上海の夏はすぐそこ。
うだるような暑さを乗り切るためには、汗をかきかき激辛料理。
四川料理の痺れる辛さで夏に勝つ
中国で生活していると、思わず「辛っ!」と声をあげてしまう料理に出会うことが多い。「火鍋」や「麻辣湯」を初めて食べた時、むせるような辛さに箸を止めてしまった人もいるのでは? しかし、辛さとは不思議なもので、食べれば食べるほどやみつきになっていき、もっと辛いものを求めてしまう。
激辛料理と聞いて、まず思い浮かぶのが四川料理。四川出身で「品川」のオーナー・ジニーさんは、「四川省は盆地で湿気の多い地域。湿気が多いってのは、食欲減退など健康に影響を与えやすい。だから、辛い料理を食べて汗をかき、身体にこもった湿気を追い出すんです」と、その理由を説明する。
四川料理の特徴は、「辣椒(トウガラシ)」の身体を熱くする辛さと、「花椒(サンショウ)」の痺れる辛さを合せた「麻辣」といわれる辛さだ。同店でそんな「麻辣」を存分に味わえる料理が四川の名物料理でもある「響鈴桂魚」。骨と皮を取り除いた桂魚、太めの春雨、エノキ、もやしなどをトウガラシが入った真っ赤なスープで煮込んで作る。全体的に味の濃い四川料理の中でも、すっきりとした上品な辛さなので、日本人でも食べやすい。
手羽の唐揚げ、ピーマン、ピーナッツをトウガラシとサンショウで炒めた家庭料理「大紅辣子鶏」も押さえておきたい料理のひとつ。こちらは、辛さもさることながらサンショウもかなり効いているため、「麻辣」を肌で感じることができる。辛さを中和したい場合は、スイカがオススメ。食後に無料サービスされるが、食事中に頼んでもオッケーだ。
中国川菜料理 品川
TEL:6437-9361
桃江路47号
営業時間:11時~14時、17時~23時
全150席
■響鈴桂魚 91元/1斤(写真上)3辛○○●●●
■大紅辣子鶏 43元(写真左)3辛○○●●●
夏を乗り切る世界の激辛料理
■目にも鮮やかな真紅のカレー 辛さの境地を目指そう!
インドの家庭料理にして、他の追随を許さない強烈な激辛料理「ビンダルーカレー」。赤トウガラシにブラックカルダモンやグローブなどのインド産の香料を加えて作る真っ赤なカレーは、見た目を裏切らない辛さを見せてくれる。一口目で、しっかりとカレーの旨味を味わっておこう。二口目、三口目からは、その辛さが本領を発揮する。食べ進めるにつれ、額と鼻の下ににじむ汗、ヒリヒリする唇、ぽかぽか温まり始める胃。舌を刺すような辛さに耐えつつ食べつづければ、悟りの境地にたどり着けるかもしれない。店員によると、ナンをちぎり、それにのせて食べるのが一般的だ。
激辛料理を食べた後は腹を下しやすいので、お腹を調整する意味でも「野菜ヨーグルト」を注文しよう。キュウリ、トマト、キャベツがたっぷり入っており、ヨーグルトというよりはサラダに近い。上にスパイスが振りかけられているのはご愛嬌。「ビンダルーカレー」を食べたあなたにとって、この程度は辛いうちに入らないはずだ。
KAVEEN’s KITCHEN
TEL:6248-8292
華山路231号2階
営業時間:11時半~14時半、17時半~24時
全30席
■チキンビンダルー 38元(写真上)5辛●●●●●
■野菜ヨーグルト 22元(写真左)
■決め手はコチュジャン! 食べ続けないと辛い韓国料理!
家庭や屋台など、韓国ならどこでも見かける庶民の味「トッポギ」。棒状の韓国餅をコチュジャンやゴマ油などとからめて、甘辛く煮た料理だ。口に入れた瞬間は甘く感じるが、後から辛さがじわじわ効いてくる。そして、辛いからこそ、甘さを求めてもう1つ、さらにもう1つ…と、食べ始めたら止まらなくなっていく。
食べ終わると、積み重なった辛さが一気に押し寄せてくるが、同店では食後に蜂蜜とナツメを使った「水晶茶」を無料で提供してくれるので安心。辛さを和らげると同時に、口の匂い消しの効果もある。
韓国館
TEL:5208-1579
興義路8号 万都商城2階
11時半~22時
全130席
■トッポギ 55元(写真上)2辛○○○●●
■水晶茶 食後に無料で提供(写真左)
■南国の太陽と緑の恵み 辛さとハーブでリフレッシュ!
女性に人気のタイ料理「グリーンカレー」。青トウガラシを中心に数種類のスパイスを使ったカレーには、ナスやグリーンピース、ライム、レモングラスなどヘルシーな食材がたっぷり。じんわりと汗をかくような刺激的な辛さ中にも、柑橘系の爽やかな香りを感じさせる。もっと辛さを求める人は、青パパイヤのピリ辛サラダ「ソムタム」も注文して、南国ムードに浸るのもグッド。
一休みした時は、ひんやり冷たい「竜眼フラッペ」を。独特の甘さが、舌先から身体全体までクールダウンしてくれる。
thai gallery
TEL:6217-9797
大田路127号
営業時間:11時~14時半、17時半~24時
全110席
■ライムとバジルのグリーンカレー 58元(写真上)3辛○○●●●
■竜眼フラッペ 35元(写真左)
■麻辣牛肉がアクセント! 痺れた舌には冷た~いアイス
低カロリーであっさりした味付けが多く、東南アジア料理の中でも日本人向けといえるのがベトナム料理。同店の春雨や香菜がぎっしり詰まった「牛肉の生春巻き」は、麻辣の味付けがしっかり染み込んだ牛肉がアクセント。特製のタレをつけて食べれば、爽やかな辛酸っぱさが口の中に広がる。激辛とは言い難いが、2つ3つ食べれば、「麻」が効いて舌が少し痺れてくる。そんな時は、スノーアイスを一口食べてみよう。痺れた舌が、スノーアイスをより一層冷たく感じさせてくれて、なんとも言えない心地よさだ。
華越楼
TEL:6209-7669
黄金城道781号
営業時間:9時半~23時
全200席
■牛肉の生春巻き 28元(写真上)1辛○○○○●
■アイスクリーム 24元(写真左)
■太陽の国からやってきた 灼熱のシチュー!
トウガラシの中でも1、2を争う辛さの「ハラペーニョ」を使ったメキシコ料理。火山岩で作った器に入って運ばれてくる同店の「ラムシチュー」は、マグマのような辛さ。さらに、熱さが辛さを引き立てているので、食べれば発汗すること間違いなし。シチューに添えられたタコス生地に挟んで食べてもよし。セットで付いてくるスパイシーライスと合わせて、辛さの高みを目指すもよし。量が多目なので、メキシコを代表するカクテル「マルガリータ」でも飲みながら、アミーゴ達とシェアして食べるといいだろう。
mexico lindo
TEL:6262-2797
虹梅路3911号1号別墅
営業時間:11時~22時半
全150席
■ラムシチュー 98元(写真上)4辛○●●●●
■マルガリータ 45元(写真左)
~上海ジャピオン6月23日号より