事故に震災と、
不穏なニュースが次々と舞い込んだ2011年。
世界的にも大きな波紋を呼んだニュースを、
いま一度思い起こしてみることにしよう。
1位 中国版新幹線事故
上海南部の浙江省温州市付近で
7月23日(土)に起こった、
中国版新幹線(動車組)の衝突・脱線事故。
40人の死者が確認され、
負傷者は約200人にものぼった。
埋め立て作業を巡って行われた記者会見時に、
鉄道省関係者が発した
「至于?信不信、我反正信了
(信じるか信じないかは勝手だが、私は信じる)」
というセリフは、今年の流行語にもなった。
2位 東日本大震災の余波
今年、日本を大いに揺るがした東日本大震災。
日本の観測史上最大規模を記録した
東北地方太平洋沖地震は、
海を隔てた此処・上海でも、
長寧区や徐匯区、
虹口区など一部の区域で揺れを感じたほど。
幸い死傷者は確認されなかった。
そして中国に最も影響を与えたのが、
福島第1原子力発電所事故による放射線物質の漏洩。
一部でまだ続いている輸入規制や渡航自粛により、
日本食店や旅行会社などが大打撃を受けた。
さらに放射能防止には
食塩に含まれるヨウ素が有効だという説が広まり、
多くのスーパーやコンビニなどで、
食塩が売り切れる事態が発生。
騒ぎは数日で収束したものの、
余波が完全に静まるまでには、
まだ時間がかかりそうだ。
3位 10号線衝突事故
信号システムのエラーにより起こった、
列車衝突事故。
新幹線より身近な存在である軌道交通だけに、
日本の知人や家族から
安否確認の連絡が続々と来た人も多いのでは。
ともあれ、暗いニュースだけ振り返っていては、
気が滅入るばかり。
少し同情しながらも、
思わずふふっと笑ってしまう
とほほなニュースを顧みて、少し心を落ち着けよう。
1位 薬の副作用で出国NG?
数年経てば、誰でも少しは人相が変わるもの。
出国審査でパスポート写真と顔を見比べる際、
訝しげな顔をされた経験を持つ人も少なくないだろう。
しかし、今年の2月17日(木)に
日本へ向かおうとした四川省出身の女性の悲劇は、
群を抜いている。
彼女は甲状腺の病気の抑制剤を
大量に摂取した副作用で
顔がパンパンに腫れていたため、
同一人物とは頑として認められず、
あわや出国できなくなる騒ぎにまで発展したのだ。
その後、警察が各方面から確認をとった末、
無事旅立った彼女。
今頃は日本で元気に働いているのだろうか。
2位 カメラ泥棒が証明写真残す
泥棒と言えば、犯行後に指紋の拭き取りはモチロン、
時には放火までするほど、
証拠隠滅が何よりの鍵。
そんな中、
今年の夏に閘北区の写真館に現れた
カメラ泥棒のこの行為は、
あまりにも間が抜けていると言える。
3位 魚の骨が喉に、ご飯で悪化
日本でも民間療法として、
魚の骨がのどに刺さったら、
ご飯を飲み込むというものがある。
今年6月末、
楊浦区に住む20代の女性がそれを実行したところ、
飲み込んだご飯の圧迫によって
食道を突き抜けた魚の骨が気管を傷つけ、
呼吸困難に陥るという災難に見舞われた。
医学の進歩により、
昔は常識とされていた対処法が
実は間違っていたということは、
ままあるもの。
実際、魚の骨がのどに刺さった時は、
ご飯ではなくまずは水を飲むと良いそうだ。
?
古くから、愛は盲目とはよく言うものだが、
それに巻き込まれる周りは迷惑もいいところ。
その行為が突飛なほど、愛は深いのだろうか…?
1位 飛行機に爆弾と虚言
「飛行機の中に爆弾があるわ」――。
4月11日(月)13時頃、上海浦東空港に衝撃が走った。
しかし、その情報は全くの嘘八百。
26歳の女が空港で言い争いになった
恋人を引きとめるために通報したものだった。
これにより離陸が2時間以上の遅延。
同乗者には迷惑極まりない話だ。
結果、女は5日間の拘留処分となり、
一方、恋人の男性は予定通り旅立った。
その後、2人の関係がどうなったかは知る由もない。
2位 10年片思いで損害訴訟
10年間も片思いしていた女に、
車で自転車ごとぶつけられた。
何とも同情を禁じ得ないエピソードだが、
女の話では
男性が長期間にわたってストーカー行為を繰り返し、
盗撮していたというから、
自業自得なのかもしれない。
賠償金として184元を手にしたものの、
男性の思いは実らないまま。
判決が下されたのは今年だが、
事件が起こったのは2010年8月のこと。
今頃は男性が次の恋を見つけていることを
祈るばかりだ。
3位 不動産権利贈呈で結婚迫る
ウエディングドレス姿で彼氏に求婚する女性。
まるでドラマの撮影かと見紛うような
カップルの光景を捉えた動画が、
今年の夏頃ネットに上がり、話題をさらった。
自分の物理的条件を理由に一度は拒絶した男性だが、
女性が「不動産権利とか必要なものは私が持ってる」
と泣きながら訴えると、ついには跪いて求婚。
女性の押切ゴールと相成った。
?
事実は小説より奇なり。
常識ではあり得ない、
まるで作り話のようなびっくり仰天する出来事が、
今年も多発した。
1位 怪奇! 豚肉が発光!?
今冬、日本では青い「スライム肉まん」が流行したが、
それに先行して(?)今春、
浦東地区に住む女性が発見したのが、
青い蛍光色の豚肉。
市場で購入して、一部を餃子の餡に使用し、
残りを常温で保存しておいたところ、
夜中にピカピカと青く光っていたのだ。
市食品薬品監督局の分析によると、
原因は発光菌が肉に付着して繁殖したものとのこと。
人体には無害で、
食感にも影響はないということだが、
食べるにはかなりの勇気が必要だろう。
2位 空からお札が数千元
8月9日(火)、10日(水)の2日間にわたって
計3回起こった、
何ともバブリーな出来事。
夏休み中だったこともあり、
子どもたちも含めマンションの住民たちが、
こぞって100元紙幣を拾いにかかった。
過去にも世界各国で類似の事例はあるが、
それらの多くはビジネスの手法、
もしくは富豪の道楽。
今回に関しては結局、
誰が何の目的でやったのかは迷宮入りとなっている。
3位 スイカ爆発で大騒ぎ
江蘇省丹陽市で5月初旬から、
収穫前のスイカが次々に破裂する現象が起こった。
原因は
膨張促進・甘味増強剤の大量に使用していたため
だとされる。
国内だけでなく、
海外からも注目を受けたこの奇怪な出来事に、
メディアはこぞって〝地雷〟などと大々的に報道した。
そのとばっちりを受けたのが、
その名も「爆発スイカ」。
名前が名前だけに、価格の値下がりや、
一部では入荷停止に。
何とも気の毒なスイカだ。
最後は、主にネット上を中心に、
今年一躍ブレイクした人物を
2人ピックアップしてご紹介!
Hold住姐(Miss Lin)
今年8月、中国台湾のバラエティ番組
『大学生了没』に出演したのをきっかけに、
中華圏で一躍ブレイクしたのが、
このHold住姐ことMiss Lin。
中国語では、「hou1zhu4jie3」
と発音する。
自称・フランス帰りでファッションにうるさく、
英語と中国語を織り交ぜながら
オーバーリアクションで
自信満々に話すキャラを特徴とする。
愛称にもなった口癖
「Hold住」(コントロールする、耐える)
という言葉は、
ミニブログサイト「新浪微博」の
2011年流行語大賞に輝いた。
ブレイクをきっかけに芸能事務所に入り、
最近では、タクシーの車内広告にも登場。
12年もさらなる活躍が期待される。
北京大学校長・周其鳳
由緒正しき北京大学の校長が、
自身が作詞した
『化学是?、化学是我
(化学はあなた、化学はわたし)』で大ブレイク。
10月17日(月)にマイクロブログ「微博」で、
同大学の音楽サークルが歌う映像が
アップされるや否や、
1日も経たずして2万回以上もリツイートされた。
タイトルからして色んな想像をかきたてるが、
「給力(すごい)」など
ネット用語が使用されていたり、
「父と母が産んだあなたと私は、
ラララ化学の過程の結果~♪」
などという通俗な歌詞が並んでいたりと、
とても有名大学の校長が作詞したとは思い難い内容だ。
中国語の勉強がてら春節前の忘年会ネタに、
歌詞を覚えて歌ってみては?
~上海ジャピオン12月30日号