韓国の「トック」のような餅を揚げた小吃。
唐辛子をかけると味わい豊かに
シンプルイズベスト
今朝、中国人の同僚と朝食を食べたんです。
彼が、
良い店を知っていると言うのでそこに行くことに。
揚げ物を中心に何十年と続いているお店らしいです。
店に着いて、彼が注文してくれたのは「炸年糕」。
餅を揚げただけというシンプルなもの。
えらく簡単だなと思いながら、早速パクッ。
油っこくなくて唐辛子との相性も良く、
何個でも食べたくなりました。
すると、店の料理人と思しきおじさんが私に、
「簡単的好吧(簡単なのがいいよね)」と言って、
ピースサイン。
まるでシンプルイズベスト、
とでも言うかのようなこのおじさんを見ていて、
ある人物を思い出しました。
それは、日本のある寿司職人・小野二郎さんです。
『ジロー・ドリームズ・オブ・スシ』
という映画でこの方を知ったのですが、
86歳で、
ミシュラン3ツ星最高齢料理人として
ギネスブックに認定されたんです。
映画では素朴ながら
味に奥行きのある寿司を出すことに全力を注ぐ、
という小野さんの寿司への情熱を感じました。
もちろん、
「炸年糕」と寿司は別物ですが、
毎日餅をこねるところから始め、
揚げ時間も正確に、
絶妙なタイミングで鍋から上げているんです。
このシンプルな「炸年糕」職人がミシュランに…
なんて妄想している間に、
同僚に急かされ、会社に向かいました。
~上海ジャピオン2012年6月29日号