1人前の辛い鍋〝麻辣烫〟
自分で好きな具材と辛さを選べるとあって、日本人でもファンが多い料理「マーラータン」。「火鍋」と似ているが、事前に調理され、基本的に1人前で提供されるのがお手軽だ。
店頭に具材がズラリと並んでいるので、そこから自分で具材をボウルに移していこう。会計は量り売りだが、肉類と野菜類の値段が一緒か別々かは店によって異なるので注意して。単身赴任で来海した駐在員男性であれば、野菜を多めに取った方が◎。辛さも基本的に自分で選べるが、基準が店ごとにまちまちで、ある店の「微辣(小辛)」が、別の店の「中辣(中辛)」に相当するなんてことも…。また辛さ控えめで提供され、その後自分で調味料を足し、味を調える場合もある。
では次ページから、マーラータン店によくある具材を、一挙ご紹介!
かじってからのお楽しみ
マーラータン店のショーケースに並ぶ、コロコロとした丸い練り物たち。バリエーション豊富だけど、イマイチ味がわからないものを片っ端からリサーチしました。
一番ド派手な②挟心蟹排は魚とカニのすり身。中にはソーセージのような肉が入っており、食べ応え抜群だ。曲者だったのが⑥の紫米糯米球で、イモの甘さが、辛いスープと何ともミスマッチ…。
オススメはリボンのような形をした⑨の蝦仁餃で、プリプリの皮がおいしい。ほか①や③のようなチーズ入りは、味に外れなしだ。
ところで火鍋店でもよく見掛けるのが、④の黄色いシマシマ団子。これは中身が魚の玉子だったり、カニ味噌だったりと、数種類のタイプが流通しているようだ。何が出てくるかは、かじってからのお楽しみ、といったところ。
肉と麺でボリュームアップ
マーラータンで腹を満たしたい時に欠かせないのが、肉と〆の麺。肉は一見すると見慣れないものが多いかもしれないが、串に刺さっているものは、ほとんどが鶏肉。ささみ、ナンコツ、砂肝と、焼き鳥でおなじみの部位が揃っている。ほかベーコンや羊肉、牛肉は薄切りで用意されている。クセのある味が好きな人は、牛の胃「牛百葉」、鴨の血を固めた「鴨血」などのホルモン系にもチャレンジしてみて。
〆は、出前一丁などの乾麺や、弾力が楽しいQQ麺、やさしい味の玉子麺、うどんなどの麺類から、春雨、サツマイモが原料の太い麺「寛粉」まで、バラエティ豊か。オススメは、モチ米を揚げた「鍋巴」で、おこげのようなサクサク感が楽しい。これはほかの具材と一緒に煮込まず、マーラータンができあがってから最後に入れるので注意しよう。
~上海ジャピオン2019年4月5日発行号