あばた面の刀鍛冶
湯隆(とうりゅう)
ゆかりの地 陝西省延安市
あだ名 金銭豹子
職業 武器甲冑製造
宿星 地孤星
陝西省延安市出身。
先祖代々、刀鍛冶の家柄で、
父親は刀工でありながら、
政治拠点の延安府の役人を務めていた。
湯隆は家業を継ぎ、
刀鍛冶と賭博で生計を立てたが、
梁山泊の李逵らと出会ったことをきっかけに入山。
最期は方臘の戦いにて戦死。
梁山泊唯一の武器職人
乱暴者、李逵との腕比べ
湯隆は、陝西省延安府の刀工。
博打に手を出し、全財産をそれにつぎ込んだ結果、
次第に落ちぶれ、その日暮らしをするようになる。
金属を扱う職で、身体じゅうが豹柄のような
あばただらけだったことから、
「金銭豹子」と呼ばれていた。
黄土高原。
4世紀以来、黄土が堆積してできた高原で、
規模は山西、甘粛、青海省にも及ぶ
湯隆はある日、
街中で棒の先に瓜形の鉄球がついた
「鉄瓜鎚(てっかつい)」なる武器を振り回していた。
重さ約20㌔もあるこの鉄爪鎚で、
路傍の石を打ち砕き、見物人たちを感心させたが、
そこに、梁山泊きっての暴れ者、
李逵(りき)が現れる。
李逵が湯隆の鉄爪鎚を奪い取ろうとしたので、
いきなり手を出すとは何事か、と咎めた。
李逵は、湯隆の腕を大したものではない、
自分が手本を見せてやる、
と鉄爪鎚を取って振り回して見せた。
いくら振り回しても
疲れる素振りを見せない李逵を見て、
湯隆は素直に負けを認めた。
相手が梁山泊の李逵であることを知った湯隆は驚いたが、
李逵もこの時、湯隆が刀匠であることを知る。
武器が足りない梁山泊にとって、
刀鍛冶は不可欠な存在。
李逵はすぐさま湯隆に入山を請うた。
その後、呼延灼の77戦いで、
梁山泊を苦しめた戦法「連環馬」を破る手段として、
湯隆は自作の「鈎鎌鎗(こうれんそう)」の使用を進言し、
勝利に導く。
武器作りのみならず、実戦でも活躍し、
一目置かれる存在となった。
延安市宜川県に位置する壺口瀑布。
中国で2番目の規模を誇る滝として知られる
湯隆が生まれた陝西省延安市。
黄河の上、中流域に広がる高原、
黄土高原の中部に位置し、
壺口瀑布や宝塔山など、多くの観光地を有する。
鉱物資源豊かな場所として知られる
この地に足を踏み入れれば、
湯隆の刀を打つ音が聞こえてきそうだ。
アクセス
①上海浦東国際空港から空路にて
延安二十里鋪空港まで、約4時間
②上海駅から延安駅まで
空調快速列車で約23時間半、硬座208元
~上海ジャピオン2012年12月28日号