サイが住む鍾乳洞
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。彼女がほしいと願掛けに訪れた「情人谷」は、カップルがよくデートに来るからこの名前に変わったんだけど、以前は「顕字岩」と呼ばれていたらしい。何でも、頭のいい人がここの岩を見れば、素晴らしい漢詩が浮かび上がって来るんだとか…目が乾くまで見つめたけど何も見えなかったや、やっぱオレじゃダメか。気を取り直してここにある鍾乳洞を探検。「犀牛(サイ)洞」って鍾乳洞、暗い洞窟の中にサイの銅像がデンと置かれていてなんかシュール。
さ~て、そろそろ貴陽市ともお別れだ。ここはもうすぐ地下鉄が開通するし、「未来方舟」なんてカッコいいオフィス街もできているし、次来るときはますます都会になっているんだろうな。
夜郎王が祖先の人々
お、次の安順市に行く途中にすっげぇ趣のある村を発見。ここは〝中国文化の生きた化石〟と言われる民族「屯堡人」の人たちが暮らす集落「天龍屯堡」なんだって。う~ん、婆ちゃんからちびっ子まで、みんな民俗衣装を着て日常生活を送っている村の人々、ステキだぜ!オレも伝統文化を重んじながら生きてみたい、と思うけど、実際は難しんだろうなぁ~。
よし、無事に安順市に到着。おや?「夜郎国の街にようこそ」なんて看板が出ているぞ。そうか、ここも夜郎国があったとされている場所の一つなんだな。そして何でも、夜郎王が自分たちの祖先だと信じ、今でも夜郎王に関する祭事を行う一族があるんだとか。スゲー面白そう。よし、明日は彼らが暮らす集落に行ってみるぜ。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2017年5月12日発行号