バス、地下鉄だけじゃない
乗り換えでお得な割引
上海生活に欠かせないのが、
「上海公共交通カード」。
タクシーに軌道交通、バス、
高速道路の料金所、
黄浦江の渡し船、中・長距離バス、
上海旅游集散中心から出ている近距離ツアー代金など、
様々な公共交通機関に1枚で対応するという、
便利な代物だ。
軌道交通駅構内のサービス窓口や
コンビニなどで購入でき、
デポジットが20元などの基本情報は、
上海に暮らす人ならすでに知っていて当たり前。
しかし、
乗り継ぎ時に割引などの優待があることを
知っている人はどのくらいいるだろう。
優待割引を受けるための最低条件は、
1枚の交通カードを使用すること。
失くした時のためや、
残額不足だがチャージする時間がない
などのトラブルに備え、
複数のカードを所有する人も多いようだが、
利用システム上では
「複数のカード」=「複数人」と
計算されてしまうので要注意。
また、学生用や高齢者用など、
すでに優待を受けている特殊なカードでは、
これらの割引サービスは受けられない。
日本ではあまり見られないが、
今やグローバル・スタンダードとも言えるのが
表④の「P&R(パーク&レール)優待」だろう。
軌道交通2号線「淞虹路」
駅近くの淞虹路停車場と、
1号線「錦江楽園」駅近くの
虹梅路駐車場の2カ所に限られるが、
荷物が多いところは車、
公共交通を利用して渋滞を上手く避けるというのは、
素晴らしく賢い裏ワザだ。
どのキャリアを選ぶ?
プランはじっくり考えて
上海に来たばかりの人がまずすることといえば、
携帯の契約だ。
電話番号がないと、
不動産屋との連絡も取りにくいし、
何かと諸手続きに電話番号を書くことが多いので、
先に契約したい。
中国にも、
日本のドコモやau、ソフトバンクのように、
「中国移動」、「中国聯通」、
「中国電信」の3社のキャリアがある。
最近では、「移動」はドコモと、
「聯通」はソフトバンクとそれぞれ提携し、
相互サービスを行っている。
例えば、ドコモで契約した一部端末は、
上海でもロックを解除して使用することができるし、
「聯通」の端末を持って日本に行くと、
自動的にソフトバンクのサービスに切り替わる。
「套餐(セットプラン)」に含まれるのは、
本体価格に月額基本料、無料通話分、
契約から1年後以降の月額基本料、
基本通話料、パケット通信料など、
その内容は日本とほぼ変わらない。
ただ、あまり使わなくても、
月額基本料分は常にチャージしておかないと、
月を跨ぐ際に残額不足となってしまう。
肝心なのは、
どのキャリアのどのプランを選ぶかだが、
まず、
自分の生活圏で安定して使用できるキャリアを選択しよう。
自宅マンションでは電波が弱い、
ネット速度が遅いなど、
ご近所さんと情報交換をしておくのもいい。
プランについては、
使用法によって一長一短だと思うので、
そこは自分で考えるしかない。
急ぐ場合は、
解約に違約金のかからないプランにしておいて、
後でじっくり調べるのもオススメだ。
タクシーゲットに必見
トラブルともオサラバ
人が集中するスポットや、
雨の日などはなかなか捕まえにくいのがタクシー。
やっと捕まえた!
と思ったらほかの人に横取りされてしまった、
行先を告げたら「道が分からない」と言われ、
あえなく逃がしてしまった、
などなど、
誰でも悔しい体験の1つや2つあるのでは?
そんな人々に朗報!
市のタクシー事情を考慮し、
タクシー会社「大衆」、
「強生」が便利な車両呼出システムの試験運用を始めた。
その名も「スマートフォン用タクシー呼出アプリ」と
「ワンプッシュ式タクシー呼出機」。
「スマートフォン用タクシー呼出アプリ」は、
現在アンドロイド機種のみ利用可能で、
会社はアプリ作成元の「大衆」1社だけ。
そのほか「点点訂車」など、
iPhone用アプリもいくつか配信されてはいるが、
どれも安定していないようだ。
一方「ワンプッシュ式タクシー呼出機」は、
静安区のヒルトン上海と、
徐匯区・上海体育場構内の
リーガル上海イーストアジアホテルの2カ所にある。
気軽に利用できるようロビーに設置されているが、
イタズラ防止のためか、
ホテルスタッフが所持する
カードを挿入してもらうことで利用可能だ。
半径1㌔以内のタクシーを、
最速5~10分ほどで呼んでくれる。
しかし、
ホテルでは大抵エントランスにタクシーが待機しているし、
大雨のラッシュアワー時には、
呼んでもなかなか来ないことも多いとか。
今後は年内に40~50台まで増設予定とのことなので、
首を長くして待とう。
スマートに使いたい
通帳記帳に公共料金も
銀行のATMコーナー横に設置されている、
ATMよりもひと回り小さなあのマシン。
中国人が、
何やら通帳を突っ込んでいたり、
電気や電話料金の支払い用紙をかざしていたり
するところをしばしば目にする。
利用率も高いこのマシンは、
その名も
「ASM(=オートマティック・サービス・モニター)」だ。
上海市内の銀行では、
どこの支店でも窓口に並ぶ人の数が多い。
並ばずに済むためには、
このマシンの機能を、
最大限利用できるようにならねばならない。
ASMはタッチパネル式だが、
こういった機械の扱いに慣れないお年寄りのためか、
利用時にアドバイスをしてくれる銀行スタッフが
常駐していることも多いのが嬉しい。
機能は大まかに言って、
口座情報の閲覧に通帳の記帳、
公共料金の支払い、業務内容の検索、
支店の検索に分かれている。
通帳は裏の磁気テープ部分がかすれていたりすると、
反応してくれないので、
何度やってもエラーになる場合には、
窓口で新しい通帳に交換してもらおう。
特に便利なのが、公共料金の支払いだ。
コンビニでもバーコードを読み取って支払えるが、
なんとこのASMでは、
銀行のキャッシュカードを利用して
支払うことができちゃうのだ!
この機能を知って、俄然興味が湧いたことだろう。
また、窓口が混み過ぎていて嫌気が差したら、
近くの別な支店を検索してみるのもいい。
私たちの強い味方、それがASMだ。
ネット開通のノウハウ
日本人なら速度が命?
上海では、
すでにインターネット環境を備えた物件もあるが、
大抵が賃貸契約後に自分で契約する必要がある。
契約するには、
パスポート持参で最寄りの「中国電信」へ出向き、
開通申請をする。
住所の証明として、
賃貸契約書や大家さんの身分証のコピーを
持っておくとなお良い。
窓口で自宅住所をスタッフに伝えると、
そのエリアで光ファイバが通っているか、
ADSLが使えるかなどを調べ、
オススメのプランを提示してくれる。
中国のネット速度で辛い思いをしている日本人は、
つい速度を重視してしまうが、
老房子など、古い住宅に住んでいる場合は、
通信速度など、
ネット環境面で選択の余地がなかったりする…。
契約時に重要となるのが、支払い方法の選択だ。
「先付(チャージ式)」か
「後付(振込)」があり、
「先付」だと、携帯電話と同様に、
毎月「充値卡(チャージカード)」を購入しならない。
「後付」なら、
公共料金と同じで請求書が届いてから支払うだけ。
契約が完了したら、
2~3日でスタッフが開通工事に来てくれる。
その際、
ネットを引いたことのない部屋だと、
新たに線を引いたり、
壁に穴を空けなければならない場合もあるので、
事前に大家さんに確認しておこう。
~上海ジャピオン2012年6月29日号