鬼嫁を想う愛深き旦那
張青(ちょうせい)
ゆかりの地 安徽省黄山市
あだ名 菜園子
職業 料理店経営
宿星 地刑星
河南省焦作市孟州市出身。
人肉マントウの店を営む孫二娘(そんじじょう)の夫。
放浪先で対決した男の娘、孫二娘と結婚し、
夫婦で料理屋を開いた。
その後、来店した武松、魯智深らの勧めで入山する。
最期は方臘の戦い、歙州戦で、妻とともに戦死。
破天荒な妻を支える夫
知られざる妻の過去
張青は、孟州(現河南省焦作市孟州市)で料理屋を営む。
かつて、寺で野菜畑の番人をしていたことから、
「菜園子(さいえんし)」と呼ばれたが、
些細な事で住職を殺し、強盗に身を落とす。
そしてある日、張青は獲物にある老人を選ぶ。
しかしこの老人が思いのほか腕が立ち、
張青の方が打ち負かされてしまった。
ところが老人は張青を気に入り、娘婿にと迎え入れる。
その娘こそ、恐怖の人肉マントウで知られる、
孫二娘(そんじじょう)であった。
昔ながらの街並みが残る徽城鎮。
歙県(きゅうけん)の中心部に位置し、硯の産地として有名
そんなある日、張青が街から戻ると、
孫二娘が武松に殺されそうになっていた。
彼女は、相手が武松と知らず、
手に掛けようとして返り討ちに遭ったのだ。
張青は何とか武松の怒りを鎮めようと、必死に謝罪する。
彼は、見境なく人を殺す孫二娘に手を焼きつつも、
母を賊徒に殺され、賊徒への報復の機を窺って暮らす
彼女を愛していたのだった。
またその後、役人に追われて村に逃げ込んだ武松を助けたことで、
武松の兄貴分である魯智深から、入山を勧められる。
賊徒はなかなか現れないし、このまま店をやっていても仕方がないと、
張青は孫二娘を説得して入山。
その後、任されたのは山塞の料理店経営で、
2人は諜報機関でもあるこの店を営む傍ら、
夫婦で戦に出て、手柄を立てる。
物語では孫二娘の活躍が多かったが、
その陰で、常に嫁を支える夫の姿があった。
黄山。標高1864mを誇る。
怪石、奇松、雲海、温泉は「黄山四絶(黄山の4絶景)」と呼ばれる
張青が最後に倒れた安徽省黄山市徽州(きしゅう)。
かつては、文化都市として賑わいを見せ、
京劇のもとになった「徽劇」が有名だ。
この地を訪れ、徽劇で鮮やかに描かれる
『水滸伝』を楽しみたいものだ。
【アクセス】
①上海虹橋空港から空路にて黄山屯溪空港まで約1時間
②上海駅から黄山駅まで、快速列車で約11時間半、硬座93元
~上海ジャピオン2013年4月12日号