選食空間 屋里香食府・芸術沙竜―アートサロンレストラン―

File No.05
Cantoniese

屋里香食府・芸術沙竜―アートサロンレストラン―

ハンドメイドの世界
 「屋内より香る」という意味をもつ「屋里香」。上海の集合住宅「弄堂(ノンタン)」で育った兄弟がオーナーを務めるこの店は、老上海の母の味に出会える家庭料理の店だ。
 店内はわずか9テーブル。元は親戚が住んでいたという老房子を、芸術家でもある兄が、上海ならではの中西折衷空間へと改装した。アンティーク家具やオーダーメイドのシャンデリア、さらに兄手作りの紅木家具が店内を飾る。
 ふたつとないこの空間と、徹底的にこだわる老上海の味が「上海タトラーベストレストラン」を3年連続受賞した所以だ。

1.ハンドメイドの紅木家具や中国風のテーブルクロスが温かみを添える

老弄堂の母の味
 干しエビを敷き詰めたしょっぱく甘い「大家都富(28元)」、紹興酒の香るこってりとした「紅米五花肉(48元)」。こうした濃厚な味付けこそが、昔ながらの上海家庭料理。
 同店の味付けの核である兄は、10歳の頃から弄堂で「上海の母」たちに教わりながらこの味を覚え、高級烹調師の技術を身に付けることで、より確かなものとした。こうして培われた味と、素材ひとつ作り方ひとつ妥協しない姿勢が、夜には予約なしでは席につけないほどの人気を生み出す。静かにゆっくりと味わえる。ここはそんな一軒だ。

2.ニンニクと酢でさっぱりと味付けた「涼拌茄子(28元)」

3.骨がほとんどなく、こってりとした砂糖醤油味が香ばしい「紅焼黄魚(68元)」


住所: 南昌路164号
電話: 5306-5462
営業時間: ランチ 11時半~14時、ディナー17時半~22時、金~日は23時まで
予算: 150元前後
席数: 9テーブル
※12歳以下のお子様はご遠慮下さい

~上海ジャピオン5月30日発行号より

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