〝お悩み番組〟の本場は上海
さぁさぁ、始まったわ。最初は上海の番組「新老娘舅」ね。4年前に始まったこの番組、お悩み番組人気の火付け役と言われているのよー。
今日のメインアドバイザーは…来ました、名物おばちゃん、栢万青! 彼女が人差し指をピーンと立てながら、上海語でまくし立てるお説教が痛快なのよねぇ。今日はどんな名言が飛び出すのかしら、ワクワクしちゃう。
ちなみにこの番組に参加するのはみんな上海人。さっきの栢おばちゃんはもちろん、ゲストの一般市民も上海語で話すのよ。上海語が公用語の番組も珍しいわよねぇ。
若夫婦に起こった大事件
今会の相談者は若い夫婦の、夫のほうが深刻な顔してるわ。なになに、妻が大富豪の娘で、贅沢の限りを尽くしていたら、実は大富豪なんて真っ赤なウソだったですって! 夫を騙して贅沢に暮らすため1500万元の負債を抱えたんだから、
実家を売って返済に充てろと包丁を持って脅迫してくる…って。あらまぁ、これまたとんでもない話ね。栢おばちゃんもビックリよ。
後半にはその妻も登場。あわやつかみ合いの大ゲンカになりかけたけど、栢おばちゃんが「あんたたちはバカか!」と喝を入れ、まだ幼い娘に言及すると2人ともシュンとしちゃったわ。
この奥さん、お金絡みのトラブルで、すでに警察に自首しているんですって。今は娘が幼いから処分保留中だけど、ゆくゆくは牢屋に入る身。そんな人がテレビ出演するのも驚きね。
栢おばちゃんが最後に、娘のためによく反省するよう諭すと、大泣きしちゃったわ。最後は、夫が妻の服役中、毎月の養育費を支払う契約書を書いて一旦解決。この回はとっても人気だったみたいで、後日未公開シーンも放送されたのよ。
嫁姑問題は万国共通!?
数ある〝お悩み解決番組〟の中でも、今一番視聴率が高いのがこの「金牌調解」。さあどんな内容なのかしら~。さっきの「新老娘舅」がけっこう過激だったから、ママはドキドキよ~。
司会の章さんは、ショートカットの美人さんね。「来調解、没問題(話し合えば、問題解決)」なんてやさしい声で始まったけど、こんなウィスパーボイスで、カッカしてるゲストをまとめることができるのか、ちょっと心配よ。
やってきたのは母親と息子の2人。お母さんの「息子の彼女が無礼で非常識すぎる、息子と別れさせたい」というのが今日のテーマね。はぁ、〝嫁姑問題〟は万国共通なのねぇ。
親子の絆、感動の結末へ
話が進んでいくうち、お母さんがヒートアップ。「彼女と別れないなら息子と縁を切る!」なんて言い始めちゃって、「こりゃ今日中に解決できそうもない」と白旗を振るコンサルタントも。大丈夫かしら。
ところがここで心理学者が「そもそもお母さんと息子の親子関係に問題があるのでは」と指摘。すると一転、お母さんは息子の悪口を、息子はお母さんへの不満を漏らし始めたわ。
お見事な分析ね。その後心理学者が2人の深層心理を探り、個別に説得を試みた後、ついに2人が歩み寄ることができたわ。このお母さん、息子が生まれた頃はとても貧しくて、お父さんと共にずっと働き詰め、なかなか息子と会う機会がなかったんだって。
親戚の子と比べて、息子に〝ダメな子〟というレッテルを貼っちゃって、息子の彼女にまで意見したのね。とっても意固地なお母さんだったけれど、家族でしっかり抱き合った姿に、会場は涙、涙。
なるほど、こういう〝親子の絆、夫婦の愛〟をテーマにして、根気よくゲストを説得していく番組なのねぇ。あら、ママも目から汗が…。
家の相続は内紛の火種
ご近所さんに聞いたんだけど、中国ではいっつも家の相続で揉めるんですってねー。今日お昼に放送する「第三解室」でちょうど家の分与について取り上げるみたいだから、見てみましょ。
あらなんだかやたら緊迫感のあるBGMね。登場したのは男性2人、女性2人の4人兄弟。ご両親が亡くなった後、父親名義の家の相続をどうするかで揉めているのね。
今は長男夫婦とその息子夫婦が住んでいるけど、妹・弟夫婦も経済的な理由から一緒に住みたいんですって。でもお家は2部屋しかないのよー、ちょっと難しいんじゃない?
同時進行が見どころ
まず長男夫婦の話を聞いて、弟・妹たちは別室のモニターで様子を観察するのね。視聴者は双方の反応を同時進行で見られるのが、この番組の魅力ってわけ。でも「嘘付け!」とか「そんなこと言ってない!」とか、野次が飛ぶわ飛ぶわ。
あらま~、白熱して来ちゃったけど大丈夫? ママは今回、法律の話が多すぎて、こんがらがってきちゃったわ。再現VTRや図解もないし、誰か説明してくれないとサッパリよ~。
と思ってたら、専門家同士の話し合いタイムがあるのね。そうそう、さすが法律のスペシャリスト、現状をわかりやすく解説してくれたわ~。ふ~ん、ご両親の家はいわゆる公営住宅で、権利は政府にあるのね。
でも今後取り壊しが決まった時にもらえる手当は、兄弟で分配できるみたい。じゃあそれで解決ね~と思ったら、今度は手当の配分でケンカを始めたわ。5時間近く話し合ったけど、結局、結論は出なかったの。
幼い頃から一緒に育ったのに、ここまで仲違いをするなんて、やっぱり財産分与は難しいわね。ママもパパとよく話し合っておかなくちゃ。
みんな気になる恋愛問題
お悩み解決番組は法律や条例の説明も多くて、ためになるけどちょっと肩がこるのよね。ママは恋愛ネタの方が得意だわ。
「愛情保衛戦」は2012年に放送が始まって以来、若い世代に人気の恋愛バラエティよ。毎回、色んな悩みを抱えたカップルが登場するんだけど、このままお付き合いを続けるか、はたまた別れるのか、2人の決断が見ものよね。さあ、始まったわよ。
束縛がキツイ彼氏・彼女
あら彼女、浮かない顔だけどべっぴんじゃない。彼氏もなかなかのイケメン。会社を経営する青年実業家なの、すごいわぁ。彼女、別れたいなんてもったいないんじゃない?
なになに、浮気を心配するあまり、彼女のために新しい会社を作ってそこに就職させてしまった。通勤も一緒、家でも一緒、彼氏の知らない人と出かけちゃダメ…って、すごい束縛ね。彼女が「私は籠の中の鳥じゃない!」って怒るのも納得だわ。
コメンテーターは「過剰な束縛は自分に自信がない証拠」と辛辣な一言。これに焦った(?)のか、最後の「60秒告白コーナー」で彼氏が「もう一度チャンスをほしい」とアピール。
彼女は最後まで迷っていたけど、お付き合いを続けることを決めたわ。お幸せに~。
後半は中国人の女性とコンゴ人男性の国際カップルが登場。こっちは逆に彼氏が、彼女の束縛にお困りのようね。コメンテーターの「文化の相違は問題ではない、恋愛スタンスが違いすぎるんだ」との指摘で、
彼氏が彼女との交際を真面目に考えていないことが浮き彫りに。最後に司会の「(彼女との)結婚を考えていますか」との問いに彼氏が沈黙してしまったことが決め手で、彼女の方が別れを選択してしまったわ。うーん、うまくいかないものだわね…。
~上海ジャピオン2016年1月22日発行号