上海地下鉄新路線ガイド

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上海の東西を結ぶ大動脈

2007年末に営業を開始した9号線。その三期で、東延長部分に当たる「楊高中路」駅~「曹路」駅の計9駅が、昨年末に開通した。9号線の西端は松江区「松江南」駅なので、今回の延長部分の開通で、松江区から浦東新区の「浦東国際空港」の北、長江の河口まで市を大横断する路線が完成した。

まずは終着点「曹路」駅へ。地上へ出てみると、そこにあったのは…だだっ広い道路と、新築のマンション群のみ。コンビニやカフェ、ショップなどはなく、本当にココは上海なのかと疑いたくなる。交通量は少ないものの、工事用の大型トラックが時折走行する。土曜日の日中にも関わらず、人影はまばらだった。

スマホで地図を確認すると、長江の河口まで遠くないようなので、海が見られることを期待し、自転車で東に進むことに。土手のような小道を抜け、無数の石油タンクの横を通ると、その先に広がるのは、茶色い水の上を走行する貨物船の数々。地上の道路よりずっと混雑している海が広がっていた…。

 欧米人居住エリアが身近に

「曹路」駅に戻ると、駅の西側に小さなスーパーや飲食店、不動産屋を何軒か発見。しかしほかに見るところもなかったので、市中心部へ戻る車両に乗り、今度は「藍天路」駅で降りてみた。同駅は、欧米人居住エリアの碧雲路まで徒歩5分の場所にある。今までは、6号線「雲台路」駅が最寄りだったため、この駅の誕生で交通の利便性は上がった。なお駅すぐの場所では、地下トンネルの工事をしているため、道路は狭くなっている。

さらにその隣の「芳甸路」駅は、「証大大拇指広場」まで徒歩で行ける距離にあり、浦東住みの人にとっては利便性が幾分上がったと言えるだろう。

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虹橋火車駅から西に進む

全駅が新設となる17号線は、2・10号線「虹橋火車」駅を始点とし、レジャースポット「東方緑舟」目の前に造られた「東方緑舟」駅までの計13駅を結ぶ。終着駅手前は、市で有名な観光地「朱家角」に近い「朱家角」駅も設けられ、市中心地から観光地へ電車で気軽に行けるとあって、昨年末の営業開始以来多くの市民が利用している。

「虹橋火車」駅構内で2・10号線から17号線に乗り換え(①・②)、30分ほど西へ進むと、「東方緑舟」駅に到着(③・④)。市街地から近いとは言えないが、タクシー利用の場合200元ぐらい掛かるところを、数元で移動できるのはお得だろう。終点駅目の前に構える「東方緑舟」には、延々と広がるプレイグラウンドにアスレチック、水遊びスポットなどがあるほか、有料で見学できる超大型の船舶などもある。

 朱家角や淀山湖へ電車移動

また「東方緑舟」駅ができたことで、リゾート地「淀山湖」へのアクセスも便利になった(⑤)。公共バスもしくはタクシーに乗って15分ほどで、湖のほとりに佇む4ツ星観光スポット「上海大観園」に着く。釣りやBBQができるエリアがあり、キャンプや水上スポーツを楽しめるため、夏になるとプチリゾートを楽しむ人で溢れ返るんだとか。

さらに終点手前の「朱家角」駅から「朱家角古鎮」へは、徒歩10分弱で行けるように。ここは、言わずと知れた水郷スポット。言語の面でトラブルが起こりがちなタクシーではなく、電車で行けるようになったのはうれしい。

と、いくつか17号線沿線の観光スポットを紹介したものの、ほかはこれと言って観光できるようなスポットはなかった。日帰りの市内旅行で活躍しそうな路線だ。

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最新システムの無人車両

上海市で初めてとなる、数字以外の名前が付いた路線「浦江線」が、間もなく営業を開始する。

同路線は、8号線「沈社公路」駅(①)から「匯臻路」駅までの計6駅、全長約7㌔を結ぶ。ゴムタイヤで走り、線路の中央に設置された部分から電力を受け取って車体が動く車両は、モノレールによく似た造り(②)。4両編成で、出入り口の幅は1㍍98㌢と通常の車両より広く、乗り降りがしやすくなっている。

さらに車掌はおらず、無人で走行すると言う。車掌室が車両の前後からなくなった分、視界が開け、乗客は景色を思う存分楽しむことができるようになった。

 果てしなく続く住宅街

浦江線の建設工事は、ほとんどの工程を終えており、3月31日(土)に試営業を開始する予定。取材時に新車両に乗車することは叶わなかったものの、駅自体は完成しているので、その様子や駅周辺情報を紹介しよう。

終点の「匯臻路」駅周辺は(③)、これから住宅地になるらしく、新築の高層マンションが建ち並ぶ(④)。まだ建設中のものもあった。線路沿いは閑散としていて、日中でも交通量が少ない。騒々しい市内中心部とは打って変わり、静かでのんびりとした生活が送れそうだ。駅のすぐ南に団地があり、入り口に飲食店など数件が入居していた(⑤)。ただカフェやコンビニなどはなく、レンタサイクルでさえ数台しかない。小さなスーパーや携帯ショップ、幼稚園などはあったので、最低限の生活は送れそうだが、それ以外は本当に何もない。

20分ほど自転車を漕いで南に進み川を越えると、時間の流れに取り残されたような昔懐かしい田園風景が残っている一画があった。とは言うものの、日本人が同路線を利用することはまずないかもしれない…。

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~上海ジャピオン2018年3月30日発行号

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