オススメポイント

同作は、中国の司馬遼太郎と呼ばれる余秋雨による散文集です。世界的に著名な文化歴史学者でもある筆者が、西域、江南、長江三峡など中国各地の文化古跡を訪ね、その悠久の歴史と風土を、現代的な視点から考察していきます。

各章は、土地・人物をテーマに取り上げ、それに関する深い知識と、豊かな教養に裏打ちされた著者自身の心情が重なり合う、香り高い随筆に仕上がっています。『余秋雨の文化苦旅』として邦訳もされているので、中国語版と併せて読めば、理解も深まるでしょう。

中国の〝司馬遼太郎〟による紀行文

1992年に出版された、著者の初となる散文集。80年代、上海戯劇学院の院長を辞職した後、中国国内外を旅する中で、清濁合わせ持つ巨大な中国文化に正面から向かい合います。

敦煌の遺跡、莫高窟にある異質な佇まいの道士の墓や、シンガポールで誰からも忘れられたようにひっそりと存在する日本人墓地など。著者はそこで何を見、何を思ったのか…感性豊かな表現力で綴られます。

～上海ジャピオン２０１４年４月１８日号