WeChatの ミニプログラムを 活用しよう!

ダウンロードしないアプリ

ミニプログラムとは、「ダウンロードしないで使えるアプリ」である。では、ダウンロードをせずに、どのようにしてその〝アプリに代わるサービス=ミニプログラム〟を利用するかと言うと、「微信(WeChat)」や「支付宝(Alipay)」といった既存アプリの中から、利用したいミニプログラムを選択し、そのアプリ内でサービスを使用する。

従来のアプリは「App Store」や「Google Play Store」などから、スマホやiPadにダウンロードをして利用していた。これにより、スマホ内の容量はダウンロードしたアプリの容量に喰われて、常々空き容量不足が生じることに。よってアプリのアップデートができない、などという現象が起きたり、モバイル機器のホームスクリーンがアプリのアイコンで埋め尽くされたりしたのだ。

ミニプログラムが大活躍

ミニプログラムの登場は、これらの問題を解決してくれるとともに、モバイルインターネット界に大きな変革をもたらした。

「微信(WeChat)」は元々チャットアプリであったが、QRコードをかざし乗車できる「乗車碼」や、配車サービスの「滴滴出行」などもミニプログラムで利用できるようになった。こうしてチャット以外でも「微信(WeChat)」はより我々の生活に密着したアプリに変化を遂げたのだ。

一つのアプリを新たに利用するために、それを検索しダウンロードする時間やパケット量が必要なく、使いたい時に「微信(WeChat)」さえ立ち上げればすぐに使える手軽さが受けている。2017年に「微信(WeChat)」を運営するテンセントが取り入れたのを機に、「Alipay」を手掛けるアリババなど他社もそれに追随することになった。

ミニプログラムを設定する

ここからは、実際に「微信(WeChat)」でのミニプログラム活用法を解説する。まず、スマホやiPadで「微信(WeChat)」を立ち上げ、(写真A参照)①発見から②ミニプログラムを選択。ここで表示されない場合は、本人→設定→全般→〝発見を管理〟の画面で、発見ページメニューのカスタマイズをしよう。

ミニプログラムのトップ画面では、中国語表記での検索ができる。ショッピングサイト「淘宝」や配車サービス「滴滴出行」などの既存のアプリ名や、話題のドリンクスタンド「喜茶GO」など店舗名ほか、興味があるキーワードでも検索ができる。また、現在地の通知をオンにすることで③近くのストア(写真B参照)から、用途に合わせたミニプログラムのメニュー(写真C参照)を選択することもできる。よく使うミニプログラムが決まったら、〝マイミニプログラム〟に登録しよう。なお、この登録に際して、「微信(WeChat)」の表示言語設定が日本語表示になっていると実行できないことがあるので、設定を中国語に戻してから保存する必要がある。

生活に即したミニプログラム

ミニプログラムでは、既出のアプリでお馴染みの「淘宝」や「京東」で買い物ができるほか、「滴滴出行」などの配車サービスや、「美団外売」や「大衆点評」などのデリバリーサービスも揃う。地下鉄やバスなどの公共交通機関で使えるQRコードや、行きつけのラーメン屋の会員カード機能も揃っているかも?中国主要都市の路線バスで利用できる「乗車碼」や、翻訳精度の高い「騰訊翻訳君」などは、ちょっと使いたい時にオススメと言える。

普段アプリでよく使っていたサービスを、改めてミニプログラムで検索してみてはいかがだろうか? 会員カード機能であふれるホーム画面のアイコン数を減らせるかも知れない!

チャット画面から即起動

さて、お気に入りのミニプログラムが揃ったら、実際に使ってみよう。チャットの画面を指で下にスライドさせると、すぐに〝マイミニプログラム〟と〝最近使用したミニプログラム〟のアイコンが表示される。

ジャピオンでは、飲食店のインフォメーションと、席の予約機能を備えたミニプログラム「Japitta(ジャピッタ)」を2018年夏に開始。予約したいお店を選択し、日時、人数、名前、電話番号を入力するだけで、レストラン予約が済む。すべて日本語表記なので、中国語サイトが使いこなせなかったり、中国語での電話予約が苦手だったりする人でも、これなら安心して使うことができる。また、ジャピッタ予約特典のキャンペーンがあり、内容は日本語と中国語併記のため、お店ではスタッフに見せるだけでOK。たった10秒で予約が済むので、ってみる価値はありそうだ。

ミニプログラムの可能性

ミニゲーム「跳一跳」に、たくさんの「微信(WeChat)」ユーザーが夢中になったことは、記憶に新しい。これからは、サービスを提供する企業側も新たにアプリを開発するより、テンセントのプラットフォームを利用して作れるプログラムを選択するだろう。システムを一から開発するより、コストを抑えられ、製作期間も短くできるからだ。

およそ10億人のユーザーがいると言われる「微信(WeChat)」では、こうした様々な機能を持つミニプログラムが100件以上登録されており、これからもミニプログラムのユーザー数は増加すると見られている。

タイムカプセル機能とは

「微信(WeChat)」ではミニプログラムのほかにも、最近追加された新機能を紹介しよう。2018年12月、iOS版では同アプリのバージョン7・0・0がリリース。その際に追加されたのが、24時間で自動的に消える最大15秒の動画が投稿できる機能〝タイムカプセル(時刻視頻)〟で、1日9本まで投稿できる。

「友人」プロフィールアイコン右上に、小さな円を見掛けないだろうか?「友人」が動画投稿すると表示されるもので、「友人」アカウントのトップ画面を、指で下にスライドさせると見ることができる。チャット画面でも、名前に円が表示されるのでチェックしてみよう。この動画の再生画面(写真F)では、左下の⑥シャボン玉をクリックすると「友人」に⑤足あと通知がされ、⑥を長押しで、最大60字までのコメントが付けられる。

ショート動画を投稿する

動画を投稿するには、トップ画面(写真D)①本人から②カメラを選択。長押しして15秒以内で動画を撮影しよう。撮影後は(写真E)③スタンプやテキスト、BGM、位置情報が追加できる。なお、④投稿してもモーメンツには表示されず、プロフィールアイコンに円が表示されることで通知される。SNSのユーザー間で、動画シェアのニーズは高まっている。アプリ「TikTok(抖音)」の人気を見てもわかるが、17年9月までに「微信(WeChat)」のモーメンツ投稿された動画も、約6800万本に及ぶと言う。

10億人ものユーザーを持つ「微信(WeChat)」の新機能が、これからどのくらいの影響力を持つようになるか、注目が集まる。

 

~上海ジャピオン1月18日発行号

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