ドクター丸かじり:「治す」のではなく「協力」すること

Q1、まず先生の趣味を教えてください。
A、音楽を聴くことです。音楽ならジャンルを問わず何でも聴きます。それにコーヒーと本があれば幸せです。コーヒーの種類も特にこだわりはありませんが、鮮度が大事です。自宅で新鮮なコーヒー豆を挽いて、毎朝コーヒーブレイクを楽しんでいます。

Q2、どのような本をお読みになるのですか?
A、日本の本も読みますが、医療関係の本を読むことが多いです。中国には「医案」という医者の経験録をまとめた書があります。もちろん中国語で書かれたものですが、これが面白いですね。市内にある文廟で古本市をやっているのですが、そこで60年代の「医案」を入手しています。留学中からそこに通って、今でも時間があればのぞきに行くんですよ。

Q3、医者になったきっかけは何ですか?
A、父が頚椎を患っていて、私が小さい頃からよく整体に通っていたんです。そのため、整体というものが身近にあり興味を持っていました。それで整体の先生にどのように勉強されたのかと伺ったところ、中国で学んだということで、自分も中国で勉強したいと思うようになったんです。
 上海中医薬大に入学してからは、整体の枠だけにとらわれずに、中国医学全般を学びました。現在は、中医学、針灸、推拿など中西結合の治療を行っています。

Q4、では先生の目指す理想の医療とは?
A、患者さんの進む道をお手伝いすることです。中医学では、医者は「治療」するのではなく患者に「協力」するという考え方をします。薬を飲んでも効き目がなく、治療方法のない場合があります。こういった患者さんにどう向き合うかが大切なんですね。 
結局治すのは患者さん自身ですから。  

Q5、もし生まれ変われるとしたら何になりたいですか?
A、アフリカのコーヒー農場で働きたいです!これは、高校生の頃に見た映画「アウト オブ アフリカ」の影響を受けています(笑)。原作は「アフリカの日々」です。デンマークの伯爵夫人が、原地のアフリカ人を雇ってコーヒー農場を開く話です。大自然のゆったりした流れの中で過ごせれば最高ですね。

<健康の秘訣> 
 善悪を区別せず、何事も良い方向に転化させることです。自分の嫌いなもの、避けたいことをうまく調整していくことが大切だと思います。「病は気から」。気持ち次第で病気にはならないものです。

古川裕三
浦南医院国際医療センター住院医師
29歳・福島県出身

取材協力/浦南医院国際医療センター TEL:5094-5088

~上海ジャピオン2006年1月20日発行号より       

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