烈火のごとく怒れる猛将
秦明（しんめい）

ゆかりの地　重慶市開県
あだ名　霹靂火
職業　騎馬隊隊長
宿星　天猛星

重慶市開県出身。
元々青州（現山東省青州市）の長官だったが、
宋江らの計略で入山。梁山泊の「五虎大将」の1人に数えられ、
呼延灼とは互角に渡り合う腕前を持つ。
直情的な性格だが、部下の信頼は厚かった。
最期は、方臘の戦いで敵将の戟を受け戦死。

運命に翻弄された猛将
戦場に鳴り響く狼牙棒
秦明は、青州軍（現山東省青州市）の元長官。
武勇の誉れ高い丈夫で、「狼牙棒（ろうがぼう）」という
棘の付いた武器を得物とし、敵の兜や鎧ごと叩き潰すことができた。
勇猛だが、短気かつ剛直な性格の持ち主で、
雷のように大きな怒声を発したことから、
「霹靂火（へきれきか）」と呼ばれた。

漢豊湖。長江デルタ建設に伴ってできた人造湖で、
湖中には大小様々な40以上の島がある

秦明はある日、青州の知事から、清風山にいる
宋江と花栄（かえい）を謀反の罪で
捕えるよう命じられたが、失敗。
下山し青州府に戻ったが、そこで焼き払われた家々と
民たちの死体に遭遇する。
聞くと、秦明の軍らしき一団が街を襲ったという。
身に覚えのない秦明だったが、
知事からは裏切り者として扱われ、
女房が処刑されてしまった。
行き場を失った彼は、再び清風山を訪ね、
ここで、街を襲ったのは、軍を装った清風山の山賊で、
すべては、梁山泊が彼を仲間に入れるための作戦だったことを知る。
秦明は血を吐くほどの怒りを覚え、宋江から、
世に不義を働いているは青州府の方であることを聞き、
仲間に入ることを決めた。
その後は、騎馬隊先鋒を務め、度々一騎打ちで勝った。
高唐の戦いでは、敵将を一撃で破り、
幽州の戦いでも、狼牙棒で敵将の頭を打ち砕くなど、
無類の強さを発揮してゆく。

開県北東部に位置する花仙峡。
峡谷は全長8km。色とりどりの花が咲き、
奇岩、怪石など独特の景観で有名

秦明の故郷と言われる、重慶市開県。
唐代から繁栄し、１８００年以上の歴史を持つこの地は、
「挙子の郷（逸材を生み出す地）」と呼ばれ、
多くの名人物を輩出してきた。
霹靂火と呼ばれ、怯むことなく戦い続けた秦明も、
挙子と呼ばれるにふさわしい人物だったと思われる。

【アクセス】
①上海虹橋/浦東空港から空路にて重慶江北空港まで約2時間半
②上海駅から重慶北駅まで、快速列車で約25時間半、硬座246元

～上海ジャピオン２０１３年５月１０日号