中国茶カフェ

中国茶館ってアテンドのときくらいしか行かない?
それではもったいないような普段使いの中国茶カフェが、近年続々と登場している。
今週は2週連続のカフェ特集前編として、そんな中国茶カフェをご紹介!
春の陽射しのもと、週末はカフェでゆっくりしよう

(右写真)カイシングオ店長のTAKA氏

春はカフェで過ごす・前編




KaiXinGuo カイシングオ

 ことし2月、中山公園駅から少し離れた裏路地に、中国茶の虜となった日本人オーナーのTAKAさんが、新たな中国茶カフェをオープンした。本格的な中国茶はもちろん、スイーツや食事にもこだわった「〝CHA cafe〟カイシングオ(KaiXinGuo)」だ。
 店内に1歩入ると、高さ約7㍍の広々とした吹き抜け空間が目に飛び込む。ティーカウンターのある1階と、ロフトタイプの2階。羽衣のような紅のカーテンが天井からひらひらと揺れ、作りつけの棚には約30種の茶缶が行儀よく並ぶ。これらは全て、高級茶芸師と評茶員の資格をもつオーナーが厳選したものだ。
 今の季節に愉しみたいのは、やはり新茶。西湖龍井や碧螺春などは、4月中旬~下旬頃に入荷となる予定だ。このほかにも、東方美人やライチ紅茶など乙女心をくすぐるラインナップから、200元もする高級中国茶まで様々に揃う。

スイーツ5品盛りの一例。見た目にも
美しく、少しずつ色々食べられるのが
たまらない。

こうした本格中国茶はもちろん、さらに見逃せないものがある。ホテルパティシエの経験もある日本人パティシエと、フレンチやイタリアンのレストランで修行した日本人コックが、中国茶に合わせて編み出したオリジナルメニューだ。
中でもイチオシのスイーツが、「岩茶のプリン(28元)」。とろ~り、プルッとした絶妙な口当たりに、岩茶特有の「回甘(飲み込んだ後にお茶の甘味が喉から口内にふわっと一瞬戻ること)」を再現したこの品は、ここでしか味わえない。また、店頭の龍井茶を使用した「秋刀魚の蒲焼き龍井茶漬け(48元)」も人気メニュー。ほかほかご飯に、熱々の龍井茶をたっぷりかけ、秋刀魚をレンゲで崩しながら頂く。緑茶のほろ苦さがピリリと効いた大人の味に、再びほおばりたくなること請け合いだ。
 目も鼻も口も満足するメニューを揃えた中国茶カフェで、ランチタイムから午後までゆったり過ごしたい。

(右写真)カイシングオ店内、天井が高く広々

【MAP&MENU】

1度は行きたい!この茶館



宋芳
ソンファン


旧租界のフレンチ・シノワで
タイムトリップ・中国茶

 ここは上海のフランス。老房子の並ぶ永嘉路に、白亜の3階建てメゾンが佇む。昨夏オープンした仏人オーナーのティーハウス「宋芳」だ。
 カフェスペースは2階と3階。階段を上がったところでつい歩みをとめ見入ってしまうのは、中国農村の素朴さをテーマに、オーナーのエスプリが細部まで行き届いたインテリア。春の陽射しに輝く真っ白な壁。時間をかけ収集された骨董品。花柄の美しいティーコジーは、中国東北地方の農村伝統デザインだ。
 同店に置かれている茶葉は、フランスで150年の歴史を持つ老舗のフランス紅茶と、ハイクラスの中国茶。紅茶なら空色のティーポットにたっぷりと、中国茶なら何度も注ぎ足してゆっくりと愉しみたい。
お茶に必須のお茶菓子ももちろんあるd。フランス人パティシエの洋菓子店「VISAGE」から毎日取り寄せるお茶菓子に加え、週末だけの特別メニューも。それが、オーナー手作りのケーキたちだ。チョコレートや、桃の花ケーキなど、日によって登場する顔ぶれは異なる。次はあれを…と気づいたら通い詰めているはずだ。

【MAP&MENU】


(上写真)
右: 大きな窓から陽がさんさんと射し込む。
左上: 鳥かごのランプが可愛らしい。
左下: 手前はクッキー4品盛り(25元)、奥はジャスミン風味のフィナンシェ(35元)


煙雨江南茶芸酒?
ティーハウスバー


池を眺めてベッドにごろり
ことしの新茶も入荷済み

 お茶は座って飲むもの? いえ、ベッドに寝転んでどうぞ。魯迅公園からもほど近い曲陽公園内に2005年オープンした「煙雨江南茶芸酒?」は、ベッド席やカクテルも揃えた珍しい中国茶館だ。
 中国茶好きが高じ茶館をオープンするに至った中国人オーナーは、茶器ひとつから店員の制服までこだわりを持つ。風雅な江南式古典デザインの店内には、貴重な骨董家具も惜しげなく配され、茶館の風格を高めている。
 さらに池のほとりという絶好のロケーションは外界の喧騒をシャットダウンし、桃源郷のような趣を作り出した。オープンから3年、評判が評判を呼び、貴重な休日をここでくつろごうと今では多くの人が訪れる。中でも特に人気の席が、池のほとりのベッド席。晴れなら柔らかな陽射しを浴びて、雨なら池を打つ雨音を効きながらごろりと寝転んで一休みしたい。
伝統的茶館スタイルも残す同店は、お茶代に、数十種類のお茶請けと果物の食べ放題が含まれる。また、深夜2時まで営業しているので、昼は茶館、夜はバーとして仕事帰りにふらりと立ち寄りたい。

【MAP&MENU】

(上写真)
右: 池に面した席は大人気。今なら公園の花景色も楽しめる。
左上: 骨董家具のベッド席。
左下: オーナーの好みで、同店はプーアル茶が豊富。



Ayako Style アヤコスタイル


次の休みは泰康路で
オリジナル花茶で体回復

 瑞金二路を曲がって泰康路に進む。271弄という表示を見つけたら、ことし3月にオープンした「Ayako Style」はすぐそこだ。
 同店は、栄養士と薬膳師の資格をもつ店長のアヤコさんが、上海のヘルシー発信地としてオーナーと共同で開いたもの。中でも看板メニューはアヤコブレンドの花茶だ。お茶は現在6種類あり、ネーミングもまた愉快。例えば「アヤコスパークル」。疲れ目モードの人にキラキラ輝く目を、ということでブレンドされたものだ。このほかにも、男女問わず身体の悩みを解決しようとブレンドされた花茶が揃う。
 さらに不定期で開催される薬膳セミナーやツボセミナーも人気。誘い合わせて参加してみよう。

【MAP&MENU】


(上写真)お土産用商品も多く揃う



城市山民・谷
アーバントライブ


五感が喜ぶ裏通りカフェ
ガーデンで愉しむ中国茶

 プラタナスの並木が美しい復興西路の老房子のひとつに、2006年5月「城市山民・谷」が加わった。一見ブティックに見えるその店は、奥にガーデンつきのカフェを備えており、隠れ家といった趣だ。
 ナチュラルなライフスタイルを提唱する同店は、ふたりの上海人女性が開いたもの。ふたりが小さい頃から親しんできた上海の旧い家の匂いと、租界という欧州の空気を取り込んだ上海の街が、現代風のリメイクを施され凝縮している。古い家具。素朴な陶器のマグ。家の裏庭のようなガーデン。ここなら春の光の下で、ピクニックのようなティータイムを愉しめるはずだ。
 市の中心地にぽっこり生まれた静寂空間に、身を浸しに行こう。

【MAP&MENU】

(上写真)
ガーデンを眺めながら1杯

週末必携の中国茶館マップ




⑥大可堂普?会所
1930年代築の3階建て洋館をリノベーションし、2007年にオープンした高級茶館。
かつての豪邸といった風情で、広い庭を持つ。メインはプーアール茶。個室予約

襄陽南路388弄25号(×永嘉路)
TEL: 6467-6577
営業時間: 10時~深夜2時
予算: 100元~


⑦“お茶”と“古布工房”の店 ひまわり
一戸建てが立ち並ぶ高級住宅地の一角で、手作りおはぎやぜんざいなど、和の寛ぎと
ともに中国茶を愉しめる。各種ハンドメイド講座なども不定期で開催。詳細はHPを。
http://zhenchalin.jugem.jp/

剣河路2000弄69号夏都花園
(×虹橋路)
TEL: 6262-2377
営業時間: 9時~21時
予算: 約30元~


⑧TEAsia 
日本人に人気の高かった長楽路の中国茶販売店が、ことし3月、同楽坊に移転オープン。
全商品試飲可能で、お土産に手頃な商品が揃う。新茶は4月中旬~下旬入荷予定。

余姚路28号同楽坊20号楼102室(×海坊路)
TEL: 5213-5281
営業時間: 11時~21時(水曜休み)
予算: 蜜桃香50元/30g、冠音王120元/40g

~ジャピオン4月11日発行号より

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