ボランティアに参加しよう!

ボランティアに興味はあるけど、活動内容が良く分からない。毎回参加しなくても大丈夫? そう思って足踏みしてる人、この機会にちょっと顔を出してみませんか?


絵本が好き! 子どもが好き! そんな人にぴったりなのが、日本語児童書図書館「上海虹文庫」のボランティアだ。
日本語の読書環境がままならない海外で、多くの子どもたちに読書の楽しみを知ってもらおうと5年前に設立された。
 ボランティアというと、なんだか大変そうだが、虹文庫のモットーは「無理なく、楽しく」。参加は月1、2回で大丈夫、できることを提供してください、というスタンスだ。小さな子どもがいても子どもと一緒に参加できるし、平日仕事のお父さんの中にも、土曜日のおはなし会の日に参加して、子ども達に絵本を読み聞かせる方もいる。   
 代表の坂口さんは、虹文庫が上海で初めてのボランティア。文庫の立ち上げ時期から参加して、今年新代表に就任した。そんな坂口さんは、虹文庫の魅力をこう語る。「絵本が好き、子どもが好きっていう共通点だけで結ばれた、色んなバックグラウンドの人と会えること。本好きにはもちろんたまらない環境だし、それに子ども達のいきいきした表情と笑顔。これがあるから、楽しんでやれるんだと思います」。
 興味の湧いた人は、まずメールから。そのメールが、上海生活をより豊かなものにしていく。


「経済的に学校へ通うことが難しい中国の子どもたちを支援したい」。これを目的にスタートした「互人多」は、97年の発足から10年余りで、収益金によって3校舎の設立を助けるという成果をあげた。
 大きな成果をあげた秘訣は? それは互人多の活動では、参加者みんなが楽しめるようにと、独自の自由なやり方を日々模索してきたからに他ならない。その中でも代表的な活動が、毎週水曜日の手作り会だ。多いときで15人ほど集まるという大所帯での会は、井戸端会議のように和やか。会代表の進士さんが自宅を開放して、みんなでチャリティ販売用商品の製作に励む。活動の内容は主に手芸だが、実は針を持ったことがないという人もいる。だからといってできることがないということはなく、布のアイロン掛けや裁断を手伝う。「できなければできないでOKなんです。無理がないように、自分のできることをやってもらえたら」と進士さんは話す。
 お互いのできない部分は補いあって。誰かの役に立ちたいという気持ちさえあれば、形にできる場所がここにある。自分の小さなお手伝いが、ひとつの大きな形になる喜びを味わえるのもまた魅力のひとつだ。


 わずか50元の医療保険が払えないために、まともに医療を受けられない――。中国の一部地域には、今もそんな場所がある。FOHS(Friends Of Hope Shanghai)日本人グループはそんな子どもに希望を持ってほしいと、2003年に設立されたボランティア団体だ。
 活動の中心となるのは年に4、5回のチャリティイベントの企画。イベントで得た収益は、全て上海市児童健康基金会に寄付され、子どもたちの医療保険加入を助けている。最近では中国結びのクリスマスツリー講座を開講し、その参加費を収益金として寄付。このイベントの実現に当たっては、事前に1人のメンバーが講師を務めて、実際にメンバー制作体験。体験中はいつも笑顔が絶えず、アットホームな雰囲気だった。
 そんな会の魅力を、現在代表の伊藤さんはこう話す。「自分たちの活動を通して集まったお金で保険に入った子どもたちのリストを見たとき、役に立ってるんだと実感し、活動を続けていく励みになる」。今はメンバー7人と少数だが、地道に活動を続けていれば、意志を継ぐ人が現れ、活動は続いていくはずと自分たちの活動に胸を張って語った。


 「SHANGHAI SUNRISE」は欧米人を中心とした、ボランティア団体。上海の学生を中心に教育援助をしている。「同じ土地に長く居ると、多かれ少なかれ愛着が湧くのよね。参加者はみんな、縁ある上海のために何かしたいと思ってるのよ」。メンバーの1人Candyさんは、笑顔でこう語った。
同団体が採用しているのは、1対1の教育資金援助。両親がいない、病気などで学費をまかなえないという1人の学生に対して、1人の参加者がスポンサーとなるものだ。こうして今年学校に通うことができた高校生・中学生の数は既に600人余り。始めは1人のイギリス人が上海で立ち上げたNGOだったが、その意志は多くの人に受け継がれ、今ではスポンサー数300人以上となった。
 援助額は、高校生なら1人当たり年間3000元、大学生なら6000元。このお金は団体運営費などに使われることはなく、言葉どおり「全て」学生の学費や教育費に当てられる。自分の寄付金が、誰のためにどんなふうに使われたかがはっきりと分かるのだ。時には学生からお礼の手紙や、成績表も届く。 
 時間を提供するのも、資金援助をするのも同じボランティア。自分にあった方法で、誰かの役に立ちたい。

~上海ジャピオン11月21日発行号より

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP