上海的おじさん&おばさんの趣味嗜好

トランペットおじさん

チョイ悪テイストで レッスンに乱入?

魯迅公園を歩いていると、
池のそばの東屋から、軽快な音楽が聞こえてきた。
カーペンターズの『トップ・オブ・ザ・ワールド』。
どうやら週末だけの、管楽器教室が開講されているようだ。
その東屋脇、タバコ片手にロングコート姿でトランペットを吹く、
チョイ悪風のおじさんを発見。
ズバ抜けて上手いが…おじさんも生徒? 
「いや、俺は勝手に吹いてるんだ」。
えっ、それってレッスンの邪魔にならない? 
「よく来てるけど、邪魔にされたことはないよ」。
そりゃおじさん、強面・オブ・ザ・ワールドだもの…。
来る者拒まずの精神なのか、誰も気に留めていない。
おじさんはここに来て息抜きし、
「飽きたら帰る」のだそうだ。

アコーディオンおじさん

週末に練習と本番 元警察官の民族バンド

歩みを進めると、またも音楽が流れてきた。
しかし先ほどとは打って変わって、フォークロア調の音楽だ。
演奏しているのは7~8人のおじさんたち。
ハーモニカにマラカス、フレームドラムと、一風変わったバンド編成だ。
フレームドラムはウイグル族の「達普(ダプ)」かな。
歌っていたおじさんが「俺らのリーダーだよ」と指差す先には、
これまた悪そうな…
もとい、シブくてサングラスのよく似合うおじさん。
そのおじさん自身も、おもむろにアコーディオンを弾き出した。
ものすごいノリノリ感! カッコイイ~。
何々? 小さいころからやってるのね。
退職したけど元警察官? 
土曜が練習で、日曜が本番って、場所同じなんでしょ(笑)!

?京劇歌おばさん

本番なき練習の日々 ハーモニーの楽しみ

公園の中心、お茶屋さんが並ぶ一角にいた、
笛と二胡に合わせて歌うおばさん。
歌っているのは京劇の節で、
奏者は伴奏を手伝ってくれるお友達だそうだ。
このおばさんは週に3日、2~3時間ほどここで練習するという。
本番もあるんですか? と尋ねると、
おばさんは「アマチュアだし、本番はないのよ~」と照れくさそうに笑う。
とは言え、歌を始めてもう5年にもなるとのことで、さすがに上手い。
隣にもう1人一緒に歌っているおばさんがいたが、
この人はまだ始めたばかり。
「家で1人歌うこともあるけど、やっぱりハーモニーがあるほうが楽しいのよね♪」
とまたも笑顔をほころばせるおばさん(&おじさん)たちであった。

太極拳おじさん

楊式の動作と呼吸 見られて張り切る

林の奥に、何やらゆっく~りと動いている人影。太極拳だ。
しかしこのおじさんの太極拳は、
時々速い動きも織り交ぜられ、キレがある。
こんにちは、今お話いいですか?
あ、「等一下(ちょっと待って)」と口パクで言ってるな。
しばし待ち、一通り演技を終えたおじさん。
よく見かける太極拳とはちょっと違った感じがしましたが?
「太極拳と一口に言っても、色々あるんじゃ。
ワシのは、養生のための『楊式』という流派じゃ。
ゆっくり動作と呼吸を合わせるんじゃ」。
あれ、でも時々素早い動きが入ってましたよね?
「…それはじゃなぁ…」。
もしかして、私が見てるからちょっと調子に乗っちゃったのかな(笑)?
おじさんたら、トボケてもダメですよ♪

ブロック投げお兄さん

石のブロックを軽々 若返り効果も?

どこの公園にも、必ずといっていいほど設置されている健康器具。
腹筋やら腰を鍛えるマシンを利用する人々の中には、
すごい技を見せる強者も多い。
今回出会ったのは、重さ10㌔はあろうかというブロックを、
回し投げては空中でキャッチするという妙技を披露する王さん。
聞けば、お歳は31歳。とてもおじさんとは呼べない。
しかもお肌がツルツルピカピカ!
「そう(嬉)? これは『石鎖』と言って、
腕だけじゃなく腹筋や脚の筋肉も鍛えられるんだ」。
しかし慣れてますね、もう長いことやってるんですか? 
「そうだね、2年くらいになるかな。
鉄製のブロックでもやってるよ」。
鉄製って…。
くれぐれも足の上に落とさないよう、気をつけてくださいね!

木叩きおじさん

手のツボ刺激に最適 1日ノルマ300回

林の奥に、またおかしな動きをしているおじさんを発見。
何やら木をバシバシと叩いている。
このおじさんはもうずっと前に退職し、
今では日々この公園に通っては木を叩いているんだそうな。
では、なぜ木を叩くのか。
「こうすると、幹のボコボコが手のツボを刺激して、血流を良くするんじゃよ」。
へええ、そうなんだ!
じゃあ時々路上で見かける、背中を木に打ち付けてるおばさんたちも?
「そうそう、一緒じゃよ。ワシらみんな長生きせにゃいかんでのう」。
おじさんは、週3回程度通っているのだという。
「1日300回、いまちょうど100回だから、あと200回叩くんじゃ」。
注目されたからか、いっそう張り切って幹を叩き続けるおじさんだった。

中国ゴマおばさん

雨以外はいつも練習 編み物仲間も巻き込む

公園の草地で、「ブォン、ブォン」と音をさせながら、中国ゴマを回す人たち。
その中に、鮮やかな若草色のセーターが似合うおばさんがいた。
「やーだ、私なんてまだ始めたばっかりなのよ~」と照れつつも、
雨さえ降っていなければここで練習しているというだけあって、なかなかの腕前だ。
おばさんが〝先生〟と呼んでいる人も、
ここで中国ゴマをやっているうちに生徒がついてしまい、趣味で教えているとか。
中国ゴマの前は、近所の人たちと編み物をすることが多かったという汎おばさん。
編み物仲間は寂しがってませんか?と尋ねると、
「みんなあそこにいるわよ♪」
と指さす先にも、中国ゴマに没頭するおばさんたちがいた。

小鳥おじさん

鳥のいる幸せな暮らし 商売はそっちのけ?

花鳥市場で、小さなペット屋を営む湯さん。
元々、小さな頃から小動物が大好きで、
趣味と実益を兼ね店を持ったのだそうだ。
店の天井近く、ぶら下がった鳥のケージから、
美しい鳴き声が聞こえる。
おじさんはおもむろに1つ下ろして向き合うと、
「チュッチュッ」と口を鳴らす。
すると、鳥もおじさんに応えるように
「チュンチュン」と鳴くのだ!
その声を聞いて、おじさんは嬉しそうに目を細める。
「これは〝画眉鳥(ガビチョウ)〟と言うんだ。
ほら目の上に眉毛みたいな模様があるだろ?」
キレイですねぇ。ちなみにおいくらなんですか?
「これは…
何千元もする。高いんだ。いい鳥だからな」。
あまり売る気がなさそうなおじさんだった。

トランプおじさん

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寒さなんか吹きとばせ! 休みはいつもの仲間で

?雨の午後、公園で趣味に耽る人は少ない。
しかし、どんな時も、どんな場所にも必ずいるのが
トランプで遊ぶおじさんだ。
公園の東屋では、寒さなんかなんのその、
白熱した試合が繰り広げられている。
ここで出会ったのは、切れ長の目にニヒルな笑みを浮かべた周さん。
一緒にカード遊びに興じているのは、みんな年上のようだ。
聞けば、全員今日初めて会う人たちだとか。
「今やってるゲーム? 『闘地主』だよ。トランプって言ったら大抵これさ」。
闘地主は、「大富豪」に似た中国では一般的な遊びで、
〝人だかりのある所、闘地主あり〟と言うほどだ。
「いつとは決まってないけど、みんな何となくいるんだよね」
とはにかむおじさんだった。

トランプ見てるだけおじさん

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見てるだけで幸せ♪ トランプの守護神?

?人だかりの中心にいるのは、トランプに没頭する人々。
ではその人だかり、すなわち見物者は何をしているのか?何が面白くて見ているのか?
輪の中にいた、車いすに乗った優しそうなおじさんに、
疑問をそのまま素直にぶつけてみた。
「何か盛り上がってるから」。
ええ、それは分かります。このゲームが好きなんですか? 
「いや、ルールは知らん」。
そうなんですか!? それでも見てて楽しいですか?
「うん」。
そうですか…。
終始笑顔でメンバーを眺めるおじさん。
その姿は、心なしか「守護神」のようにも見えるのだった。

~上海ジャピオン03月02日号

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