チャイナ地理塾:新疆ウイグル自治区

1.ユーラシアのおへそ

 新疆ウイグル自治区は、中国の全省・自治区の中で一番大きいんだ。面積は日本の約4.5倍もあるんだよ。首府のウルムチ市はユーラシア大陸の真ん中に位置していて、東西南北どの海からも2300キロ以上離れている。「世界で一番海から遠い都市」なんだ。
自治区の中は、砂漠やオアシス、高原、草原、高山と地勢も様々。気候は典型的な大陸性気候で、昼夜や季節の気温差がとても激しい。例えば、トルファンという都市の最高気温の記録は48.9℃。逆に寒いときにはマイナス28℃まで下がったこともあるんだよ。空気もとっても乾燥していて、年間平均降水量は145ミリ。日本のたった10分の1しかないんだ。とても厳しい自然環境を持つ地区なんだね。

2.パスタの祖先?!

 新疆の主食は小麦粉。ここには小麦粉を使った料理がたくさんあるよ。例えば、卵、牛乳、油などの材料と練り合わせて焼く香ばしいナン。水餃子、肉まんとよく似た料理もある。ただし、イスラム教徒の多い新疆では、使う肉は豚ではなく全て羊の肉なんだ。
 その中でも多くの人に好まれているのが「ラグマン」という麺料理。これは、小麦粉を水でこね、細く伸ばして茹でた麺に、ソースをかけたもの。ソースは、羊肉と季節の野菜をたっぷりのトマトで煮込んで作る。このソースと麺がシルクロードを辿り西に伝わってミートソースやパスタのもとになった、という説もあるんだよ。「ラグマン」の名前の由来については、中国の「拉面(ラーメン)」がなまったものとも言われているけど、真偽のほどは定かではないんだ。

3.日曜はショッピング

 新疆の民族色あふれる日常生活を一番手軽に覗けるのがバザール。新疆の各都市では日曜日になると、周囲の地域からたくさんの人とものが集まって、バザールが開かれる。当日は町中の人が出てきたんじゃないかと思うくらい、大変な賑わいだよ。
バザールで売られているのは、日用品もあれば、帽子や民族衣装、ナイフ、布、絨毯などの工芸品もある。牛や馬、羊など、生きたままの家畜を売っていたりもするよ。ずらっと並ぶ屋台も楽しみのひとつだね。羊肉の串焼きをはじめ、新疆の特色あふれる料理を安価で食べられるんだ。

新疆ウイグル自治区ってどんなとこ?

全省・自治区の中で最大の面積を持つ。ウイグル族を主とした少数民族が半数以上を占める。文化も中央アジア色が濃い。

【人口】2,010.35万人
【面積】165万km2
【省都】ウルムチ
【民族の割合】漢族40.6% その他民族59.4%
【平均寿命】67.41歳
【都市部平均年収】8,100元(約121,500円)
【農村部平均年収】2,482元(約37,230円)

■次回予告■雲南省

①現存する最古のプーアル茶は何年物?
②雲南名物、橋を渡るビーフンって何?
③ナシ族が今も使う、世界唯一の文字って?

~上海ジャピオン3月2日発行号より

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