素敵太太の上海生活

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乳幼児を抱えるママたちへ
日本の公民館を目指して

 現在、2歳2カ月の息子を持つ福井さん。
子育ての傍ら、昨年秋より古北で子育て応援サロン「KOUMINKAN」を主催している。
オープンしてわずか半年にも関わらず、250人ものママたちが会員になっているという。
 福井さんは、夫の転勤で2007年に来海し、出産のため08年1~8月まで日本に一時帰国。
再び上海に戻ってくると、今までとは景色が違ってみえた。
それは、乳幼児を連れて出かけられる場所があまりに少ないこと。
ショックを受けた。
 「オムツを替えたり授乳したりできる場所がすごく少なかったんです。
小さいお子さんを持つお母さん同士で集まれる場所があればな~と思ったのが、
KOUMINKANを開いたキッカケですね」
 そういう場所がなければ作ってしまおう、というのが、福井さんのスゴイ所だ。
自ら各語学学校やカルチャースクールなどに電話がけをし、コンセプトを説明して協力を仰いだ。
 「何かしていないと落ち着かなくって。大人しくしていられない性質なんです(笑)」
 現在の活動状況については、「人が人を呼ぶ」と、福井さんは語る。
会員のママたちは、元看護師や保育士、キャビンアテンダントなど、職歴もさまざま。
サロンでは、それぞれの経歴を有効活用し、お互いが講師となりセミナーやイベントも行っている。
 今後の展望については、
「今後は企業や教育機関と協力して、イベントなども開催していきたいです。
細く長く運営して、日本の公民館のようになるのが理想ですね」。
ますます賑やかになる上海で、ママたちのオアシスとなっていきそうだ。

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子どもたちに絵本を
日中の交流の場に

 幼児・児童向けの絵本や児童書を貸し出しするミニ図書館「虹文庫」。
ここで代表を務めているのが、坂口さんだ。
 坂口さんは現在、ご主人と、高校生の子ども2人との4人暮らし。
インターナショナルスクールに勤めるご主人の仕事の関係で、
上海に来る前はドイツで4年間暮らしていた。
 「私たちが暮らしていたドイツの街は、上海と違ってあまり日本人は住んでいませんでした。
そんな中、街にいた日本人夫婦が、自宅を開放して近所の子どもたちに週に1回、
日本の絵本の読み聞かせをやっていたんです。私も子どもを連れてよく行っていました」
 そして上海でも、今の虹文庫開設のための署名活動をしていた夫婦と出会う。
坂口さんはドイツで子どもたちと味わった楽しい絵本の時間を、
上海でも持つことが出来るなら…と、活動に参加するようになった。
 虹文庫から自宅が近いこともあり、最初は鍵の開け閉め役をすることに。
そのうち初期メンバーが次々と帰国していき、
坂口さんはあれよあれよと副代表、そして代表となった。
 代表の仕事は主に運営の流れを把握すること。
細かい作業は、会計・広報・イベント企画…と各担当に分かれたボランティアスタッフと進めていく。
 最初は500~1000冊だった本も、7周年を控えた今は6000冊以上。
カバーかけの作業が追いつかないほどだ。
 「ここ数年で中国でも日本の絵本の翻訳本がすごく増えてるんです。
これからもっと日中の親子が絵本を通じて交流できるような場になるといいな」
 自分が楽しいからやる。坂口さんの笑顔からは、忙しくも充実した暮らしぶりが伺えた。

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自分の好きなことを
子どもの日中交流

 1997年に発足したボランティアグループ「互人多(フレンド)」。
菅沼さんは、05年からここの事務局メンバーとして活動に参加している。
同グループは上海の駐在員太太さんが主なメンバーで、
中国の経済困難区に住む子どもの教育支援を行っている。
 菅沼さんは、昔から日本のNPO法人に所属しており、現在も理事を務めている。
と言っても、こちらで互人多に参加したキッカケは、友人の紹介で何となく…と、ごくごく普通だ。
 「上海でもボランティアをやるぞ! 
とか、そういう強い意気込みみたいなものは正直ありませんでした。
今、互人多でお手伝い頂いてる方にも、
『空いている時間で好きなこと・出来ること』をやってもらっているんですよ」
 毎週水曜に会代表の進士さん宅で開かれている手作り会を覗くと、その言葉が実感できる。
賑やかにおしゃべりしながらチャリティー販売用商品を製作する光景は、
まるで手芸サークルさながらだ。
縫うのが苦手な人も、簡単な生地の裁断など、各自出来ることを手分けして行う。
 ほかの主な活動は、バザーや各種講座、チャリティーコンサートの開催、
日中の子どもたちの交流を図るスタディツアーの催行など。
 これからの活動については、
「中国もここ10年ほどですごく変わりましたし、
変化に応じて支援の形も変えていく必要があると思います」とのこと。
今年も夏にはコンサートを開催し、秋には4校目となる互人多小学校の竣工式のため、
寧夏回族自治区海原県へスタディーツアーも兼ねて出かける。楽しくも慌しくなりそうだ。

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各種資格を武器に
未来の自分のため

 Chiyamiさんの履歴書は、資格欄がギッシリ埋まる。
中国語の資格はもちろんのこと、日本語教師、中国茶芸師、評茶員、
DECO CLAY、レカンフラワー、カラー…と、数のみならず、その分野も多岐に渡る。
北京と合わせてすでに10年以上中国生活を送っているChiyamiさん。
これらの資格は一部をのぞき、ほぼ全て中国で取得したものだ。
 「上海にいるからこそ、出来ることってあると思うんです。
日本だとなかなかこんなに自由な時間は取れないですしね」
 数ある資格の中でも、Chiyamiさんにとって一番影響を及ぼしたのはカラースクールだったという。
 「大げさでなく、本当に人生が変わりました。最初はただ単に、『色』って楽しそう…
という単純な動機だったんですけど、今では大切な人生のツールになっています」
 そんなChiyamiさんは、日々の生活をブログで綴る。
その独特のセンスは絶大な支持を得ており、1日平均2000アクセスもあるという。
ブログで書いた店から日本人客が増えたと感謝されたり、
紹介した日傘が、古北中に溢れたりしたことも。
まさに上海駐在太太さんのカリスマ的存在なのだ。
 「遅かれ早かれ日本には帰る予定なので、
これからは日本でも通用する色彩検定などの資格に挑戦するつもりです。
本帰国後はこちらで取得した資格を活かして、
自分でカルチャースクールを開きたいですね。難しいかもしれないですけど」
 上海生活ならではの利点をフルに活かし、新たなステップに進もうとしているChiyamiさん。
未来の自分のため、ひたすら走り続ける日々だ。

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日常を絵日記に
ブロガーさんと交流

 可愛いイラストと愉快な文章で大人気の絵日記ブログ。
それがムニエルさんの描く「ムニエル夫人のむにむにっき」だ。
 ムニエルさんにとって上海は、未知の土地。
ご主人の駐在が決まるまで、旅行先の選択肢にも入ることがなかったそうだ。
最初は来海を迷ったという。
 「何しろ上海のことは全く知らなかったので、
来る前から色んな方たちのブログをチェックして、情報収集しました」
 しかし上海に来て最初の4カ月は、友人も作らず、
スーパーとジムと家を往復する半引きこもり生活だった。
 ある日、これではいけないと奮い立ち、初めての絵日記ブログに挑戦することに。
熱狂的な嵐ファンでもあるムニエルさんは、
嵐にまつわるエトセトラや上海での日常を面白おかしく表現し、読者を惹きつける。
 「一番嬉しいのは読者の反応。ヘコんだ時には、過去のコメントを見て元気をもらいます」
 絵日記を描く上で一番時間がかかるのは似顔絵で、長い時には3時間かかるという。
その似顔絵の相手とは、主に上海のブロガーさんたちだ。
ブログテーマ「突撃! 隣の上海ブロガーさん」の記事では、
現在7人の上海ブロガーさんたちと、実際に会った様子を綴っている。
 「ブログはずっと続けたいですね。
上海のブロガーさんも最近どんどん増えているようなので、少しずつゆるやかに交流していければ…」
 控えめながらも確実に上海での世界を広げていくムニエルさん。
ブログの内容も、ますます濃くなっていきそうだ。

~上海ジャピオン6月25日号より

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