老師のイントロ読書~『囲城』

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オススメポイント

同作の舞台は1930年代。「結婚」を「囲城(壁で囲まれた中国の街)」に見立て、当時の中国社会や知識人たちの姿を風刺的に描き出した小説です。作中に登場するセリフ「籠の外の鳥は中で暮らしたいし、籠の中の鳥は飛んでいたい」は物語を象徴する一節となっています。

物語は恋愛、結婚に焦点を当て、主人公・方鴻漸の挫折を描きます。享楽的な近代青年の卑小な実態や、社会の本質が見事に捉えられているほか、半世紀における中国語の変化を感じられるのが興味深いところ。言語学の観点からも、価値の高い1冊と言えるでしょう。

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男女間の愛の包囲とそこからの脱却

1937年夏、主人公・方鴻漸はヨーロッパ留学からの帰路に就いた。その後上海や故郷など、次々と生活の場を変えながら、恋愛、就職、結婚すべてにおいて挫折を繰り返す。

新旧の価値観が入り乱れていた激動の時代を背景に、旧知識層であった父との確執や、男女間の愛の形、そしてそこからの脱却を目指す方鴻漸だったが…。

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~上海ジャピオン2014年4月4日号

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