遊集散中心」で大抵通じる(写真右上)
◇今回のツアーバスはこちら。さらに新型もある。(写真下)


バスへ乗り込む

行き先が決まりチケットも無事入手してひと安心。待合室を聞くと、このツアーの場合は、出てすぐのところにある駐車場で直接乗車するとのこと。しかし、良くわからない。「え…どこ?」と不安顔でウロウロしていると、係員のような人がいることに気が付いた。言葉を発するまでもなく、チケット見て慣れた様子で集合場所を案内。駐車場まで出ると、今度は敢えて無言のまま係員にチケットを見せ、目で〝このバス探しているんですけど″とアピール。ここでも係員はササッと素早くチケットを確認し、その方向を指差した。なるほど、これなら確かに中国語が話せなくても困ることはなさそうだ。
肝心のバスは、思ったより清潔そうでゆったりしている。日本で見るバスツアーのバスという感じでほっとした。乗客はOL風のお姉さんから、老夫婦とその息子風な人たち、仲良しおじさん3人組など様々。発車して30分もするとみんな眠ってしまったので、うるさいかもなんて心配は杞憂に終わった。その後到着までの1時間45分、クラクションさえ気にすることなく、車窓に映る変わり行く景色まで存分に楽しんだ。
◇川からの眺めも一興(写真左上)
◇ご当地グルメは旅一番の楽しみ(写真左下)
◇秋風が水郷の町に心地よく吹き込んでいた。(写真右)


到着して自由行動

10時15分に烏鎮に到着。バスを降りる際に前ページの「楽しむコツ」を思い出し、しっかりと「集合時間と場所」を確認。万にひとつでも、こんなところで置いていかれては大変である。聞き違いがあってはならないので、メモを出し直接書いてもらった。さらに最悪の場合に備えてバスの運転手さんと電話番号交換まで行った。非常に気のいい運転手さんで、私が外国人だと知るやいなや「もし集合時間になっても現れなかったら電話するから、安心して遊んできなさい」と送り出してくれた。
 そして自由行動開始。いざ! と意気込んでみるも、烏鎮に来る予定はなかったので、まったく予備知識がない。どこに行けばいいのか迷ったが、とりあえず団体客を避け、人通りの少ないところから気ままに散策した。薄曇りの空模様と、爽やかな秋風がとにかく心地良い。途中小腹が空いたので、目に付いた食堂へ。羊肉に目がない私は「羊肉麺(12元)」を注文。出てきたのは、上海ではちょっと珍しい砂糖醤油で煮込んだ「紅焼羊肉」をトッピングした麺。この羊肉というのが、しっかり煮込まれており味が染みて柔らかい。空腹感が満たされると、ふと小舟に乗りたくなった。しかし、乗船料金は一隻あたりで計算するそうで、ひとりで乗っても8人で乗っても80元。こんなときひとり旅は困る。諦めきれずに迷っていると、たまたま7人連れの家族が乗るところに遭遇。勇気を出して「一緒に乗せてもらえませんか?」と聞いてみると、あっさりOK。そんなわけで、ファミリーに交じりちゃっかり(川下り)も果たした。

そして上海へ
下船して時間を確認すると、15時を回ったところだった。自由行動が約6時間というのは、ひとり旅にしてはちょっと長い。結局出発50分前に一足先にバスへ。ツアー仲間(?)もちらほら戻りはじめ、時間通りには全員揃い予定通り烏鎮を後にした。

体験後記
その日の朝まで、まさか烏鎮に行くなんて思ってもみなかった。それが、こんなにもあっさり旅をすることができるなんて。これが、バスツアーに初めて参加した私の正直な感想だ。
日帰りだから荷物の心配もなければ、予め「○時発の○○に乗って…」なんてめんどうな予定を立てる必要もない。堀川さんが「なんで日本人があまり利用しないのか不思議」だと言っていたが、確かにその通りだと思った。味を占めた私は、次なるバスツアーに向けて、すでに友人に声を掛けてある。目指すは「常州恐竜公園」だ。

【上海旅游集散中心】

◇天鑰橋路666号(×中山南二路)
◇TEL: 6426-5555
◇営業時間: 6時半~19時

 路線バスでも観光気分

路線バスを賢く使うアイテム

街中を走る路線バスも、見方を変えればちょいツアー感覚を楽しめる。例えば、911路、912路、916路などの2階建てバス。2階の最前列に座れば、いつもの景色も全く違った表情に。
 ほかには、148路のように大きく一周して始発点に戻る環状線もおもしろい。ただし、終点では必ず下車しないといけないので、一週するなら始発から乗ることが肝心だ。
 あとは、橋を超える路線もオススメ。大橋6線や715路に乗って、黄浦江を越えよう。

路線番号から探す

上海公交?乘指南

最寄のバス停を走る路線がわかったら、この冊子の出番。
各バス停を、上り下り線とも詳細に記されている。
地下鉄よりも便利な路線があるかも。


目的地から探す

丁丁地?
自宅から上海美術館へ行く場合、「出発」に自宅の住所や道路名を、「到達」に「上海美術館」もしくは住所を入力。
すると、自動的に最適路線や最適な乗り換え方法などを提案してくれる。
http://www.ddmap.com/map/21/channel-bus.htm

~上海ジャピオン11月2日発行号より

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