野外活動向けの巨大公園
元気いっぱいのこっちーと取材班が訪れたのは、上海市中心部から車を1時間ほど走らせた青浦区のレジャースポット「東方緑舟」。有名な観光地「朱家角」の西側に位置し、広大な敷地に湖や芝生、ミニ遊園地、各種アクティビティ施設、宿泊施設などが点在する。市内の高校が野外学習に利用することもあり、上海市民なら1度は来たことがある憩いのスポットだ。
「わーなんかデケー」とテンションアップのこっちー。「入場料」(50元)を支払い2号門から入ってしばらく歩くと、第一関門が見えてきた。
超久々のアスレチック
「興橋世界(ファン・ブリッジ)」と銘打たれたこのコーナーは、幅約7㍍の川に14種類のアスレチック遊具が備えられている(写真②)。〝様々な趣向が凝らされた橋で川を渡り遊んでね〟というわけだ。早速こっちーが「いっきまーす」と飛び出す。一見簡単そうに見える遊具だが、足を掛けてみるとグラグラと揺れる(写真③)。下には申し訳程度に安全ネットが張られているだけで、足を踏み外せばびしょ濡れになること必須。飛び石に綱渡り、うんてい、輪くぐり、ターザンロープ…バランス感覚に衰えが見え始めたおじさんの彼にはツラいか!? とハラハラして見守るも、当の本人は「オイオイ、揺らすなよ~(笑)」とご満悦。久しぶりの運動を楽しんだようだ。
東方緑舟にはここ以外にも、なが~いアスレチック遊具を潜り抜ける「勇敢者道路」(写真④)や、30元支払えば遊具をクリアしたタイムを計測してくれる運動場「素質体験測試」など全身運動を楽しめる場所が複数カ所ある。子どもはもちろん、企業のレクリエーションなどで遊びにきている大人もたくさんいるので、遠慮せず身体を動かそう。
航空母艦は男のロマン
「東方緑舟」のもう1つの魅力は、航空母艦や潜水艦、ヘリコプター、飛行機が展示され、実際に触れたり乗り込んだりできることだ。エリアの最西端にある「国防教育区」に足を踏み入れれば、湖に浮かぶ巨大空母がお目見え。「う~ん、男のロマンですね」と湖をバックに、しばし黄昏るこっちー(写真④)。
スプラッシュに大興奮
目当ての水陸両用車(写真①)は、空母の裏手側にスタンバイ。先に、空母1階にあるチケットカウンターで「乗車チケット」(40元/人)を購入しよう。ここの水陸両用車は「北京汽車」のメーカー「BAW」で、迷彩柄に無骨なボディがなんとも頼もしい。これもまた迷彩服に身を包んだおじさんが運転を担当する。
安全のためライフジャケットを着用し、後ろの荷台に乗り込めば準備OK、張り切って出発だ。まずは空母を回り込んで湖を目指す。すると突然、運転手のおじさんが「よ~し、しっかりつかまってろよ!」と急加速、湖に向かって勢いよくダ~イブ(写真④)! ザッバ~ンと豪快に跳ねる水しぶきに、こっちーはじめ乗り合わせたおじさんやちびっ子たちから「おぉ~」と歓声が上がる。湖上ではモーターエンジンの振動が直接足元に伝わり、あまり乗り心地がよくないものの、潜水艦ギリギリを通り抜けるなど、なかなか迫力ある運転であった。
この「国防教育区」は空母の中が博物館になっており、〝ミリオタ〟必見の展示物がズラリ。また「サーキット」(30元/人)や「サバイバルゲーム」(50元~/人、要予約)など刺激的なアクティビティが盛りだくさんだ。
info
住所:青浦区滬青平公路6888号(×復興路)
電話:5923-3000
料金:50元
アクセス:軌道交通2号線「徐涇東」駅下車後、路線バス「朱徐線」で「朱家角汽車站」まで行き、そこからタクシーで「東方緑舟」まで移動。
淡水魚が豊富な釣り堀
2号線「婁山関路」駅から歩いて15分ほどの距離にある公園「長風公園」。水族館が併設され、休日はファミリーで賑わいを見せている。
そんな公園の片隅に、おじさんばかりが集う一角がある。今回ひでさんと訪れた「釣魚池」は、市街地で気軽に釣りが楽しめると評判の釣り堀だそう。まずは赤いパラソルが立った受付で、「釣竿、網、エサ」(50元/4時間、デポジット200元)をレンタル。「外国人か、頑張れよ」と気さくに応対してくれた係のおじさんに話を聞くと、この池にはフナ、ヒラウオ、コイ、ソウギョ、コクレン、ハクレンなどの魚が計30㌔ほど放たれているそう。釣った魚を500㌘当たり13元で持ち帰ることもできる。
ようやく1ヒットなるも…
何がよく釣れるのかと聞いてみると「運次第」、どの場所がいいかと問えば「どこでも釣れる」と適当に答える係のおじさんの話を真に受け、とりあえず人が少ない場所を選び釣りスタート。釣りは小学生ぶりというひでさん、練りエサを針に付け、慎重に釣り糸を垂らす(写真①)が…待てど暮らせど浮きがピクリともしない。周りの人たちはかなり釣れているようで、15分に1回のペースで魚を釣り上げる人が現れる(写真②)。
なかなか釣れないひでさん、気が付けば周囲に見物客がワラワラ(写真④)。「まだ釣れないの~?」と子どものヤジに焦ったのか、持ち場を変える…とここで、グンと手応えのある引きをキャッチ!体長20㌢ほどのヒラウオが掛かった!やった~と陸へ上げようとしたその時、針が外れ魚は水の中へ…。悔しい~!
1時間弱で1匹の当たりはまずまずの手応え。釣竿を返しにいくと、係のおじさんに「魚が掛かったらすぐ網に入れないとダメだよ」と取材班のフォロー不足を指摘された…ひでさん、ごめんなさい。
ボートで湖に漕ぎ出そう
湖のある公園と言えばやはりボート。「ひでさんも若い頃、ボートでデートしたでしょう?」と、乗り気でないひでさんを取材班が無理やり引っ張り、スワンボート、ならぬアヒルボートに乗ってみた。
湖の周辺にいくつかボートの発着所があるが、場所によってボートの種類が異なるので注意しよう。今回は2号船着き場で「ボート」(60元/時間、デポジット200元)をレンタル。「アヒルボートは電動じゃなくて足漕ぎだよ、いいのかい?」と受付のおばちゃんに念を押されるも、「いいんです!」とアヒルを選び、湖中央にあるボートと同じデザインの巨大アヒル像を目指す。さあ、レッツゴ~♪
強風でトラブル発生
真面目なひでさんは必死にペダルを漕ぎ、アヒルはよたよたと前へ。思ったより速く湖の中央に到達したので、少しひと休み…したいところだが、電動ボートにガツン、ガツンとぶつけられ気が気でない。「電動は楽そうでいいなあ」とポツリ、ひでさんが独りごちる。
困ったのが発着場への帰り。心なしか風が強くなってきた…と思ったら、ボートが流され始めた。こりゃいかん、と必死に中央のハンドルを握り、ペダルを踏み込む。漕いでは休み、休む間にボートは流され…。もうSOSを出すしかないか、と諦めかけたその時、ひでさんが最後の力を振り絞り、なんとか岸に到着。そして「この歳でキツい…。」とノックダウン…風の強い日は電動ボートをオススメする。
info
住所:大渡河路189号
電話:6245-3270
営業時間:5時~18時
~上海ジャピオン2017年5月26日発行号