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我慢していたが…
「上海は10年くらいになりますけど、タオバオはずっと我慢してたんですよ。
でも、ある日『熱さまシート』がどうしても欲しくて、手を出してしまいました。
欲しい物がすぐに手に入る…この便利さを知っちゃってからは、毎月1500元くらいタオバオで使ってますね」
語学学校の代表を務める浅野さんは、タオバオデビューをこう振り返る。
ほかに購入したものは、ジャケットや鞄、靴、日本で買い忘れた中国人への土産など様々。
届いた商品の多くが「期待以上」というから、タオバオにハマるのも頷ける。
しかし、買い物で失敗する人も多いというタオバオショッピング。
ところが浅野さんは「ひどいと思ったのは1割にも満たない」と心外な表情だ。
その上、こんな感動エピソードがあったとか。
配送の早さに感動!
「ジャケットの下に着られる薄手のセーターが欲しかったんですよ。
翌日の会議で着たかったんですけど、街では見つからなくて。
タオバオで注文したら、注文の翌朝到着したんです。
市内発送だったら注文翌日の夕方頃に届くことが多いんですけど、この時は助かりましたねぇ」と、大絶賛。
逆にがっくりしたエピソードも。
「服を買ったら、丸めて送ってきましたよ!
クレーム入れたら、『安く売るためにはしょうがないだろ、そっちでクリーニング出してくれ』ですよ。
こんな店は、ほとんどないですけどね。
あとは、紺無地だと思った某ブランドジャケット全体に、うっすら馬模様が入っていたのなんかは笑いました」
価格以上の期待を持たないことが、タオバオを楽しむ秘訣だそうだ。
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ペット用品はタオバオで
「ペットがいるので、タオバオで主に購入するのはペットグッズが多いかな。
特にゲージなんかの大きくて運びにくそうなものや、
ペットフード15㌔なんて重いものは、家まで届けてくれるから本当に便利!」。
こう話す橋爪さんを、ガラス窓を挟んで隣の部屋にいる愛犬が、
タオバオグッズに囲まれてこちらを見つめている。
橋爪さんによると、タオバオには日本輸出用の製品も少なくないということで、
好みのものを見つけやすいとか。
「ペットの服や靴なんかの雑貨も、タオバオで探すの。
日本向け製品は『日?』や『日貨』(ともに日本製品の意)、
『出口』(輸出用の意)ってキーワードを入れて探すと見つけやすいよ」。
このようなちょっとした検索術を駆使して、欲しいものを見つけ出すそうだ。
ご主人のシャツに満足
「今まではペット用品が多かったんだけど、最近、友人のススメで旦那の会社用のシャツも買ってみたの。
これがけっこう良くって」
そう言って広げて見せてくれたのは、薄くストライプの入った白のカッターシャツ。
袖の切り替えしも凝っていて、品のある1着だ。
「古北でシャツを売っているところもたくさんあるけど、気に入ったデザインが見つけられなかったりしていて。
このシャツのお店は、2つのブランドのシャツのみを扱っているだけあって、モノがいいの!
値段も150~200元とお手ごろだし(笑)」。
使い始めるには少しハードルの高いタオバオだが、
「1回やり方を覚えれば大丈夫! 最初の1回は使ってる人に教えてもらうといいんじゃないかな」と、橋爪さん。
便利と安さを体験してみよう!
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街で買う前にタオバオ確認
「例えば街で見かけてこれ欲しいな、と思ったら、家に帰ってまずタオバオで検索しますね。
大抵同じか似たようなもので、より安いものが見つかるんです」
初めての買い物から半年で、約20品を購入。
「対応が早かったり丁寧だったり、感動するお店ばっかりですよ!
1カ所だけ微妙なお店があったんですけど、チェックの甘かった私の責任もあるかな」と、失敗は少ないそう。
その秘密は、「信頼度チェック」にあった。
信頼できる店で買う
「購入前に、石橋叩きまくってます。
商品選択時にまずするのは、記載通りの商品を約束する『如実描述』と、
7日以内返品OKの『七天退換』を保証しているショップに絞りこむこと。
さらに信用度の高い順に並べ替えて価格比較して、店主とチャットで在庫や気になる点を確認。
これで、大きな問題は防げると思いますね」
これに加え、さらに購入者レビュー「査看評价」のチェックも欠かさないというから相当な念の入れようだ。
また、商品購入後にはこんなエピソードもあったとか。
「足浴桶を買ったら、少しだけ水漏れがあって。
売主の評価を高・中・低のうちの『中』にしてコメント欄に『少し水漏れあり』って書いたら、
翌日店主から電話が!
『水漏れはこうしたら直るよ。直らなかったら、配送費僕負担で送り直すから言って。
だから、評価を高にしてほしい』って!
言う通りにしたら直ったので、もちろんすぐ再評価しました」。
信頼度を最初のフィルタリングで高めておくことで、失敗しない買い物ができる。
林さんの体験には、実感がこもっていた。
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オーダーメイドにも便利
?某大学に本科生として留学中のNさんは、タオバオを使い始めて約1年。
「これ、友人の代理購入なので開封はできないんですけど・・・」
と言って取り出したダンボール箱には、女性用の靴が入っているそう。
「オーダーメイドなんです。
足の幅や大きさに合わせて作ってくれるんですよ。これは60元くらいでした」。
オーダーメイドまでできるとは、タオバオのカバー範囲の広さに脱帽だ。
でも、質のほどは?
「オーダーメイド、結構いいんですよ。安いのに割と質もいいし。
コスプレ用の衣装を頼んだときは結構細かく指定して、難しいかな~と思いながら
1週間くらいでできますかって聞いたんです。
そしたら『やってみます』って言ってくれて、結局4日で届きました」
安くて早ければ、リピーター化するのも当然と言えるだろう。
しかし、オーダーメイドと言えばやりとりが難しそうだが、どうしているのかと尋ねてみると、
「チャットですね。簡単な中国語ができれば十分だと思いますよ」と頼もしい言葉が返ってきた。
レアなものもタオバオなら
「アニメが好きなので、買ってるものはそっち方面のものが多いですね。
カツラもブーツも木刀も、コスプレ用なんです(笑)。
そもそもタオバオを使ったきっかけは、中国のアニメマニア向けの雑誌を買ったこと。
市内でどうしても見つけられなくて」
街で見つけられないものも、全国規模のタオバオなら購入できる可能性がぐっと高まる。
「なんでもあるんです。この間は部屋を売ってるの見つけました(笑)。1800元でしたね」
まるでウィンドウショッピングのようなタオバオ。
使っている友人に頼んで、教えてもらおう!
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~上海ジャピオン4月30日/5月7日号より