アテンド・接待でもう迷わない!火鍋

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変わりキノコの博覧会?

華南地方を代表する火鍋としてアテンドしたい雲南火鍋。クセがなく、あっさりとしていて淡白な具材が多い。中でも「菌子火鍋」は、日本でも馴染み深い「キノコ鍋」に似た風味があるので、火鍋入門者には打ってつけだ。ここ「花吃・菌煮」では火鍋以外にも雲南料理が充実しており、現地の雰囲気も味わえる。様々な形のキノコが並ぶショーケースや、店員の色鮮やかな民族衣装からは、雲南の息遣いが感じられるだろう。

秋も深まり、今が旬のキノコは大変香りがよく、新鮮なものが出揃う。一般的に生食が不可能と言われている「松茸」(時価)も、産地から空輸にて入荷するため非常に鮮度がよく、刺身でいただける。メニューには毒キノコと見まがうような奇怪な形状のキノコが散見されるが、口にするとそれぞれが味と香りの個性を発揮。網目状でサクサクとした食感のマコモダケから、ヌメヌメとした巨大なナメコのお化けまで、火鍋の中にサッとくぐらせて味わってみよう。

食養生として味わう火鍋

基本の鍋スープは二種類の味が楽しめる「菌王湯と金花湯」(68元)を選んでみて。焦げ茶色のスープは、18種の野生キノコなどを8時間煮込んだもの。整腸や美肌にも効果てきめんで、数日間は代謝がすこぶる高くなることにも注目したい。大切なアテンド客には、びっくりするほどスッキリしてお帰りいただこう。

また、せっかくなので、ジャスミンなど見た目が美しい「食用花」(18元~)や、栄養価の高い「虫料理」(68元~)にも挑戦してみては?

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羊肉火鍋で身体ポカポカ

悠久の歴史を持つ北京火鍋は、北方を代表する火鍋であり、羊肉版しゃぶしゃぶの「涮羊肉」や、豪快に背骨をブツ切りした「羊蝎子」に見られるように、主に羊肉を使用するのが特徴だ。匂いに少しクセがあり、苦手な人も少なくないため、中級者向けと言えるかも。ここ「洪太極」は、火鍋愛好者には馴染みの火鍋専門店「海底捞」以外にも、そろそろ足を延ばしてみようかな? と言う人にもオススメしたい。

同店では火鍋以外にも、クミンのきいた「紅柳枝烤羊肉串」(19元/2本)や、「蒙古烤全羊」(1499元)などの羊料理が並ぶ。ここはやはりビールを選びたいところだが、あえて白酒「江小白」(25元)を選ぶ手もあり。白酒のなかでも比較的軽い口当たりなので、クセになりそう…。大切なアテンド客には、たくさん注ぎ過ぎないように注意しよう。

骨の髄までしゃぶり尽くす

背骨の形が蠍(サソリ)に見えるところから名が付いた「羊蝎子」(128元)は、羊の背骨をブロック状にしたもの。骨ごとしゃぶり付くようにして食べると、骨の内側から信じられないくらいおいしいダシが、出てくる、出てくる! この深い味わいには思わず唸ってしまうだろう。

羊蝎子を食べ終えたら、涮羊肉を楽しもう。「熱気羊腿肉」(39元)や、「熱気羊上脳」(49元)が特に人気のよう。羊蝎子のダシが羊肉に絡むので、おいしさの波が2回訪れる。羊だから臭い…という心配は無用。新鮮な羊肉だけを使用しているので、本場北京の味を楽しめると評判も上々なんだとか。

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火鍋と言えば重慶のもの

中国の火鍋と言えば、唐辛子で埋め尽くされた真っ赤なスープを思い浮かべる人も多い。重慶火鍋はアテンドでも押さえておきたいところだ。ただご存じのとおり、湯気だけで粘膜にツンと来る辛さなので、上級者向け。しかし重慶火鍋は、実際には唐辛子だけではなく、漢方や生薬、味に深みが出る香辛料などを多用。こうした素材をブレンドしたスープは「鍋底(グオディ)」と呼ばれ、医食同源の思想を掲げる中国ならではの健康食だ。ちなみに、半々に区切られた火鍋は「鴛鴦(おしどり)鍋」と呼ばれ、仲睦まじい様を表す。

ここ「熊猫老灶火鍋」では激辛スープ以外に、口当たりがマイルドなものも用意されているので、辛いものとそうでないものが楽しめるという点では、アテンドにピッタリだろう。

全毛穴から汗が噴き出る

では定番の具材、牛の胃袋の一部「空運鮮毛肚」(58元)を注文してみよう。グロテスクな姿もご愛嬌、スープにくぐらせて十数秒で食べ頃だ。か、辛い! レベル1のスープでも相当な辛さだ。隣の席からも止めどなく咳き込む音が聞こえてくるが大丈夫か? そんな時は、マイルドスープで辛さを中和。秋の味覚のクリやナツメの甘さがやさしい地鶏のスープ「熊猫養生板栗鶏」(30元~/人)を飲んでみよう。

同店は行列ができる人気店だが、外壁にへばり付くパンダのオブジェと記念撮影ができるほか、着ぐるみパンダがパフォーマンスで楽しませてくれるので、お客様も楽しく過ごせることだろう。

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ココナッツ好きは必見!

ヤシスープの火鍋「椰庭 現煲椰子鶏」には、リゾート気分を味わいたいと言う人をお連れしたい。ヤシの実をふんだんに使用した「ココナッツ火鍋」(108元~)は、中国大陸の最南端に位置し、〝中国のハワイ〟とも称される海南島の火鍋だ。

海南地鶏のダシが溶け込んだスープには、スライスしたココナッツ、サクサクとした食感のクワイ、疲労を回復すると言われるクコの実が浮かぶ。一口飲んでみると、ほのかな甘みを感じ、そのあとにココナッツのフルーティーな香りが鼻を抜ける。美しいビーチや豊かな緑をたたえた常夏の島にひとっ飛び! アテンドで疲れた身体に沁み渡るよう。最後には、テーブル横で収穫されるキノコ「活体松香菇」(48元)や「活体豆苗」(28元)で、身体にやさしく〆たい。

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ネットで話題のカエル鍋

最近、街のあちこちで「炭火蛙鍋」と書かれた看板を目にすることはないだろうか? ネットの口コミから文字通り火が付いたカエル火鍋は、中央に大きな筒を配した北京式の大型鍋を用いるのが特徴だ。この筒の下に熱した炭火を入れ、鍋全体に熱を伝導させてスープを沸かす。ここ「天辣」の看板メニューである「老城区銅鍋牛蛙」(158元)は、本格的な炭火カエル鍋が楽しめる。炭火の香りと、一度油通しをしたカエルの香ばしさが相まって食欲をそそり、辛い物好きには堪らない火鍋なのだ。

なお、基本的にこの火鍋料理は、赤と青の唐辛子がたっぷりと入り、カエル唐揚げの下には激辛スープが潜んでいるので、辛い物が苦手な人は注意が必要。

~上海ジャピオン2018年10月26日発行号

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