世界にひとつだけの聖夜

世界にひとつだけの聖夜


自分だけのひと工夫が、かけがえのない瞬間を彩ることがある

そんな贅沢なクリスマスの楽しみ方を、4人の〝アーティスト〟にきいた

キャンドル、リース、ケーキ、ツリーで演出する、オリジナル聖夜のご提案

【デザインキャンドル】

暖かい灯りを求めて
厨房具も発想の元


冬は、日照時間も極端に短い北海道。そこで生まれた小坂井さんは、自然と〝灯り〟に興味を持った。そして、よく訪れたドイツでの風景が、キャンドルを作るきっかけとなる。
 「ドイツでは、毎年クリスマス市がたつんです。そこで並ぶキャンドルを買うと、クリスマスに対する強い想いが伝わって、本当に暖かい気持ちになれました。それにドイツでは、キャンドルを普通に生活で使うんですよ。窓辺にゆらめく灯りがすごく美しくて……自分でも作りたいと思ったんです」
 そして8年前、プロとして本格的にキャンドルデザインを始めた。蝋の色や形から理想の炎の追求まで、キャンドル作りは奥深い。今では、毎年クリスマスは多彩なキャンドル作りで大忙しだが、それまでには無数の試行錯誤があった。
 「まずイメージが浮かぶんです。例えばシャボン玉なら、重量は軽く、色は何色か混じったものをと考えていく」(小坂井さん)。そうして、あじさいや氷など様々なモチーフを形にしてきた。
 とはいえ、キャンドル作りの基本は、溶かした蝋を型で固め芯を通すだけとシンプル。簡単なものなら初心者でも20分で作れるというから、敷居は低い。
 「ご家庭でなら、蝋は鍋で溶かし、型は牛乳パックやプリンの容器、中身をくり貫いたピーマンなどでいいんです。結構お料理に似ていて、厨房具にはキャンドルに使えるものも見つかります。クッキーの型とか」
 火事と火傷への注意は必要ながら、失敗作への心配は要らないと小坂井さんは微笑む。
 「私自身、初めての作品では100個以上のボツを出したんです。でも、キャンドルの面白さも、失敗から生まれると思います。人生と同じかも(笑)」

キャンドルデザインを習うには

小坂井さんが講師を務める「キャンドル工房」は、diageカルチャークラブで12月10日(月)からスタート。
第1回はクリスマスキャンドル制作で、デコレーション作りがメイン。
以後も月イチで開講予定。

小坂井順子/キャンドルデザイナー
東京を拠点に個展を開くなど活躍、カンヌ映画祭グランプリ受賞作『殯の森』でも作品が使用された。
ことし11月から上海での活動も開始。

キャンドル工房

電話:136-7181-7311(日本語可)
URL:diageclub.blogbus.com
住所:東湖路20号 Diage2階ギャラリー
日時:12月10日(月)13時~15時
料金:200元(材料費込み)

 自分のスタイルで伝える想い

【クリスマスリース】

込められた物語
会話する花の声


「フラワーデザインには、物語があるんです」
 そう語る中島さんは、毎年自身の教室で、子ども達にクリスマスの物語を聴かせながらリースを作る。星飾りはキリストを祝福する賢者を導いたベツレヘムの星。赤はキリストの血。緑は命の象徴――そこで個々のデザインに込められた意味を伝える。
 「僕らは、花の5つの特長、形・色・香り・質感・動きを活かし、それぞれに意味を込めているんです。それで喜んでもらいたい。普段僕は熊本にいるので、ご近所に差し上げるリースには熊本特産のいぐさを使ったりする。そこに物語があるんです。上海なら、上海の物語を意味する素材が見つかるかも知れません。僕らは花でコミュニケーションする訳ですから」
 花を通して、生徒の子どもからは自由な発想を、欧米人との交流からはクリスマスの物語を学ぶという中島さん。花による〝会話〟が魅力なのだろう。
 「僕の授業も脱線話が多い(笑)。でも、楽しむことが一番です」



フラワーデザインを習うには

フラワーアレンジメント講座を開いている中国国際企業文化培訓中心では、
中島さんがクリスマス用ドア飾りを教える特別セミナーを開催。
ほかに、プロ養成など様々なコースがある。

中島邦彦/フラワー装飾一級技能士
日本フラワーデザイナー協会常任理事。
WAFA世界大会出展など海外でも活躍。

クリスマスフラワーアレンジ&セミナー
(中国国際企業文化培訓中心)

電話:158-2131-4290(日本語) 5306-3670(日・中語)
メール:moribayashi@dankk.co.jp
住所:南昌路47号科学会堂2号楼101室
日時:12月8日(土)13時~15時
料金:200元(材料費込み)


【クリスマスケーキ】

相手の印象を想って
イメージを組み立てる


 今回取り上げたクリスマス作品中、最も相手の存在を意識するのがこのケーキだろう。大塚さんは、「言葉でなくても、自分を表現できるのがいいと思うんです」とその魅力を話す。
 「ケーキ作りは構想から。まず、可愛らしい、スタイリッシュ、などのイメージを決めて簡単なデッサンを描き、クリスマスなら雪の結晶や雪だるまとかの飾りを考えます。後は、作りながら修正していき、味のバランスもみながらイメージを組み立てていきます。これで可愛らしいと感じてもらえるかな? とか……」
 そう、やはり重要なのは、作りながら相手に与える印象を考えること。ホテル勤めの頃は、車の形のケーキなど、相手の希望に応えるのが楽しかった。
 「実は以前、職場の先輩女性(パティシエール)と付き合っていて、毎年作るクリスマスケーキで成長を計られてたんです。喜んでもらうためにがんばりましたね。やっぱり、この人にあげたい、という想いは大切。力の入れ具合が違います(笑)」

ケーキ作りを習うには

コーヒー・洋菓子をデリバリーする「珈琲坊」では、大塚さんによる洋菓子教室を随時行っている。
申し込みは2人以上から可能で、まずは電話かメールで問い合わせる。

大塚興造/パティシエ
2000年から、大阪と神戸のホテル洋菓子部門に勤め、ことし10月から上海に。

珈琲坊ケーキ教室

電話:6308-0959(日本語)
メール:info@873.info
住所:西藏南路1501弄8号702室
日時:希望に合わせて設定。1回1時間半~3時間
料金:2人の場合250元、3~5人の場合150元(ひとりあたり/材料費込み、出張教室は別途料金)

【中国結びツリー】

店では売ってない飾り
1本の糸が生むアート


「1本の糸から、ものが生まれるのが面白くて」
 習い始めて1年半。春節の赤い飾りに惹かれ、伝統の編み細工「中国結び」に夢中の森さんは、もちろんクリスマスも自分の作品で祝う。ツリー、リース、ブーツは完成済みで、今はソリを制作中というから、その表現の多様さには驚かされる。
 「上海では、クリスマスグッズを買おうとしてもなかなか気に入るものがなくて、じゃあ自分で作ったものを飾ろうと」
 本人は自己満足の世界と言うものの、自作品で飾り付ける楽しさ、高揚感は確かにある。
 「人が持ってないものを飾れる。売ってないですから(笑)」
 ツリーは、まず8本の糸で幹を作る。次に4・8㍍の糸4本で葉の三角形の一番小さいものができる。三角形は全部で12枚あり、ツリー全体で100本近い糸を使うことになる。これを森さんの場合、テレビを観ながら10時間ほどで作る。
 「中国結びのおかげでイベント感が出て嬉しい。実は、クリスマスは結婚記念日なんです」


中国結びを習うには

中国結びはここ数年リバイバルが進んでいる。
森さんが通うのは、邦人中日文化交流センター内の曹莉先生が教えるコース。
クリスマスツリーは材料費50元で、3~5回で完成する。

森律子/中国結び歴1年半
干支の金豚、ひな人形、こいのぼりなど季節グッズの作品は数多い。

中国結びコース
(邦人中日文化交流センター)

電話:6208-7999(日本語可)
住所:栄華東道59弄 里昴花園1号7階
日時:希望に合わせて設定。1回90分(3人以上から開講、週2回も可)
料金:1回70元、5回300元(5mまでの材料費込み)

ここでも学べる手作り聖夜


千景花物語

内容:フラワーアレンジメント
電話:139-1742-5512(飯塚)
メール:huawuyu@floral-qianjing.com
住所:淮海西路570号 精盛花市場1024室(水曜)、虹梅路3201弄5号楼102室(木曜)、浦東新区東繍路99弄8号101室(火曜)、
日時:12月12日(水)、13日(木)10時~(人数に応じて午後の部も開設)、18日(火)13時~
料金:200元(材料費込み)
備考:NFD一級、草月流一級師範の飯塚千景さんが指導するフラワーアレンジメント教室。要予約。シック・大人らしさをテーマに、キャンドルなどを使ってクリスマスを演出する。作品は1回2~3時間で完成する。


Beads☆Planets(ビーズ・プラネッツ)

内容:ビーズキット
電話:6278-7282
メール:info@beadsplanets.com
住所:水城南路51弄 宝石公寓23号102室
日時:月・金10時半~12時半、水14時~16時(店の営業は10時~19時、日曜・第2・4土曜定休)
料金:授業料50元+専用キット(26~55元)
備考:同店で販売しているクリスマス用ビーズキットの作り方を、齊藤智子さんが丁寧に教える。要予約。週ごとに授業内容は決まっており、12月10日~は「キーホルダー式ツリー」、17日~は「クリスマス風ネックレス」を教える。

馨スタイリッシュ
内容:ステンドグラス
電話:5237-6959
メール:staff@xin-stylish.net
住所:定西路1300号2号楼地下1階
日時:12月12日(水)~21日(金)の間で、午前は10時~、午後は14時~(1回2~3時間、土・日は休み)
料金:1回200元(材料費込み)
備考:フランスでステンドグラスを習得した今野満利子さんが教える。体験コースでは、魚、花、鳥などの絵柄のガラス飾りを1回で作れる。クリスマス風モチーフもあり。立体コースでは2~3回で小物入れなどを作る。

キッチンスタジオ キャラメルママ
内容:ミニクリスマスケーキ
電話:139-1658-7551(池田)
メール:caramamash@yahoo.co.jp
住所:零陵路789号(上海体育館向かい)
日時:12月16日(日)10時半~12時半
料金:親1人・子1人で150元(材料費込み)
備考:3~12歳ぐらいまでの子どもを対象に、池田由貴子さんが食育に基づいた食の大切さを伝える親子キッチン教室。要予約。5~8組で1グループとして、希望日に開講もできる。写真は前回制作した「きらきら星のミートローフ」。

澤華塾
内容:キルト
電話:135-0175-6563(月原)、5477-3621(澤華塾)
住所:虹許路788号名都城8号105室
日時:火・木・金、9時~12時の間でひとり2時間
料金:1回100元
備考:月原博美先生が教えるアットホームなキルト教室で、クリスマス用キルト講座を実施中。
四角、靴下型、星型など、デザインも自由に選べる。
1作品は2~4回ほどで完成する。
同塾では手芸作品展示会も開催中。

~上海ジャピオン12月7日発行号より

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