青々と広がる竹林
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。
昨日食べた衡陽名物「宝塔香腰」は、酸っぱくてしょっぱくてピリ辛で、なんだかオレの初恋みたいな味がしたぜ、はぁ。さあ今日も走りますか。
なんでこんなおセンチな気分なのかというと、もうすぐこの道も終点だから。107号自体は広州市まで続いてるんだけど、
郴州市を越えた辺りで高速道路と一緒になっちゃうから、マイバイクで走れるのはそこまでってわけ。寂しいけど、今日で完走してやるぜ。
っと、なんだなんだ、周囲がザワザワと騒がしいのはオレが去るのを惜しんでるのか? なるほど、ここら一帯は全部竹林なのか。
そういえばここも中国で一番デカい〝樹海〟ならぬ〝竹海〟、「蔡倫竹海」の一部だっけ。山の上から見ると絶景なんだろうなー。
〝天然の酸素バー〟なんて呼ばれてるから、今のうちにおいしい空気をいっぱい吸っておこう。
ギンギラギンの思い出
さて、最後の街「郴州市」到着。うーむ、最後の街らしい風情に溢れている。山水画っぽい風景が広がる「東江湖風景旅遊区」で手漕ぎ船にでも乗って、旅の終わりを惜しみますか…
あれ? なんだあのキラキラ輝く城みたいな建物は? 間近で見ると目が眩みそうだ。「中国第一銀楼」だって、へぇ、京都の「金閣寺」を真似て作ってあるんだ。
なんだって、2万5000㌔の銀を建物のコーティングに使ってんの? こりゃ「銀閣寺」も真っ青だわ…。
というわけでこの旅もここで終点、オレの旅の思い出はプラチナ級。次はどこの道を走ろうかな。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン9月18日発行号