玄関スペースがお気に入り
今回は池田さんからの紹介で、自分でデザインした居心地のいい部屋にお住まいの杉原さん宅を訪問する。
マイホームを自らデザイン 至る所にセンスがキラリ
玄関をくぐると、目の前には白と茶でコーディネイトしたナチュラルな空間が広がる。この部屋に暮らすのは杉原香さんご一家。香さんは、8年前に中国人のご主人と結婚し、2年半前に念願のマイホームを手に入れた。
新居の内装は、香さんがデザインした。「もともとインテリアに関することが好きだったので、大変でしたがとても楽しい作業でした」と香さん。彼女の工夫は、家中のあちこちに凝らされている。
例えば台所。香さんは、中国では珍しいオープンキッチンを採用した。カウンター付きのキッチンは、作業がしやすく開放的な雰囲気に仕上がった。
中でも一番のお気に入りは、玄関スペース。中国では、玄関を入るといきなりリビングというのが一般的だが、香さんは、ずっとこれに違和感があった。そこで、部屋全体を一段高くすることによって、玄関に三和土(たたき)を作り出したのだ。内と外のメリハリがつき使い勝手も抜群。さらに、三和土を囲うように、靴箱を兼ねた大工お手製の格子の間仕切りを配置し、独立した玄関スペースが完成した。
いいものを作る秘訣は 職人さんとの信頼関係
最も大変だったのは、資材の選定と調達。
中国ではすべて自分で行わなければならず、週末ごとに資材屋をはしごした。それでも、「どの資材も選択肢がありすぎて苦労しました。でも、おかげでこだわりを追及することができ、仕上がりには満足しています」とにっこり。
そんなこだわりの部屋を前に香さんは、「一番大切なのは、大工さんとのコミュニケーション。
いろいろ注文をつけたので、『うるさい施主』だったかもしれません。ですが、徐々に以心伝心で作業が進むようになりました」と説明する。
香さんが、職人とどのような信頼関係を築けたのかは、自宅の居心地のよさが物語っている。
(人物写真)左 真朝くん 中央 杉原香さん 右 珠華ちゃん
(写真右上)趣味のミニチュアがズラリ
(写真右下)開放感たっぷりのオープンキッチン
今週の物件情報
地区:閔行区
間取り:3LDK/144平米
家賃:持ち家
築年数:3年
サービス:オートロック、NHKワールド
交通:バス停徒歩1分
⇒NEXT WEEK
友人の加固さん宅にはエレクトーンがあるんです。嫁入り道具として持ってきた大切なものだそうです。
~上海ジャピオン7月28日発行号より