オススメポイント
同作は、中国の著名作家として知られる霍達の長編小説です。自身も回族である彼女が描くのは、とある回族一家の悲劇。1960年、3世代に渡って家族が経験する出会いと別れの数々が紡がれています。
56の少数民族を有する我が国を理解するうえで、同作はとても参考になるでしょう。中でも特徴が顕著に見られるのは、冠婚葬祭の場面ですね。これらの風習は、我々中国人も初めて知るような内容がたくさんありますよ。
時代の変化に踊らされながらも、家族を思う愛情などが丁寧に描かれ、心を揺さぶられることは間違いないでしょう。
回族の家族を襲う悲劇の物語
貧しい老舗翡翠細工屋「奇珍斎」の主人・梁亦清には、2人の娘がいました。ある日店を訪れた韓子奇は、不注意で店内の商品を壊してしまい、弁償する代わりに弟子入りを懇願します。
韓子奇は主人と一緒に3年の歳月を掛けて大作を完成させるのですが、思いも寄らず主人が翡翠の上に倒れ込み、作品は大破、主人も命を失います。これが仕組まれたことであったことを知った韓子奇は、報復を決意するのですが…。
~上海ジャピオン2014年2月14日号