夜猫子の上海深夜散策

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深夜でも煌々と

〝終日営業書店〟2号店目として、今年4月にリニューアルオープンした「博庫書城 漫書咖城市生活館」。深夜に一際明るく輝く照明と、一面ガラス張りの外観で、路上からでも洗練された店内の様子が窺える。

ドアを開けて左手すぐにカフェスペース、そして高い棚を挟んだ奥には、書物の販売を行う。また雑貨販売コーナーも設けており、オシャレな文房具や一風かわったマスキングテープなど、思わぬ掘り出し物が見つかるかも。22時以降はカフェスペースと新刊・人気書籍コーナーを除くすべてのフロアが閉まってしまうので少し残念だが、それでも深夜までお喋りや読書に興じる若者たちで賑わいを見せる。

 カフェは軽食を提供

40席ほどある広々としたカフェスペースは、「ドリンク」(12元~)のほか、「ビール」(38元~)や「スナック類」(30元~)を提供しているのが魅力。ディナータイムまでは「パスタ」や「サンドイッチ」(各30元~)もオーダーできるから、読書目的以外で利用する人も多そうだ。実際店内には、本を読んでいる人はもちろん、サークルのミーティングや友人とのおしゃべりに花を咲かす人もちらほら見受けられる。オススメは店頭に平積みされた本。絵文字だけで構成されたユニークなものや、文字のデザインが美しい詩集など、気軽に手に取れるものが多いので、深夜の気分転換にぜひ立ち寄ってみて。

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時が止まったか のよう

上海きっての文化街に佇む書店「大衆書局」。前身の「思考楽書局」が2002年に店を構えて以来、14年間に渡り営業を続ける。24時間営業を始めたのは12年からで、当時〝上海初の24時間営業書店〟として話題を呼んだ。

ギシギシと軋む木の階段を上り、石庫門を模した入り口をくぐれば、そこに広がるのは〝昔ながらの〟本屋さん。店中央にレジカウンターと読書スペースを設け、そこをぐるりと囲むように本棚が並んでいる。ややホコリっぽい本屋独特の匂いや「読んだら元の位置に戻しましょう」といった手書きのポップ、立ちながら読書に耽る店員の姿は、本屋好きには堪らなく魅力的に映るはず。読書スペースでは学生が勉強していたり、若者がパソコンで作業をしていたりと、皆とても静か…まるで時が止まっているかのような空間だ。

 夜間は会員限定

4年間終日営業を続けてきた同店。実は今年3月から、防犯上の理由で21時~翌9時の入店を会員限定としている。これに関して賛否両論の声が挙がったが、「会員カード」は99元で同店の「カフェ無料券」(26元相当)3枚プレゼント、カード提示で本が1割引となり、とてもお得で、購入する人は少なくないと言う。この空間が気に入った人は、入会してみては?

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深夜の公園に突入

言わずと知れた市民公園「中山公園」。100年以上の歴史を誇るこの公園が、今年7月から24時間開放となった。深夜の散歩に持ってこいなのだけれど、果たして1人で歩いていても大丈夫なのだろうか…。深夜24時半、真夜中の公園を訪れてみた。

 万全のセキュリティ

細く開けられた正面ゲート横の詰所には、警備員のおじさんと警察犬が常駐。ウトウトとしているイヌを脇目に園内に入ると、一定の間隔で設置されている外灯がふんわりと光を落とし、予想以上に明るい。園内にはスケートボードやランニング、筋力トレーニングなど運動を楽しむ人たちが数人と、ベンチで愛を囁き合うカップルが数組。なるほど、確かにムード満点だ。

奥に進み、木々が覆い茂る中国庭園に入っても、外灯のおかげで視界良好。随所に設置されている赤いパトランプが光るスタンドは「緊急通報システム」で、有事の際はここで助けを呼ぶことができる。また園内には監視カメラが106台設置されており、警備員と警察犬が1時間に1回園内をパトロールしているんだとか。まさに高級マンションも顔負けの厳重な警備態勢。これなら飲み会でひとしきり騒いだ後、ほろ酔い気分でフラフラ歩いていても問題なさそうだ、と思った取材班だった…。

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~上海ジャピオン2016年11月4日号

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