年明けから、日本全国でインフルエンザが急速に猛威をふるい始めている。ここ上海でも、旧正月(春節)で大量の人が移動するなど、インフルエンザが流行する確率も高くなっている。慣れない海外での生活。抵抗力の低下を招きやすい上に、病院事情も良く分からない。そこで、インフルエンザや風邪に関する正しい知識を持つことで、残り少ない冬を健康に乗り切り、暖かい春を迎えよう!
【インフルエンザと風邪の違い】
症状が似ているため、一見混同しがちなインフルエンザと風邪。しかし、感染原因となるウイルスはもちろん、治療方法も違う。予防のためには、まず敵を知ることが大切だ。
一般的に呼ばれている風邪は、専門的には「普通感冒」と呼ばれ、アデノウイルスや細菌などに感染することで引き起こされる。主な症状は、鼻汁やのどの痛み、くしゃみ、咳などで、筋肉痛などの全身症状はなく、発熱もインフルエンザほど高くない。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで引き起こされる。風邪と同じように、鼻汁やのどの痛み、くしゃみ、咳などの症状も見られるが、そのほかにも、38度以上の急な発熱や、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状を伴う。
【インフルエンザの予防】
<帰宅したら手洗いうがい>
昔から「帰宅したらまず手洗いうがい」といわれるように、帰宅時の手洗いとうがいは、インフルエンザの予防策として高い効果が実証されている。咽頭粘膜や手、指に付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するだけでなく、うがいはのどの乾燥を防ぐことで、粘膜の防御機能の低下を抑える効果がある。その他にも、コートやマフラーなどの衣類をはたくことでウイルスを落とすと、予防効果があるという見解もある。
<適度な湿度の保持>
ウイルスが乾燥を好むので、室内の湿度を十分に保つことが大切だ。上海ではストーブを使うことが少なく、上にヤカンを載せる機会も少ないので、加湿器の使用がベスト。また、就寝時には濡れたタオルなどを部屋の中に掛けておくと乾燥を防ぐことができる。
<外出時のマスク着用>
マスクを着用することで、物理的にウイルスなどの病原体の吸引を防ぐことができる。インフルエンザが流行の兆しを見せた時は、ウイルスに接触する確率の高い人ごみや繁華街などへの外出を控え、どうしても必要な場合は、マスクの着用を心がけよう。また、マスクの着用は、のどの乾燥を防ぐ効果もある。
<休養と栄養摂取>
なによりも十分な休養と栄養を取り、ウイルスに対する抵抗力を高めることが大切だ。そのためには、日ごろから規則正しい生活を心がけよう!
~上海ジャピオン2006年2月17日発行号より