週末杭州でココ行きたい!

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世界遺産・西湖を巡る

「前に杭州へ行った時は、大雨で景色を楽しめなかったから、今回の旅行でリベンジよ」

「今回は社員旅行の下見で、僕は報告書とかあるんだぜ。ちょっとは気を使ってくれよ?」

「そんなの後で勝手にやりなさいよ。まずは楽しまきゃ、人に紹介できないでしょ」

「まあね。杭州と言えばやっぱり西湖十景かな。僕のオススメは柳浪聞鶯だね

「どんな所なの?」

「しだれ柳が風流で、日頃のストレスを癒してくれるのさ」

「あら、あなたにもストレスなんてあったのね」

「そう、今まさにね。君は西湖新十景の霊隠寺でやさしさを養って来なよ

「あなたは落ち着きを学ぶといいわね。それより、十景とか新十景とかって何なの?」

「西湖十景は宋の時代からの名所で、杭州の観光業振興のため、1984年に新西湖十景、2002年に西湖新十景が…」

「ふーん」

「自分で聞いといてなんだよ。で、君はどこが見たいの?」

「そうね。まずは1元札に載ってる三潭印月かな。この子も遊覧船に乗せたら喜ぶわよ

「じゃあ対岸に着いたら岳廟に行こう」

「ストップ。岳廟って何よ?」

「南宋の武将で救国の英雄と謳われた岳飛(がくひ)の墓さ。世界史で習っただろ?」

「知るわけないでしょ。もっと私の楽しめそうな場所は?」

「それなら白堤はどう? 今の季節なら自転車を借りてサイクリングしたら最高だろうな。あとは絶景スポットの九渓煙樹とか、縁結びで有名な黄龍洞とか③⑤

「今さら誰と縁を結ぶのよ」

「僕は何度でも君と縁を結びたいと思ってるけど?」

「まったく、調子がいいわね」

 

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おいしい水の源流へ

「これだけ回ってのどが渇いた、そんなアナタに絶好の休憩スポットをご紹介!」

「急になんか始まったわ」

「鎮江の中冷泉、無錫の恵泉に次ぐ中国三大名泉の1つ、虎跑夢泉さ。風光明媚な湧水地で、冷たい水をご賞味あれ!

「湧き水がタダで飲めるの?」

「そう、湧き水を汲んで、自由に飲める場所があるんだ」

「じゃあ空のタンクを持って行こうかしら」

「えっ!? 誰が運ぶんだよ」

「あら、お姫様を働かせたりしないわよね、ダーリン?」

「人使いの荒いお姫様だぜ…」

龍井村にて緑茶で一服

「冷たくておいしい水でのどを潤したら、熱いお茶で一服したいと思わない?」

「そうね」

「そこで次に向かうのが龍井村。中国の代表的な緑茶〝龍井茶〟の産地、ここにあり!

「中国茶っていうとプーアル茶とか鉄観音の印象が強いけど、上海からこんなに近いところに緑茶の産地があるのね」

「色、味、香り、茶葉の形の4点から高評価を得ているんだ」

「この子にも山の空気とお茶をプレゼントしたいわ」

「そして、このエリアで見逃せないのが満隴桂雨。なんと、秋に花見ができるんだ

「秋で花見? …コスモス?」

「いや、秋桜とは書くけども。明の時代からキンモクセイが有名で、ちょうど9月下旬から10月が見頃なんだぜ」

「へぇ」

「キンモクセイのジャムやお菓子、それにお茶もあるんだ!」

「あなたはいつからそんなにお茶好きになったのよ」

「前に会社の同僚と中国茶芸を見に行ったことがあるんだけど、それがまた…」

「あーハイハイ、それはまた今度聞くわ」

「うーん、なんだか最近扱いがひどい気がする。あ、昔からか」

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休憩後はショッピング

「せっかくの旅行なのにショッピングが入ってないわ」

「じゃあ、駅近くの河坊街なんてどう? 中国の古い街並みを再現した観光街で、杭州のお土産屋はもちろん、漢方や美術品の老舗店もあるんだぜ

「へぇ、面白そうね。私は武林広場に行ってみたいわ」

「杭州のショッピング街だね。すぐ近くにアパレルショップが建ち並ぶ武林女装街もあるぜ」

「最高じゃないの!」

「いやいや、武林広場の魅力はまだ終わらないよ」

「もったいぶらないでよ」

「実は夜になると夜市が開かれるのです

「へぇ、朝から晩まで買い物三昧ね♪」

「それは僕が保たないけどね」

少し変わった民宿

「そういえばまだ泊まるところを決めてないな」

「良さそうなはある?」

「そうだな、馬灯部落なんか良さそうだよ。レトロな雰囲気の民宿で、ランプの灯で内部を照らしてるんだ」

「あら、食事もおいしいみたいね、ネットで話題になってるわ」

「あとは、日本風の民宿・飛鳥集もオススメだね

「日本風?」

「そう、オーナーが日本に留学したことがあるし、奥さんは日本人なんだって」

「国際結婚か。憧れるわね」

「そんな歳…すみません、ごめんなさい、痛いから足どけて」

「わかればよろしい」

「ふぅ。民宿は1階にカフェがあって、まったり出来るのさ。畳のスペースもあるんだぜ」

「迷うわねぇ」

「どっちも人気だから、泊まるなら早めに予約しないとな」

 

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杭州グルメを食べよう

「杭州ってどんな料理があるの?」

「一番有名なのは豚の角煮『東坡肉』だな

「脂っこくないかしら?」

「店によるけど、『楼外楼』って店で食べた知人の話だと、しつこくない程度に抑えられてて、すごくおいしかったってさ

「ふーん。楼外楼は…西湖孤山の近くにあるから、白堤でサイクリングした後に行くといいわね」

「ほかには、さっき話した河坊街にある『状元館』、『皇飯児王潤興酒楼』なんかも、老舗杭州料理店として有名なんだぜ⑰⑱

「杭州料理って東坡肉だけなの?」

「もちろんまだまだあるさ。西湖で獲れるソウギョを黒酢で煮込んだ『西湖醋魚』とか、龍井の新茶で和えた『龍井蝦仁』とかも有名だよ⑫⑭

「へぇ、あとはこの子にも食べられるスープなんかがあればいいんだけど」

「その言葉を待ってたぜ!」

「そんなピンポイントに待ってないでしょ」

「まあそう言わず、僕のイチオシ、『西湖牛肉羹』を紹介させてよ

「随分と自信があるのね」

「うん、ベースは牛肉に卵、キノコ類で、アッサリしたものと、濃厚な味のものがあるんだ」

「どっちがおいしいの?」

「僕はどっちも好きだけど、個人的には濃い方かな。ご飯にかければ、何杯でもいけるぜ」

「そのドヤ顔がイラッと来るけど、そこまで言うなら食べてみたいわ」

「あちこちでご飯にする予定だから、両方食べたらいいよ」

「そうと決まったら、旅行グッズを買いに行くわよ。荷物お願いね、ダーリン♪」

「お手柔らかに頼むよ」

 

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~上海ジャピオン2014年10月10日号

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