水滸巡礼~108の足跡~湯隆(とうりゅう)

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あばた面の刀鍛冶
湯隆(とうりゅう)
ゆかりの地 陝西省延安市
あだ名 金銭豹子
職業 武器甲冑製造
宿星 地孤星

陝西省延安市出身。
先祖代々、刀鍛冶の家柄で、
父親は刀工でありながら、
政治拠点の延安府の役人を務めていた。
湯隆は家業を継ぎ、
刀鍛冶と賭博で生計を立てたが、
梁山泊の李逵らと出会ったことをきっかけに入山。
最期は方臘の戦いにて戦死。

梁山泊唯一の武器職人
乱暴者、李逵との腕比べ
湯隆は、陝西省延安府の刀工。
博打に手を出し、全財産をそれにつぎ込んだ結果、
次第に落ちぶれ、その日暮らしをするようになる。
金属を扱う職で、身体じゅうが豹柄のような
あばただらけだったことから、
「金銭豹子」と呼ばれていた。

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黄土高原。
4世紀以来、黄土が堆積してできた高原で、
規模は山西、甘粛、青海省にも及ぶ

湯隆はある日、
街中で棒の先に瓜形の鉄球がついた
「鉄瓜鎚(てっかつい)」なる武器を振り回していた。
重さ約20㌔もあるこの鉄爪鎚で、
路傍の石を打ち砕き、見物人たちを感心させたが、
そこに、梁山泊きっての暴れ者、
李逵(りき)が現れる。
李逵が湯隆の鉄爪鎚を奪い取ろうとしたので、
いきなり手を出すとは何事か、と咎めた。
李逵は、湯隆の腕を大したものではない、
自分が手本を見せてやる、
と鉄爪鎚を取って振り回して見せた。
いくら振り回しても
疲れる素振りを見せない李逵を見て、
湯隆は素直に負けを認めた。
相手が梁山泊の李逵であることを知った湯隆は驚いたが、
李逵もこの時、湯隆が刀匠であることを知る。
武器が足りない梁山泊にとって、
刀鍛冶は不可欠な存在。
李逵はすぐさま湯隆に入山を請うた。
その後、呼延灼の77戦いで、
梁山泊を苦しめた戦法「連環馬」を破る手段として、
湯隆は自作の「鈎鎌鎗(こうれんそう)」の使用を進言し、
勝利に導く。
武器作りのみならず、実戦でも活躍し、
一目置かれる存在となった。

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延安市宜川県に位置する壺口瀑布。
中国で2番目の規模を誇る滝として知られる

湯隆が生まれた陝西省延安市。
黄河の上、中流域に広がる高原、
黄土高原の中部に位置し、
壺口瀑布や宝塔山など、多くの観光地を有する。
鉱物資源豊かな場所として知られる
この地に足を踏み入れれば、
湯隆の刀を打つ音が聞こえてきそうだ。

アクセス
①上海浦東国際空港から空路にて
延安二十里鋪空港まで、約4時間
②上海駅から延安駅まで
空調快速列車で約23時間半、硬座208元

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~上海ジャピオン2012年12月28日号

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