ゴンバオジーディン
宮保鶏丁
~山東省済南市~
四川料理以外のレストランでも見かけることの多い「宮保鶏丁」。1皿20元程度
食通官僚の大好物
研究に研究を重ねて
さいの目に切った鶏肉とピーナッツを唐辛子で甘辛く炒めた「宮保鶏丁」。
代表的な四川料理として知られるが、そのルーツは意外にも、山東省済南市にあったのだ。
時は清朝末期。丁宝楨(ていほうてい)という進士が、山東省済南市の官僚に任命された。
彼は食に対するこだわりが強く、地方へ行けばその土地の名物を食べ歩いていた。
もちろん、済南の特産物も一通り試した。
そんなある日、湖のほとりを散歩していた彼は、突如空腹に襲われる。
そこで近くにあった1軒の家を訪れ、食事を頂くことにした。
その家で用意された料理の中に、「爆炒鶏丁」という鶏肉とピーナッツを炒めた料理があった。
彼はその美味さに大層感激し、作った男をお抱えコックとして招いたという。
市内各地の泉から水が流れ込む大明湖
これが今の「宮保鶏丁」の原型なのだが、この時のものは胡椒が加えられており、辛くなかった。
唐辛子で辛く味付けされるようになったのは、丁宝楨が後に四川省の総督となった時、
好物の「爆炒鶏丁」に四川省の特徴を加え、さらに改良したからだ。
この調理法が周りの人々へも広まり、四川の名物料理として知られるようになった。
そして丁宝楨の死後、彼の官職名である「宮保」をとって、「宮保鶏丁」と名付けられたのだ。
ちなみに同料理は、「宮爆鶏丁」と表記されていることも多い。
中国語で「爆」は「強い火力で炒める」という意味なので、
発音が同じ「保」の代わりに使用されはじめ、定着していったのだ。
辛い料理は少し苦手という人も、済南で辛くない宮保鶏丁を味わってみよう。
【アクセス】
①上海虹橋空港から済南遥墻空港まで飛行機で約1時間20分
②上海駅または上海南駅から空調特快で約9時間、
硬座110元~、動車組(新幹線)で約8時間、二等座席300元~
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~上海ジャピオン8月13日号より