食道をゆく 第26回 獅子頭

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シーズトウ
獅子頭
~江蘇省揚州市~

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獅子頭は1個10元程度

獅子の頭にかぶりつく!?
揚州の名景を再現

 ネーミングの通り獅子の頭…とまではいかないが、こぶし大はあるビッグな肉団子・獅子頭。
あっさりとスープにしたり、醤油煮込みにしたりして食べられる。
このダイナミックな料理が誕生したのは、今から1400年ほど遡る、隋の時代だった。
 ある年、隋の第2代皇帝である煬帝(ようだい)が、后妃の蕭嬪(しょうひん)を連れてドラゴンボートに乗り、
1000艘もの船を引き連れて都の北京から杭州までを結ぶ大運河を南下していた。
その時に揚州で訪れた、「万松山」、「金銭?」、「象牙林」、「葵花崗」
という当時の揚州4大名景が特に印象に残ったという。
 都に戻ってからもこの4大名景が恋しくなった煬帝は、この4大名景にちなんだ料理を作るよう言いつけた。
そこで料理人たちは、苦心の末、
「松鼠桂魚」、「金銭蝦餅」、「象芽鶏条」、「葵花斬肉」という4つの料理を作り出したのだ。
煬帝はたいそう喜んで宴を開き、その後もこの4品は、揚州料理として民間にも広まっていったのだ。

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煬帝が整備したものとして有名な京杭大運河は、総延長2500kmに及ぶ

 そして唐代になったある日、?(しゅん)国の太守であった韋陟(いちょく)が、
客を招いて宴を開くことになり、例の4品を準備させたのだ。
 ある客が「葵花斬肉」を出された時、これは獅子の頭のようだと言い出した。
すると周りの客も韋陟の軍事功績はまさに獅子のようだと褒め称えた。
気分を良くした韋陟は、
「それでは今日という日を祝し、今後はこの料理を〝獅子頭〟と名づけよう」
と言い、改めて揚州料理として広まっていったのだ。
 食べ応えのあるこの料理。
本場で豪快にかぶりつこう。

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【アクセス】
上海南駅から揚州駅まで、空調快速で約5時間、63元~

~上海ジャピオン4月16日号より

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