上海市食品薬品監督管理局は、最近、ムシロガイの食中毒事件の
多発を受け、同食品の加工及び販売の禁止を通達した。
ムシロガイは、格子模様を持つマキガイの1種で、浙江省や福建省、広東省
沿岸に生息する。
貝自体には毒性はないが、魚など腐敗した死骸を食すため、胃の中にフグ毒
と同様の毒素・テトロドトキシンが残留し、食べると眩暈や嘔吐、口や手指
の痺れなどを引き起こす。
潜伏期間は5分~4時間と幅広く、有効な解毒剤はないとされる。
浙江省温州市では7月12日(木)までに、21人が同貝を食べて食中毒を引き
起こし、うち1人が死亡。
調査により、食用とされる7種類のムシロガイに毒性があることが判明して
いた。
なお、上海市の銅川水産市場や東方国際水産中心など、市内の規模の大きな
水産市場では、ムシロガイの販売は行われていない模様。
(7月23日)
~上海ジャピオン2012年7月27日号