大容量の穴場スポーツバー
上海の中心地・淮海中路エリアに位置する〝穴場〟スポーツバー「ウィンドウズ・スコアボード」。店内は、ショッピングセンター1フロア分ほどの広さに、液晶テレビが設置された観戦スペースのほか、ビリヤード台やテーブルフットボール、ダーツなど、各ゲームコーナーを設置。これだけ盛り込んでもまだまだ余裕という、大容量のバーである。人気スポーツ競技の決勝放映ともなると、多くのスポーツバーは人で溢れ返り、肝心の試合内容が観られない、なんてことも、同店なら問題なし。見逃せない試合が行われる日はここで決まりだ。
気になるアルコールの価格は、「生ビール」(25、60、150元/0・5、1・25、3㍑)や「瓶ビール」(15~50元)といった、比較的リーズナブルな設定。財布の中身を気にせず試合に集中し、仲間とワイワイ盛り上がろう。
本格アイリッシュ・パブ
赤茶色のしっかりした作りの木製バーカウンター。カウンター奥の壁には棚が設けられ、ウィスキーやリキュール類の瓶が並ぶ。移転前を含めると、上海に開店して12年になる、ちょっとした老舗だ。同店は、本場アイリッシュ・パブの空気に満ちており、アイリッシュにとっての居酒屋兼スポーツバーとも言える。彼らが大切にする、ケルト語の言葉「craic(親しみのある雰囲気)」を楽しみながら、スポーツ観戦&「ギネスビール」(40元~)で乾杯しよう。
そのほか、ウィスキーベースの「マンハッタン」(50元)など、カクテルやショットも用意。小腹が空いたら、牛肉の煮込みをサクサクのパイ生地で包んだ「手作りミートパイ」(70元)をいただこう。また、火曜日以外はギターのライブ演奏も行われる。のんびり飲みながら、スポーツや音楽を楽しみたい、大人向けのスポーツバーである。
レゲエの流れる焼酎バー
元々、日本人との共同出資でオープンしたという同店。店員と客の距離が近く、カウンター席ではみんなが一体となって笑い合い、焼酎を楽しむ。
実は同店にはメニューがなく、店に入ると、店員が元気いっぱいにフルーツジュース割りかロックかを尋ねてくれる。フルーツジュース割りは、「ライム割り」や「レモン割り」(各45元)、「グレープフルーツ割り」(50元)など、5種を用意。ロックの場合、焼酎に詳しくない人は芋や黒糖など好みを伝えれば、店員がオススメをいくつかピックアップしてくれる。香りなどから、ピンとくるものを選ぼう。
ちなみに焼酎の数を尋ねたところ、「たくさんあってわからない」とのお答え。この緩い雰囲気がたまらない。店に流れるレゲエと相まって、日ごろ溜まったストレスが溶け出していく。時間が空いた時にフラッと訪れたくなる、アットホームな店だ。
メキシカン料理&テキーラ
赤、緑、黄など、メキシカンな配色の内装がかわいらしいテキーラ・バー「CANTINA AGAVE」。同店では、テキーラ35種と、メキシコでよく食べられる魚・ティラピアを使った「ブラッケンドフィッシュ・タコス」(85元)など、本場メキシカンフードを提供する。グレープフルーツジュース入り「カンティーナズパロマ」(60元)や、シェリーやブランデーとのミックス「カンティーナ キャデラック」など、テキーラベースカクテルも楽しめる。
テキーラはやっぱり、ショットで乾杯するものでしょ、という人は、味の異なる3杯がセットになった「レポサドフライト」(95元)など、試飲用の「フライト」(80元~)に挑戦しよう。ボリューム満点の料理にショットで乾杯すれば、気分はもうメキシカン。友人とのプチパーティや、腹ぺこだけど飲みたい! という時にも重宝する店である。
現代的ウィスキー専門店
「ウィスキー」の語源は、〝命の水〟を意味するラテン語「アクア・ヴィテ」。愛好家は世界中にいるが、初心者にとって、いざその奥深い世界に踏み入ろうとすると、敷居が高く感じるのではないだろうか。そんな人は、ウィスキーの持つ高級なイメージを保ちつつ、現代的なデザインも取り入れた、ウィスキーバー「ラボ」がオススメだ。
同店では、スコッチ、アイリッシュ、ジャパニーズと、世界5大ウィスキーを計約100種そろえる。オレンジやレモンを添える「オールドファッションド」(78元)など、ウィスキーベースのカクテルも約15種用意するので、普段飲み慣れない人も手を出しやすい。テーブル席は照明をかなり抑えており、穏やかな会話を交わすのに最適。1人でゆっくり味わうのもいいが、シックに決めたいデートにも使えそうだ。
隠れ家的ウォッカ・バー
東湖賓館の横にある、日本料理店やクラブが入った建物の2階から続く階段を上がると、ウォッカ・バー「クラフト」にぶつかる。表に看板を出していないため、初めて行く時は迷う人も多い、隠れ家的バーである。店内は、コンクリート打ちっぱなしの壁や木製の床、DJブースなど、外とは全く違う雰囲気を醸し出し、そのスタイリッシュさに驚く。
同店では、ロシアやポーランド、アメリカにニュージーランドなど、各国のウォッカ30種以上をそろえる。ぜひ試してほしいのが、フルーティで洗練されたウォッカベースのカクテル「ブルーベリー・タイム・コブラー」(65元)は、やオリジナルの「スモーキーマルティーニ」(80元)など。大勢で騒ぎに行くバーというよりは、少人数で会話を楽しみながら、カクテルを2、3杯味わう…なんて使い方はいかが?
ギャラリー併設アート・バー
永嘉路にある「ユートピア・バー」。同店は、ギャラリーの一部を残してバーに改装したという、珍しいアート・バーだ。建物横にはギャラリー兼アトリエが併設され、ここを利用するアーティストの作品も店内に飾られる。まだ若い店主は、決して口数が多いタイプではないが、優しく自由な感性の持ち主。その人柄に惚れて、店に通いだすアーティストや常連客も少なくない。
イチオシは、アメリカのビール「バドワイザー」の語源にもなった、チェコ産ドラフトビール「バドバー」(40元)。そのほか、「マティーニ」や「モスコミュール」など、カクテルはすべて50元で用意する。また毎日15時〜22時は、アルコール全種が、1杯オーダーでさらに1杯を無料サービス。飲みたい気分だが誰も捕まらない、そんな時は、友達の家に遊びに行く感覚で、穏やかな店主の待つ同店へ遊びに行こう。
週末1人で過ごすバー
外へ出かけたい気持ちはあるものの、何だか人と話すのは億劫…なんていう週末の夜。そんな気分にピッタリのバーが、陝西南路にある。「クインズ・カフェ&バー」に一歩足を踏み入れると、ゴシック朝のアンティーク風の内装が広がる。ここでは、自宅の書斎やリビングのような、プライベートな時間が流れているのだ。
同店に集う客層も、どこかリラックスした人が多く見える。抑えめの優しい灯りの下、豪奢なソファの上に陣取って、読書をしたりネットサーフィンをしたりと、思い思いに過ごしている。カクテル類は、ウォッカベースにペパーミントやホワイトチョコをブレンドした「リトルラブソング」(58元)など、50~70元でそろえる。そのほか、同店はカフェとしての利用も可能。気怠い週末は、昼から夜まで、ここで1日を過ごすのも悪くない。
~上海ジャピオン2013年8月16日号