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豪華なオルゴールに驚嘆!
極上の音色で最後の晩餐を
男「はぁ…、あ~あ」
女「どうしたの? ため息ついて。幸せが逃げていくわよ」
男「今日、辞令が出たんだ」
女「辞令? まさか帰任が決まったの?」
男「うん、そうなんだ。今月末で帰国しろって」
女「え~何でそんな急なの。全然そんな話なかったじゃない」
男「僕も寝耳に水だよ」
女「あ~。料理教室とか旅行とか、まだ中国でいろいろやりたいことたくさんあるのに~」
男「そう言うなって」
女「言いたくもなるわよ。昨日、よさげな場所見つけたけど、もう行く時間ないわね、きっと」
男「どこ?」
女「浦東の東方芸術中心内にあるオルゴールミュージアムよ」
男「オルゴール? あの箱の蓋開けたら音が鳴るやつ?」
女「何、その陳腐な言い方。
そこにも展示されてるんだけど、オルゴールって、ジュークボックスみたいに大きいのから、
嗅ぎタバコ入れやカギに付いた小さなものまで、いろんな種類のものがあるって知ってる?」
男「ふ~ん」
女「何だか興味なさげね。そこにあるオルゴールって、ほとんどが100年以上前のふる~いもので、
何でも、1つのオルゴールで家が建つって話よ」
男「どんだけ~。音もめちゃくちゃすごいんだろうな」
女「でしょうね。前にCDでアンティーク・オルゴールの曲聴いたけど、とっても癒されたわ。
それが生で聴けると思うだけで、ワクワクするわね」
男「そんな貴重なものを聴かせてくれるわけないだろ」
女「係員が特徴を説明してくれるし、鳴らしてくれるの!」
男「えっ、ホントに? すげ~」
女「行きたくなったでしょ」
男「べ、別に興味ないね」
女「はいはい。強がってなさい」
男「ふん。音だけ聴いてるんじゃ物足りないよ。何か見て楽しめるオルゴールってないの?」
女「そうね。オルゴールの音に合わせて、ピエロが大道芸を披露するものとか、人形が絵を描くものとか、
からくりオルゴールがたくさんあるみたいよ」
男「お~、それを早く言ってよ。ほかには、ほかには?」
女「あなたって、そういう遊び心あるおもちゃ系が大好きよね。
じゃあ、日本の茶運び人形や、19世紀に作られたブリキのおもちゃの展示ってどう?」
男「いいね~。もう引っ越しの準備せずに、デートしよっか」
女「やった~♪ デートの〆は、同じ建物の中にあるフレンチレストランのディナーにしましょ。
アンティーク・オルゴールがたくさん飾られてて、実際に好きなオルゴールの曲を聴けるんだって」
男「オルゴールの音色を楽しみながら、フレンチで上海最後の晩餐か。悪くないね。
よし、最高の想い出作りに行こう!」
住所: 丁香路425号東方芸術中心4階(×世紀大道)
電話: 6854-7647、6854-7629
時間: 10時半~18時
料金: 50元
休館日: なし
アクセス: 地下鉄2号線「上海科技館駅」1、2、7、8番出口より世紀大道を西へ徒歩3分。
丁香路を北に曲がり、さらに徒歩2分
~上海ジャピオン6月12日号より