ソフトクリームon野菜
口コミサイト「大衆点評」の トップページに突如現れた、1本のトウモロコシ。上にソフトクリームがぐるぐると盛られ、 かわいい女の子と写真に納まっているが、これは一体何なのか!? 早速店まで買いに走っ た永康路にある「茶是一枝花泡茶店」は、アートな外観が特徴のオシャレカフェ。美しいケ ーキやドリンクがメニューに並ぶが、その中に… あった、「烤 玉米氷tea淋(焼きトウモロ コシアイス)」(38 元)!中 国語でアイスを指す「氷淇淋」の「淇(qi2)」を〝tea 〟に掛けるなんて、ユーモアのあるメニュー名だな… 。そんなことを思いながらオーダーす る 。
できたてが命すぎる
しばらくすると、奥の厨房からカフェらしからぬ香ばしい匂いが漂ってきた。と思ったら、 店員さんがアイスを盛ったトウモロコシを握りしめて飛び 出し、「写真を撮るなら急い で!溶けるから!」と、トウモロコシをパスされる。焼きたてアツアツのトウモロコシを手に、アイスが溶ける~と、急いで写真をパシャリ。 撮影が無事終わると、渡された器にアイスを移し、改めて焼きトウモロコシのアイス添えをいただく。イマイチ食べ方がわからなかったが、甘いコーンとコクのあるバニラアイスとの相性は◎。サービスで入れてくれた、スダチ入り炭酸水も爽やかでおいしい。そして、BG Mで流れてくる日本の演歌… 。 あれ?ここはスーパー銭湯?そんな気がしてくる不思議なカフェであった。
イタリアンの謎スイーツ
「暴力奶昔(暴力ミルクシェーク)」(68元)なるものが人気と聞きつけ、やって来たのは、9・13号線「馬当路」駅直結のショッピングモール内に構えるイタリアンレストラン「HG高地」。高級感溢れる雰囲気で、店員も客も上品な感じ。ウケ狙いのスイーツを出すような店には見えないが、とりあえず目当てのシェークをオーダーする。
間もなく運ばれてきたドリンクは…デ、デカい! イチゴシェークの入ったカップにクリームやマシュマロなどがモリモリと重なり、その高さは約25㌢。これを、1人で食べるのか…と、思わず息を呑む。
まさにカロリーの暴力
早速、クリームにとまっている青いチョウチョウをそっとつまみ、口にイン。が、これは飾りだったようで食べられず、出鼻をくじかれる。そのほか、甘いホイップクリームとマシュマロ、カラフルなシリアルやキャンディ、チョコレートウエハース、やたら固くて噛み切れなかったカップの菓子を攻略すると、カップの蓋部分にはこれまた甘いチョコケーキが…。何とか完食するも、次は約300㍉のイチゴシェークが待っている。紙製のストローはもうとっくの昔にクタクタに…。カロリーとボリュームの〝暴力〟に、ノックダウンしてしまう取材班であった。
同店ではほかにも、ラムやチキンがたっぷり乗った「肉肉肉鍋」(358元)や、シーフードの詰め合わせ「暴力双層海鮮鍋」(498元)など、ボリュームたっぷりメニューがたくさん。家族や友人とシェアして楽しみたい。
カロリーを上乗せ
最近、ミルクティーなどの飲み物の上に、串で刺した団子を乗せて提供するドリンクがにわかにブームだという。ただでさえカロリーたっぷりなドリンクに、なんてことを…と思うのだが、流行っているのなら仕方がない。黄浦区で一番人気のドリンクを求め「申井氷店」へ向かう。
同店のスイーツ乗せドリンクは「若竹抹茶餅茶(一杯就發・若竹抹茶麻薯茶)」、「イチゴミルク餅茶(紅紅火火・草苺牛乳麻薯茶)」(各32元)、「ムラサキイモ牛乳餅茶(紫気東来・芋泥牛乳麻薯茶)」(28元)の3種。今回は、ミドリ色が目に鮮やかな「若竹抹茶餅茶」をオーダーしてみる。
間もなく、麻雀パイ「發」が乗った抹茶ドリンクが到着。この麻雀パイと、後ろの白い物体が餅なのか…と思いきや、これはチョコレート+マシュマロ。どこに餅が…? と思いながらドリンクをストローで吸うと、もっちり、フワフワした白いものが口に飛び込んできた。餅はドリンクに混ぜているようだ。抹茶とミルクのやさしい味が春にピッタリ。
団子と楽しむドリンク
新型コロナウイルス感染症の影響がまだ残る3月下旬に同店を訪れるも、店内は老若男女でいっぱいで、人気の高さが伺えた。
また人気ドリンクスタンドチェーン「喜茶」でも、豆乳ベースのドリンクに、ゴマ団子が乗った「芝麻湯園豆豆茶」を販売中。もはや飲み物ではなく、立派なおやつとして楽しめる。カロリーを恐れない人はお試しあれ。
ずっしり重いソフト
最後はこれぞインスタ映え! と話題沸騰、週末は行列ができるというアイスを買い求めに、オシャレなカフェやショップが集結する武康路へ。「CORNER CONE GELATO」は歴史的建築物「武康大楼」1階に構える小さな店で、テイクアウトのみ。取材班は平日昼に訪れたが、若いカップルで賑わっていた。
メニューを覗くと、わあ、かわいい! ソフトクリームをクッキーで飾り付けたキュートな商品が並ぶ。同店の「ジェラート」(32元~)は4種類あり、うち2つは月替わり。4月に新登場したという「巴黎暇期(パリの休日)」(35元)をオーダーしてみる。
店員がクッキーを丁寧にソフトへくっ付け、あっという間に完成。「クッキーは落ちやすいから気を付けてね」と、別途カップとアイス用スプーンも手渡してくれた。エッフェル塔と国旗をバックに、パグが散歩している様子を描いたクッキーは、ストーリー性があり、まるで芸術品のよう。クリームもヘーゼルナッツ風味でおいしく、人気が出るのも納得のクオリティと味だ。
カップルに大人気
それにしてもカップルが多いのが気になるが、同店の定番は、ディズニーのキャラを模した、黒いソフトとネズミ耳の「奇奇」と、ピンクのソフトにリボンが付いた「妮妮」(各32元)。2本セットで買うと48元、ということで、男女で買って、写真を撮るというわけだ。あまりのラブラブぶりに、ちょっと肩身の狭かった取材班だった…。
~上海ジャピオン2020年4月10日発行号